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『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』

2018-08-23 22:42:50 | 読書。
読書。
『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』 山中伸弥 聞き手:緑慎也
を読んだ。

受精卵から作られるES細胞は、
そこから皮膚細胞や肝細胞や心筋細胞など様々な細胞に変化させていくことができる。
しかし、受精卵から作られるため、倫理的な問題が、
特に人間のES細胞にはつきまといます。

iPS細胞は、血液や毛根、皮膚などに四つの遺伝子を入れて培養すると、
ES細胞のような、さまざまな細胞に分化できる初期化された細胞にすることができる。
ES細胞に比べて手軽に作成でき、
再生医療への活用に期待がされ、研究されている。

そんなiPS細胞を作成し、ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生の聞き書き自伝です。
半生を語りながら、iPS細胞にたどり着くまでと、iPS細胞に期待できることなどを
語ってくれています。
また、後半には、インタビューによるそれらの深掘りも掲載されています。

山中先生がどんな人物かを見ていくと、多少わかりやすくもされていて、
ご自身謙遜するように語られている部分はあると思うのですが、
知力ですべてなぎ倒してきたみたいな、
知力パワーでの人生ではないところに人間味がありました。
そりゃ、頭がいいだろうけれど、
他人よりも長く効率的に働くことと、ハッタリでここまできたようなところが印象に残る。
健康と真面目さとハッタリです。

あと、若い頃なんかは、
けっこうふわっと周囲の意向に沿う感じで人生が決まっていっている。
僕はそういうのけっこう嫌な方なんだけど、
嫌がらないほうが人生うまくいくのかもしれない。
だからといって、嫌な人は嫌でいいとは思うのだけれど。

現在は京都大学のiPS細胞研究所の所長をされていて、
研究と経営を五分五分のバランスを心がけながらいそしんでおられるご様子。
…といっても、本書は6年近く前の本なので、
現在はまたちょっと境遇や状況が変わってらっしゃるかもしれないですね。

iPS細胞が医療の切り札みたいに実際に役立つ未来を期待して、
山中先生たちの研究を応援する気持ちで見守っていきたいですね。

文庫化もされているので、そちらで読むのもいいかもですね。


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