Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『TRIANGLE MAGAZINE 02 日向坂46 小坂菜緒cover』

2024-01-26 21:36:05 | 読書。
読書。
『TRIANGLE MAGAZINE 02 日向坂46 小坂菜緒cover』 小坂菜緒 金村美玖 正源司陽子
を読んだ。

日向坂46のメンバー、小坂菜緒さん、金村美玖さん、正源司陽子さんを50ページずつフィーチャーした写真集。それぞれインタビュー付きです。それぞれのメンバーのカバーがあるのですが、僕は小坂菜緒さんのバージョンにしました。

本書のはじまりである小坂菜緒さんは「再会」がテーマです。旅館の一室にて、急須でお茶を入れている写真のたたずまいの美しさ。鎖骨がきれいでした。あと、表紙と同じ撮影セッションの何枚かも秀逸ですね。フリルのついた刺繍のすてきな衣装を着てらっしゃるのだけど、淡い光の加減もあいまって、幻想的非日常の時間が捉えられています。瞬間的にこの写真集の中に連れて行かれていってしまう、そんな引き寄せる強い力を持つ写真群だと思いました。

というか、全部すごく胸をときめかせてしまう写真たちです。小坂菜緒さんの抜群な魅力がそこにあります。きれいでかわいくて、ときにどこか儚げな感じがあり、秘めている心の動きをなんとなしにこちらが感じたときに一本の紐でつながりあう気持ちになって、つまり心惹かれる(引かれる)ことになるんです。

最後にインタビューがあります。全然出張ってこない小坂さんだし、自分から「いま、こういうことに取り組んでいます!」なんて公言しないほうですし、謎を秘めている感じがあります、秘密という香水がわずかに香るというように(それもまた魅力なのです)。それが、インタビューによって少し小坂さんのパーソナリティが垣間みえるのでした。

たとえば、思春期を迎えてから控えめな性格が強くなったそうですが、それまではアイドルが大好きで、AKB48の「ポニーテールとシュシュ」を有志5人でクラスのレクリエーションにて披露したとあります。人間形成の基盤のところにそういった面があったんですね。あと、今の素の自分はオタクだ、とありました。動画配信でアニメの話をしていましたし、ゲームをしてるという話もありました。アイドルのお仕事は大変でしょうから、減ってしまったエネルギーをどうやって充電するかは人それぞれでしょうが、小坂さんはそういったやり方でOFFになったときのご自分の生活を作っていて、そうやってまたお仕事をしに行っている感じがします。

そして、アイドル美学についても短く語っています。小坂菜緒さんご自身が好きで憧れていたアイドルさんたちと同様に、全部見せるのではなく、幻想を抱かせる存在でありたい、と。気を抜くと低い声でしゃべってしまうこともあるけれど、貫きたいとつよい気持ちを示していました。

ちょっと引いた目で考えてみると、こういう言葉がアイドル当事者からでてくるというのは、漫画&アニメ『【推しの子】』の星野アイの影響なのかもしれないですね。受け手としては、虚像としてのアイドルという在り方を『【推しの子】』から具体的に知り、アイドル当事者としても、自分がイメージを売る存在であることが受け手にはっきりわかられた後になったのを知っているので、その自覚を持っていることを隠さない。まあなんていいますか、そのほうが逆にしらけないのかもしれないです。

そうはいっても、小坂さんは、久しぶりの動画配信ではちょっとうにうにした感じで低めのテンションでやってましたし、その8日後だったかのこの写真集のプロモーション動画配信のときは、前と違ってアイドルとしての完成度が高くてびしっと決まっていました。振り幅があります。

さて、どうしてこんなに小坂菜緒さんについて長く書くのかというと、僕の「推し」だからです。最高にまいってしまう人なんです。9カ月の休養を経て、復帰してくださったのが、大変だったと思うのだけど、ほんとうに嬉しい。このあたりのいきさつもインタビューページに書かれています。


金村美玖さんは「白昼夢」がテーマ。艶めかしさのある非日常感が色濃く感じられる。というか、異世界感すらある怪しげな官能性すら感じます。藍色の浴衣姿の写真と、花柄ワンピースの写真がとくに好みでした。ぐっときます。

インタビューを読むと、すごく腑に落ちました、金村さんはどういう人なのかがぴったりはまった感じがある。目立ちたがりでがつがついく反面、繊細な面もあり、そしてまじめ。カメラなどやりたいことがわかっていて、目標に向かって走り始めたようなところがあるように感じました。そして、建設的にひとつずつ構築していく考え方がよくわかります。積み上げていく、というしっかりした考え方です。今、大学生として写真の勉強をされているそうですが、こうやってひとつひとつ積み上げていく方ですから、この先何べんも壁に当たったとしても、頭を回転させて、そして労力をかけて、その都度自分の道を作り上げていき、アイドルとは違う何者かにもなろうとやっていくのだろうなあと思いました。


正源司陽子ちゃんは「君は空色」がテーマ。<16歳の少女は、すごいスピードで輝きを増してくるくると表情を変えていく。いろんな空模様があるけど、そう君こそが空色。>というリード文がとてもよく言い得ています。「X(旧ツイッター)」で本書のアカウントがメイキング動画を多数アップしているんですけど、写真ではとらえきれない、表情の移り変わりの魅力はそこで知ることができますので興味のある方は見てみてください。16歳ど真ん中な健康的な空気感の写真がずらりと並んでいます。制服にグレーのカーディガンを羽織って淡い光の中にいる写真、白いキャップと白いスウェット姿の写真がとくに好きでした。めちゃくちゃかわいいです。

インタビューでは、日向坂46加入のきっかけがいとこの五百城茉央さんの乃木坂5期生加入だったことだと話されていて、五百城さんが乃木坂に入ったと聞いたときには、「目が飛び出るほどビックリしました」とあります。そして、晴れて日向坂に加入が決まったときには、東京で五百城さんに直にそのことを伝えると彼女に喜んでもらえて、たまたま東京に来ていた五百城さんのご家族と合流したら、みんな「アゴが外れるくらいビックリしてました(笑)」ということでした。

「しょげこ」こと正源司陽子さんは原石なんて言われ方がされて期待されていますけれども、もうなんだか言葉にできないなにか良いところがあります。今から注目していると、いろいろと素敵なところが見られると思います。

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