雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

スペインとポルトガル80 カディスで食べる肉料理

2022-11-20 10:20:37 | Weblog
写真はメソン・コンブレス・マヨレスの入口にあるカウンター。カーニバルの服装のままお昼をとる人もいる。

【カディスでお勧めの店・メソン・コンブレス・マヨレスMESON CUMBRES MAYORES】
 駅に近いごちゃごちゃした通りから旧市街中心部に向かって小さな路地をぐるぐると歩いていると、ひときわ活気に満ちた古風なバルがありました。入口に扉はなく、ただ洞窟のような中に入るだけ。外にも丸テーブルがあり、ビール片手にほぐした肉をムシャムシャとほおばる人々が。
中に入ると天井からはしっかりと燻製された豚の太ももの形をしたハムがずらりと吊り下げられ、合間にニンニクもぶらさがっています。

ヒヨコ豆のスープにはたっぷりと臓物がはいっていてうま味たっぷり。肉よし、味よしで、身体が芯から温まります。

豚の各部位のバーベキュー(Paaillada Cumbrena)は、29.5ユーロとなかなか値もはりましたが焼き方は外皮がパリっとしていて塩加減も絶妙。バジルの使い方もうまく、肉汁もたっぷり。よほど仕入れがいいのでしょう。
スペインの旅で最高クラスのおいしさでした。


【カディス市場MERCADO CENTRAL DE ABASTOS AYUNTAMIENTO DE CADIZ】
カディス博物館へと歩いていると、重そうな白いビニール袋ををぶら下げた人やたくさんの果物をかかえた人が三々五々流れてきました。そう、例のフラグです。彼らの歩みを逆算して着いたのがカディス中央市場。案の定、活気に満ちていて新鮮な魚と野菜があふれていました。


ペントハウスの台所を使って、夕飯の食材を買い込んで楽しもう!

 分厚いイカはボイルし、手長エビはワイン蒸しと焼き物に。
巨大なキノコとアスパラはさっと塩とオリーブオイルで炒め、

それにピッカピカではちきれんばかりのトマトとイチゴを添えて。

市場で平たい大鍋でじっくりと焚いていた真っ黒なイカ墨のパエリアと一般的なトマトベースのパエリアで夕飯に。

朝食の分にもなって、3人で約7000円。自炊にしては豪勢な値段となりました。食材は新鮮で味も最高なのですが、やや値段がお高め。それに比べるとワインやビール、水、調味料は安かったです。

写真は市場の食事処にて。

 街はカーニバルで浮き立っているのに、地元の人々の生活はごく普通のときを刻んでいることが実感されました。
 また、広場周辺のバルでは小魚の揚げ物(きびなご風小魚)などの店が多くあります。揚げたてはもちろん、冷めてもおいしく、朝食にパンにはさんでいただきました。
(つづく)
※来週の更新はお休みします。急にさむくなってきましたので、体調をお気をつけください。鍋のおいしい季節になりました。
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スペインとポルトガル79 カディスのカーニバル

2022-11-13 12:49:44 | Weblog
カディスのカーニバルの人々。

宿泊先のペントハウス。

【本場の、ほのぼのカーニバル】
ペントハウスの眺望はたぶん、街で最高レベル。だけど、その分、一度、降りて、また4階まで上がる際、足が上がらなくなることも。段差がとにかく急なのです。ただキッチンと洗濯機があるのはうれしい。早速、洗剤を買って、たまった洗濯ものを回しました。
 さて外は昨日とは打って変わってカーニバル一色に。大人は白塗りの不思議ないでたち、それも集団で。一方、子供はスーパーマリオとスパイダーマンの恰好をよく見かけました。マリオは日本発だと知ってるのかしら? わがことのように誇りたくなる勝手な私。
 中心広場は、バルーンや電飾できらびやかに飾り付けられ、真ん中に小さな舞台も設置されていました。そこのイベントの一番の目玉が仮装を競う大会です。大勢、もしくは数人で舞台に出ては、はずかしそうに司会者の質問に答えています。昔、小さな漁港で出会った演芸大会みたいな雰囲気です。

 様々な人が出てくる中で優勝者は、かわいらしい小学生の男の子でした。オレンジ色のチリチリパーマに、父母手作りのミツバチスタイル。なんともほのぼのとした結末です。

「カディスのカーニバルは、ぜひ行くべき。伝統もあるし世界的イベントなんですよ。」

 とスペインに詳しい知人から聞かされていた私にとってこの結果は衝撃的で、逆に好感を持ちました。
 やっぱり祭りは地元のもの。大きくならなくて、いいのです。

【異質な?Wi-Fi】
じつはこの旅で困っていたことがありました。今まで海外に行くときにはその土地のSIMカードをAmazonで事前に買っては現地で差して使っていました。それが一番安いし、トラブルもなかったのです。ところが今回は、私のスマホだけ使えない。どうやってもダメ。ホテルのWi-Fiは使えるのです。そのため娘のスマホを頼りにする日々でした。
 ところがカディスではSIMカードを使ったWi-Fiにつながりました。というかカディスだけつながって、カディスを出たらまたつながらなくなりました。カディスのWi-Fiは、品質が違うようです。
(0円で手に入れたフアウェイ製。2018年当時、フアウェイを狙い撃ちで米国がいろいろしていたので、そのせいでは、と疑っています。真偽のほどは不明。)
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スペインとポルトガル78 カディスは小島?

2022-11-06 13:09:12 | Weblog
写真はカディスから見える夕日。大西洋へと沈んでいった。

【カディス到着】
 14時45分発カディス行きの列車は、やはり満席でした。
セビリアからの一時間半、見える景色は平坦な黄色い大地と薄い緑ばかり。ところがカディスに近づくと一変。乾いた大地から水っぽい湿地帯。やがて大西洋がキラリと輝いてみえます。

カディス周辺の湿地帯。

カディスの歴史は古く、紀元前10世紀ごろフェニキア人によって築かれたヨーロッパ最古の都市の一つです。

スペインの大西洋岸では最も突き出た小島で幅2キロメートルほどの四角い地形なのは地図でわかってはいたのですが、足場の悪い湿地帯が続いたところから、じつは江の島のように陸地とつながった小島なのだとわかりました。江の島の幅5倍強ある都市島。ここから新大陸へとコロンブスが出発し(2回目と4回目)、1717年に新大陸との貿易を統括する通商院がセビリアからカディスに移されてから商業は黄金期を迎えたのでした。

 そんな歴史ある地でのカーニバルの盛り上がりを楽しみに夕刻、駅に降り立つと、意外やうすい盛り上がり。バルーンゲートが風にはためき、青やオレンジ色の毛をなびかせて身体のラインの見える道化のような恰好の一般人が2人、さびしく歩いているくらいです。店先から見えるテレビでのみ、カーニバルで盛り上がる人々の映像が流れていて、へんな感じ。

ペントハウスから見える夕景。

【ペントハウスに泊まる】
 ここには一つ、懸念がありました。カディスは海に囲まれた小さな街だけに宿泊施設には限りがあり、まともなホテルは数か月前から満室だったのです。あとは、恐ろしく値段の高い部屋か20キロ以上先のよくわからない街のホテルのみ。直接電話してもダメ。

数日ネット上で探して、ようやく取れたのが貸しペントハウスでした。

 このシステムがよくわからなかったのです。
 駅から歩くこと20分。予約の際にメールで示された場所に行くと、街の中心にある石畳と古い建物のならぶ狭い道の一角にNPOが経営するオフィスがありました。
メールでは「困ったことはありますか?」など、文通なみにいろいろとやりとりがあり、なんとなくユースホステルのような温かみのある場所でおばちゃんが一人経営しているのかな、など想像をしていたのですが、様子が違います。

さっそく戸を開けると、長机の前に若い赤ひげのお兄さんが一人、座っていました。予約票を渡すと

「あと10分で事務所を閉める時間でした。来られてよかったですね。」

 と一言。もう少しで宿に入れなかった可能性があったらしい!

ここでペントハウスの場所を示した地図と鍵、使用にあたっての一般的な注意事項と彼の携帯電話番号が渡され、「OK?」とイエスしか言えない状況でほほえみ、さっさと事務所を閉めて帰ってしまいました。メールの時との対応が違いすぎて面喰いました(カディスの民泊を一手に引き受けるNPOでした)

 駅に家人と重たい荷物をのこしていたので、いったん戻り、全員で石畳をがたがたいわせながら、スーツケースを転がし続けること30分、ようやく宿に着きました。

 開けづらい鍵を鍵穴に差し込み、格闘すること10分、噛み合わせのいびつな鍵がガチャリと開きました。これで、休める、とドアを開けると、目の前には急な階段が。階段以外のスペースは無。
荷物を家人に見張ってもらい、大男向けのような段差がある階段を上がること4階分。ようやく屋上のペントハウスに到着です。次にしたのが(一縷の望みをかけ)エレベータを探すこと。でも当然ながらありません。そこでまた下に戻り、今度はぎっくり腰の恐怖に耐えて、重たいスーツケースを引き上げ、汗だくになりました。
 落ち着いて、ペントハウスのテラスに出ると、270度、大西洋が見える絶景でした。夕日がちょうど落ちてきて、海を輝く赤に染めあげます。
 景色は最高。
(つづく)
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