完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

天才女優 ~本当にあった「ガラスの仮面」~

2006年09月12日 | 
私は中年である。
最近、パソコンに向かい「報告書」ばっかり打ち込んでいる。
しかし、ブログをUpするのよりぜんぜん楽しくない
「中年」である。

「ガラスの仮面」を知って知っていますか。
美内すずえの「大河マンガ」であり、1976年に連載を
開始して以来、未だ完結を見ていない少女マンガの代表格である。
私が中学生の時に連載が始まり、いまだ完結しないというのは
正に「大河」という言葉がふさわしい。

このマンガの主人公「北島マヤ」は、天才少女として存在していて
平凡の女の子が「演技」に入るとまるで別人になり、見ている人を
引き込んでいく・・・。

実際、こんな女優が居るわけが無いと思っていた。
それくらいに、このマンガは良く構成されている。
これだけの時間をかけて、本当の「ヤマ場」に差し掛かりつつある。
この結末を見ずに「死ねない」と思う。

さて、日曜日の夜に現実の「北島マヤ」を見たのだ。
「情熱大陸」という番組の中にその娘はいた。

その娘は決して美人ではない。しかし、カメラの前で演じる
姿はまったく別人に見える。そして、その演技には信じられない
「感性」で成り立っていた。

訛りの勉強のために、セリフ以外のアドリブのために台本も
読まずに地元の劇団の少女たちと雑談し「セリフの練習を
家でしない」と簡単にいい、新しい仕事は「台本を読んでから」
決める、という。

レンタルビデオの映画を見ても、ストーリーよりカメラアングルや
音楽の入り方が気になる彼女は、あの岩井俊二監督をして
「彼女を見ていると、少なくとも自分が天才でないことがわかる」
と言わしめた。

圧巻だったのが「ある1シーン」が出来上がるまで。
暗い体育館と思われる場所。リハーサルでは、たった二言の
セリフがうろ覚えなのだが、3~4回のカットを重ねていき、
本番になると、そこには「彼女」ではなく、映画の中の
「フラダンサーを目指す娘」だけがいた。


「ガラスの仮面」のマヤは、ヘレン・ケラーを演じるために
本当に目隠しをして1週間を過ごす。そのことでヘレンになる
ヒントをつかむ。

彼女は盲目の少女の役をやるために、盲目の少女に会うという。
「そのことによってセリフの言い方が変わってくる?」と問われて
「おっきな差は無いかもしれないけれど・・・自分の中の自信には
 なりますね・・・・ちゃんと理解してるっていう・・・」

そして、いまだ「女優は、自分にとって天職とは言えない」と
言い切る。

この夏に彼女は21歳になった。彼女の名は

         「蒼井優」

「はちみつとクローバー」の天才画家「はぐ」役をやった女優だ。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。

「こんなのただの思い出作りですよ」岩井俊二の映画に
出演した彼女には、彼にどんな女優になるつもりかと問われ
そう答えた。                 may








コメント (1)
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