遠足スタイルですが、実は風邪で幼稚園をお休み。だんなも私も仕事、フランシスカは午前中は病院へ行かないといけなかったので、仕方なく私がコンセルヴァトワールへ連れて行くことに。
リュックの中に、ゴルミティ、ミニカー、クレヨン、画用紙を詰め準備万端。
10時からサックスの生徒へのレッスンだったのだが、レッスン室でも意外とおとなしく絵を描いたり、ぶつぶついいながらゴルミティで遊んだり、と、ずいぶんお兄ちゃんになったもんだなぁ・・と思った矢先。
「ママ、ここで聴いてもいい?」と、いすを持ってピアノの隣へやってきた。
普段、家でそうやって聴くこともあるので、その延長なんだろうけれど、生徒は結構びっくり。
「絶対話しかけないでよ?分かった?」と念を押し、隣へ座らせる。
小節ごとに拍子が変わる曲なので、何度か繰り返して同じ箇所を合わせていたりしていたのだが、生徒がストップすると、息子が
「なんで止まるの?」と聞いてきた。
生徒「え・・・・っと、うまくいかないから、つまり間違えたからもう一度やるんだよ」
ナル「分かった」
だんだんコツがつかめてきた生徒、今まで止まっていたところも難なくスルーできるようになり、先へすすもうとした矢先。
ナル「ママ、ママ」
私「(目で)黙んなさい!」
ナル「ママ、ママ・・・・・」
私「(目で)怒るぞ!」
ナル「(小声で)なんで止まらないの?」
私「え???」
ナル「この人、さっきから間違ってるのに止まらないよ」
OH,MY GOOOOOOOOOOOD!!!!!
確かに、完璧ではないんです。だって練習だし。
でもそれを指摘する息子、汗をかく生徒・・・・・
「 Que duro....peor que la madre.....」(きっついなぁ。母親よりひどい!)といった生徒。気の毒に。
私には12人のサックスの生徒がいるのだが、私のレッスンのときには常にレッスン室に3人くらいの生徒が入れ替わり入れ替わり入っているので、自分の絵を見せたり、自己紹介をしたり、と、楽しそうに過ごしていたナル。でも、私の生徒に間違えを指摘するのはやめてくれぃ。
12時にはフランシスカも検診が終わり、コンセルヴァトワールへナルを迎えに来てくれた。金曜日の今日も一応休ませて、咳はずいぶんおさまり、元気になりました。・・・って咳がひどかっただけで、元気だったんだけれど。
ところで、この12人のサックス科。
20歳前後の男の子たちなのだが、幸か不幸か、11月、12月と私のつわりと間近に見てきたため、妊婦対策ばっちりBoysになってしまいました。
空腹時に吐き気がくるため、ピアノの横にはクラッカーだったり、ナッツだったり、果物だったりを必ず常備し、お茶も家から魔法瓶に入れて持ってきていた。
弾いてはなにかを口に入れ、オエオエいう私に、生徒は背中をさすってくれたり、お茶を入れてくれたりしてくれた。
オーディションのある日、さすがにピアノのわきに食べ物は置けない。
3楽章形式の曲を弾いたとき、1楽章が終わった時点で吐き気がやってきた。
私の顔つきで察したのか、なんと、2楽章が終わるときには、黒子生徒が横からチョコレートを差し出してくれたのだ。
「空腹だと吐く」ということを見事に理解してくれた生徒たち。
それを見たサックスの2名のProfが
「おれたちより、妊娠のエキスパートだ・・・」と唸った。
Profの一人はすでに50代、二人の息子のパパであり、もう一人は30代、昨年の夏に結婚したばかり。
20歳の生徒に負けていたそうです。あっぱれ、生徒!!!
はたから見ると彼らは「いまどき」の男の子たち。
でも、息子の相手をしてくれたり、妊婦を介護してくれたり、気持ちのよい子たちです。