島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

母娘二人旅

2017年05月08日 | 日常
厳密にいうと引率か…

まあ理由はともあれ、ユイと二人だけで飛行機に乗っての旅は初めて。

金曜日は学校を休んで、移動にあてました。

行き先はまずはマドリー。
そこから長距離バスに乗りTalavera de la Reinaという街へ。



着いた日は雨。
でも美味しいものは食べよう、とホテル近くのバーレストランで



名物仔牛の煮込みでスタミナをつけ早めに就寝。

翌日は五月晴れ。


会場のテアトロ。

前回のコンクールでは舞台袖までナダールが付き添いましたが

今回は「ご家族の方々、観客席へ移動してください」と早々と追っぱわれ

一人観客席でドキドキドキドキ。

セミファイナルではビデオ審査と同じ3曲を用意するように、と連絡が事前にあったのですが

始まってみると一人二曲弾いている。
状況が分からず、これは審査員に指定されているのか、自己判断なのか…

おーい、ユイさん、自己判断できんの?

あえて本選に残ったら、などいう話をしないでここまできてしまったので、私のドキドキ感、高まる高まる。

セミファイナルは5名出場。
(ずいぶん厳しいビデオ審査だよなぁ)
内わけ、12歳3名、11歳1名、7歳1名。


セミファイナルのユイ。
ブルグミュラーのエチュード、プロコフィエフのタランテラを演奏。

エチュードは少しテンパり気味だった感じでしたが、プロコフィエフは堂々とした演奏でとりあえず無事弾き終わり。

客席に戻ってきたユイも「ブルグミュラーはいまいちだったよね」と少し元気なし。こういうとき心にもないことをいうとすぐにばれるので、
「ああいう速い曲を最初に弾くってなかなか難しいよね。プロコフィエフはブラボーだったけど」というと、やっぱりそうが、という表情。モーツアルトをなぜ外したのかと聞くと、モーツアルトをファイナルに残ったら弾きたいからという娘の意気込みに隠れ感動。弾かせてあげたい、が、わからん。確実に通るのは12歳のお兄さんとお姉さんだねえ、と、まあそんな感じでした。



12歳までの部門と18歳までのセミファイナリストが再び舞台に上がりファイナル進出者の発表を聞きます。

そこにユイの名前が!

えーすごいすごい、と観客席の私、大喜び。

再び私にあったユイ。
「モーツアルトが弾ける!」

確かに、今回の選曲のモーツアルトのロンドは彼女にとても合っている曲、
なのだが、わりとアクシデントも起こりやすい曲で、波があるんです。

本選は夜20:00スタート。



街中を少し散歩。



街の教会。



スペインで一番長い河、タホ河。

本選出場者はリハーサル時間30分もらえるのですが、いつものごとく3分でOKを出すユイ。
理由は、全部弾いちゃったらもったいない。

弾くのは彼女なので、あえて無理押しはしないが、おいおい…といつも思うんです。自分のピアノじゃないし、響きもあるし、試したい人が多い中、いつも彼女の反応は
「うん、弾きやすい」(鍵盤が我が家より軽め)
「ちょっと鳴りにくい」(鍵盤が重い)
この二つしかありません。ま、こんなものなのかなあ、と、彼女を信じるしかない。

本選ではトップバッター。
もう心臓が口から出そうでしたが、最初の音を聴いて、心拍数が嘘のように落ち着きを取り戻しました。
お世辞抜きで、今までで、一番面白いいきいきとした演奏でした。



結果。



まさかの第一位。
第三位から名前を呼ばれ、最初に名前が出なかったので、うわぁ、第二位に入賞なんだ、これは写真撮らなきゃ、と携帯を構えていたら名前が呼ばれない。

え?

え?

え?

日本語で、嘘でしょ、嘘でしょ、とつぶやいているうちに名前が呼ばれ

写真撮り忘れ。

上の写真はコンクールの事務所からいただきました。やれやれ。



着替えて打ちあげ。舞台裏の話を色々聞いたり、他の出演者と話したこと、審査員から言われたことなどなどを色々教えてくれました。
舞台で頑張ったことよりも、見えないところでの意外な成長に相槌を打つことしかできなかったほど感動しました。

ホテルにかえって



速攻熟睡。
ここで、それまで耐えていた涙腺崩壊。
ナダールに電話をしたら、ナダールさんは数時間前に涙した、とのこと。

コンクール、準備期間が長いため、各自思うこと多し、です。

いい先生に助けられ、各所に応援団がいて、幸せな娘だなぁ、と。でもやっぱり一番頑張ったのは彼女なので、大声でおめでとうを何度も言いたいです。