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映画「最愛の子」を観て 下 日本の家族の特殊性

2016-02-20 10:26:27 | Weblog
写真は大理近くの雲南駅(鉄道の駅ではなく、かつて昆明やミャンマー、インドからチベット、四川へと抜ける交通の要衝地だったところ。馬が日に数百匹行き交っていたという。)の門前で仲良く遊ぶ子供。

【日本で無理心中がおこるわけ】

 また、日本が1945年の敗戦後、中国から引き揚げる時に預けた子供を、我が子のように養育した養父母も少なくありませんでした。

それは今も変わらず、中国内の旅先で親が入獄や自殺してしまい、ひとりぼっちで身元不明になった子供を、付近の人が親身に育て、何十年後かにその親戚と偶然再会し、その養父母に感謝した話も少なくありません。

日本では親が自殺したい衝動に駆られたとき、子供を死なせる無理心中をマスコミの報道で聞くことが多いのですが、中国は子供が一人残っても、養父母が見つかりやすい社会のためか、無理心中はあまり聞きません。

げんに中国の「百度」には日本のマンガ・名探偵コナンの無理心中事件で、子供を巻き添えにする意味がわからず、質問や論争が行われていました。(http://zhidao.baidu.com/question/83528272.html、他には2013年5月27日埼玉県蕨市に日本人に嫁いだ女性が夫に無理心中させられた疑いの強い事件を取り上げて、日本人に嫁ぐことは、どうなんだろう、、と論争するサイトもある)

 じつは中国語には無理心中に相当する単語がなく、日本の新聞を翻訳する際に「強迫殉情」という言葉を当てています。無理心中を訳すときに作られた造語で、無理強いして家族を己の死に従わせるという、意味をつなげた言葉です。

 我が子であろうと、なかろうと一途に育てる力の分厚さはどうやら中国の人の方が優っていると思うのは、実感するところ。
 どんな子にも愛情を向けられる特質が善と出るだけではない社会を、しみじみ考えられる映画、でもありました。         (おわり)

コメント
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