獲物(尺取虫)の大きさにあわせて穴の調整を終えたジガバチは、
再び獲物を抱え、
穴に入り始めた。
穴に獲物を引き込むのはあっという間で、
数秒でジガバチと獲物は穴の中に消えてしまった。
覗き込んでも何も見えなかったことから、穴の深さは10cm以上はあったものと思われる。
穴から出て来ると今度は穴を埋め始めた。
最初は乾燥したやや大きな土の塊を運んでいたが、
恐らく穴の中に隙間を作っていたのであろう。
あちこちから土の塊を集めては穴の中に運んでいたが、
途中からは、穴周辺の土で埋め、それでも足りなくなると、
直ぐ近くを掘りながら埋める土を集めていた。
地表近くまで埋め終わると細かな土を乗せ、
周囲の土と同じ高さに調整していった。
埋めるために必要な土を得るために掘った穴は、
下の写真のように穴状態だが、
その脇の獲物を埋めた穴はもうそれとは判らない。
獲物を狩り、数十メートルも抱えて運び、
穴を調整し、意外と深かった穴を埋めるなど、
休み無く働いていたジガバチも相当に疲れたようで、
穴を埋め終わった後は暫くコンクリートの上で動かなくなった。
5分近く動く気配が無かったのでその日の観察を終了した。
翌日の午後に同じ場所を通ったので確認すると、
昨日の穴の場所は特定できなかった。
が・・・
直ぐ近くで新たな穴を掘っているジガバチが居た。
穴を掘っているときも用意周到で、
掘ってきた土塊は、穴から30~40cmも離れたところに捨てていた。
上の写真からも判るように、
腰の括れが自分の脚よりも細く、華奢で特異な体形をしていた。