雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く46 英語学校の本拠地はセブじゃなかった!

2020-06-28 12:48:15 | Weblog
写真は金曜午後のアクティビティ。毎週、英語学校の先生が工夫をこらした遊びを主催する。足にはぴちっとしたジーンズを履くのが主流。

【閑話休題・英語学校シティ】

 地図をみると、イフガオは、バギオのあるバンゲット州の東に隣接した州でした。棚田が世界遺産にも登録されているほど有名な地域です。

 話はそれますが、わたしの通っていたセブの学校には本校があり、それがバギオでした。山岳地帯にあるため、夏は冷涼で過ごしやすい。そのためかつてフィリピンの大統領府などの行政機関が夏季にマニラから移転していた都市でした。

そこに韓国の人が目をつけたのです。言語が英語で生活費が安く、辺鄙なのに生活必需品はそろう冷涼なこの地こそ、スパルタ教育で我が子に英語を身に付けさせるにはぴったりな場所だと。

こうして韓国の人が経営する英語学校が林立する町へと変貌を遂げていきました。本校となるPINESも2001年12月に設立されました。英語教師はその地で募集され、経験が蓄積されていきます。

そして5年前にセブ島留学ブームに乗ろうと進出。オーナーは前にも書いたように韓国の人です。こうしてセブ島の英語学校なのに先生の半数がバギオ出身となったのでした。

生徒の中には、バギオの本校に半年ほど留学した後、海に親しみながら勉強したい、と系列校から転校してきた方もいました。年齢は30歳代の韓国人男性で、企業を一年休んで英語学習にあてているとのことでした。ご本人は「上手じゃありません」と謙遜していましたが、日本語はペラペラ。日本企業とも縁がある仕事だそうです。奥さんもお子さんも韓国にいるそうですが、研修でフィリピンに派遣されているのだとか。その彼が

「バギオは遊ぶところが、なにもありません。夏でもダウンジャケットを羽織りたくなるほど寒いです」

と言っていました。

一方でバギオ出身の先生は

「セブの暑さは耐えられない。寒い空気を吸いたい」

という願いもむなしく、今度は冷房が作る冷たい空気にやられて、体調を崩していました。ひどい時には氷嚢を額にあてながら授業をされているほどでした。


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語学留学でセブに行く45 豚の丸焼きレチョン2

2020-06-21 14:24:17 | Weblog
写真はセブのレストランにある豚肉のグリル。しっかり皮目がついて、肉と皮の間に脂身がサンドされている。味のメインは脂身にある、といっていい。お米の甘さのような自然なあまみが魅力。

【地域のまつりごとにかかせない固有豚】
 豚の種類も、違う場合があるようです。日本で見るピンクの肌を持つ一頭200~300キロにもなる種類のものではなく、褐色か黒、もしくはブチで重さも100キロ以下の在来種がいるのです。沖縄のアグー豚が同じぐらいのサイズで色も濃い目で似ています。

詳しく知りたいと思っていたらフィリピンの新聞に「IFUGAOの豚を保護しよう」という記事が出ていました(「PHILSTAR」2018.11月7日付)

首都マニラもあるルソン島の北部にあるイフガオ州立大学の教授が、イフガオに固有の豚を研究して、いまや希少種となってしまったこの豚を保護するプロジェクトを起こしたというのです。

内容は、

放し飼いの豚は棚田とともに共存していたのですが、いまや棚田とともに消えつつある。調査したところ固有種で、5つの血統から成り立っていたが、なお詳しいルーツについては今後の研究が期待される。この豚は結婚式や葬式、地元の宗教行事などに欠かせないもので、文化に深く根差しており、いなくなってしまうわけにはいかない。在来のものは貴重な種だが、その地に適応しているので手間はかからず低コストで育つので地元の農民と共同体に配置して、今後、育てていく予定、

という話でした。

ルソン島北部の山岳地帯のイフガオ。そういえば、午後の先生がバギオの出身といっていたなあ、近いかもしれないなあと思い、この記事を見せたら、身体をぐっと寄せて

「あ、ここ、私のホームタウンよ。」

と大声で叫びました。
さらに豚の記事を見て即座に

「私のホームタウンの豚なの」
(つづく)


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語学留学でセブに行く44 豚の丸焼き レチョン1

2020-06-13 15:17:56 | Weblog
別の週末、セブンイレブンまでの距離・ほんの30メートルぐらいの間に見慣れない店が2件も出ていました。カラフルなビーチパラソルの下に透明なビニールに覆われた小さな屋台。まるで日本のお祭りの綿菓子屋のような大きさです。

木のまな板がそのままテーブルになっていて、その上にあめ色に輝く豚の丸焼きが載っていました。豚の胴体を真っ二つにぶった切って、その上半分だけ持ってきた、といった感じ。子豚ではなさそう。

なんだろうという顔をしてみていたら、買いに来ていたおじさんたちが

「これは、うまいんだぞう!」
と笑顔で誘ってくれました。
 横でハエがたからないようにずっとうちわであおっているおじさんがウインクをすると、肉を切り分けるおばさんが、おしげもなく豚の肉の部分を削いで味見させてくれました。

 ちょっと粗塩が効いていて、皮があめ色でパリッとして、口に含むと、まだ温かく、脂身のとろけ具合と相まって、とろけそう!

 さっそく、食べられる量を切り分けてもらい、お金を払うと、部屋に持ち帰って、ゆっくりと味わいました。これは、北京ダックの上をいくんじゃないか、というほど、豚のうまみが深いのです。

 セブ島のお隣のボホール島出身の先生にこの話をしたら、
「おいしいわよー、レチョン(Letchon)。マニラでも食べられるけど、もともとはセブの特産なの」
と自信たっぷり。目が少女漫画のようにキラリと光りました。

聞くと先生の実家では両親の仕事の一つが養豚だったのだとか。

「たいてい母豚が8頭産むでしょ。そうすると子豚がお乳を飲んだり、母豚の後をついていく姿がたまらなくかわいいのよ。チョコチョコ、てね」

豚はすべて放し飼いで、子供たちのいいおもちゃにもなっていたとか。現在、先生の両親は養豚をやめてしまい、代わりにおじが続けているとのこと。一族の絆の深さ、家族の範囲の大きさをここでも感じます。

でもこれで豚のおいしかった理由の一端がわかりました。セブの丸焼きの豚は放し飼いでストレスなく、よく動いているからうま味も深いのです。
(つづく)
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語学留学でセブに行く43 セブの塩辛・バゴオン2

2020-06-07 11:11:09 | Weblog
【スープにもかかせない】
 フィリピンの料理によく使われる塩辛・バゴオン。この味をしっかりと味わえるのがスープです。

セブ・マリバゴのリゾートホテルのJパークアイランド(H.I.Sなど日本の旅行社のカウンターもあり、日本人観光客も多いホテル)内のフィリピン料理レストラン。

スープはざっくりと切ったしょうが、丸のままの青唐辛子、刻んだ玉ねぎ、トマト、ナス、チンゲンサイのような青菜2種、キノコ、たっぷりのエビが入ったもので、からくないトクヤムクンスープといったところ。

むしろ私にはトムヤムクンスープより食べやすく、胃にやさしくて好み。魚系発酵調味料の味がはいっていたので、おそらく小エビ系のバゴオンが入っていたと思います。

気に入って何度も行きたいくらいのおいしさだったのですが、外国人価格だったので行ったのは一回のみ。


セブ・マクタン島のグルメ情報の上位に挙がるマリバゴグリル、というお店でいただいたスープには大小さまざまな魚がぶつ切りに。野菜は大根、玉ねぎ、トマト、薄切りのしょうが、青菜が入っていました。

これらは炒めることなく、切ってスープにそのまま投入。しゃきっとした歯ごたえが若干残るようなさっぱり風味でした。土鍋にも味の秘密があるように思います。つまり鍋にしみ込んだ歴代のスープと直火で焚いたところも味の深みに貢献しているのかもしれません。

ほかに、バーベキューの付けだれなど、様々なものにバゴオン効果が感じられました。

 先月に触れたアイランドホッピングの時に立ち寄ったパンダノン島でみかけた透明な容器に入って売られていたものも、このバゴオン。魚は日持ちしないけど、塩に付ければ、防腐になるうえにうまさも出てくる。魚の恵みのありがたさです。

 日本で上記のスープを再現するには、小エビの出汁とみそ、それにちょっとの塩辛を使うと近いかな、と試してみましたが、日本の塩辛だと臭みが出てしまいました。カツオだしや昆布だしもちょっと味が和風になりすぎます。
  なぜか日本のしょっつるよりも手に入りやすいタイのナンプラーは、フィリピンのよりも軽い味わい。この中間が出せると、かなりセブのスープに近づける気がします。あと、土鍋もいい味を出すのかもしれません。
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