野山を歩いていると初見の花や昆虫に出会えることがあるが、
その出会いこそが逍遥の楽しみであり写真を撮る楽しみでも有る。
しかしながら、至近距離で真正面から撮ることの出来る昆虫は極端に少ない。
少ないながらも撮っていると、そこには意外な世界を発見する。
「尾白脚長象虫(オジロアシナガゾウムシ)」
まん丸な体と、思いも寄らぬ蟹股の様な長い脚が面白い。
「灰色矢筈天牛(ハイイロヤハズカミキリ)」
昆虫の複眼が全て丸い形をして居るとの認識は、
カミキリ虫によってもろくも崩れ去ったのである。
触覚を囲むように形成される複眼(頭部の黒い部分)は、三日月形だったのである。
「葉蜂(はばち)の幼虫」
キャベツなどに居る紋白蝶の幼虫の青虫よりもやや大きく、色違いの虫だったが、
その頭部はまん丸で、目の部分にはアイシャドーの模様が入っている。
頭頂部はどこかで見た、つるつる頭のおじいさん風。
「眉白蝿取(マミジロハエトリ)」
頭部の周囲に眉のような白い毛があるハエトリグモの仲間で、
意外なほど敏捷性の有る蜘蛛。
カメラの角度により、頭部と尻部が合体したように見え、蛸、達磨のようである。
捕らえられている昆虫は「フキバッタの幼虫」
巻頭の写真は「一文字挵(イチモンジセセリ)」
真冬でも生きて活動できそうな毛に覆われ場所によっては虹色に輝く。
こんな毛皮があったら、ロシアンセーブルのコートよりも高価になっていたかも・・・・。