公園の中を歩いていると、目の前にハクセキレイが現れた。
ハクセキレイといえば、人が歩いている前などに飛んできて、
万葉集にはすでに「道案内役」として詠われている。
口には大きな虫をくわえていたが、
目の前で何回かくわえ直して、やがて飛び去っていった。
折角の獲物を人前で地面に落としはくわえ直すと言うのは、
ハクセキレイにとっての人は、
他の野鳥や猛禽類が寄ってこない安全な物体と思っているのかもしれない。
小鳥はこの時期子育ての真っ最中で、
餌である虫を口に咥えている小鳥の姿を目にすることが出来る。
小鳥とはいえ、その一所懸命さには驚かされる。
もっとも、不如帰や郭公のように「鶯の巣」に托卵して子育てを任せる不届き者もいる。
これまた万葉集に長歌が詠われている。
ちなみに万葉時代には郭公と不如帰は同じと見られていた。
若葉が出る頃までベランダに餌を食べに来ていた「ヒヨドリ」は、
空中キャッチが上手く、小さく切ったパンの耳などを放り投げると、
パンの落ちる速度より早く急降下して必ずキャッチする。
で、
今年は、ベランダの手すりに並ばせてキャッチするように仕向けたが、
馴れた一羽だけ、手すりに止まったままキャッチした。
これが三羽ぐらいになったらビデオを廻して撮ってみようと・・・・
しかし、若葉が出て虫などが発生するとヒヨドリは寄り付かなくなった。
今頃は子育ての真っ最中なのかもしれない。
下の写真は明らかに私の行動を見ているヒヨドリ
万葉集巻9、国家大観番号1755 高橋連虫麻呂
うぐひすの かひごのなかに ほととぎす ひとりうまれて
ながちちに にてはなかず ながははに にてはなかず
うのはなの さきたるのへゆ とびかけり きなきとよもし
たちばなの はなをゐちらし ひねもすに なけどききよし
まひはせむ とほくなゆきそ わがやどの はなたちばなに
すみわたりとり
かきちらし あめのふるよを ほととぎす なきてゆくなり あはれそのとり