【大航海時代ゆかりの場所へ】
ホテルのロビーではポルトガル歴史研究家のKさんとヨーロッパからアフリカを股にかけてフィールドワークをしているSさんが、ポルトガルワインを飲みながら、なにやら楽し気に議論を戦わせていました。これから数日間はKさんの案内でポルトガルを見て回ることになります。
しかし団体行動をすると、頭に残る風景が一気に少なくなるのはなぜでしょう。やはり苦労しないと印象もうすくなるのかもしれません。
3日のうちに行った場所をざっとたどりましょう。
写真はテージョ川の岸辺に立つベレンの塔。
【テージョの貴婦人】
まずベレンの塔。
10時開館からたった数分だというのに、人、人、人。観光客だけでなく、みやげ物売りも多い。青空にそびえたつ白く優雅な塔は、司馬遼太郎も「テージョ川の貴婦人」とたたえたほど美しさですが、入場料を払って建物内に入ると薄暗く、下のほうには太い鉄の棒が付いていて重たい雰囲気が漂っています。
Kさんが
「ここは地下牢で水ぜめに使ったんですよ」
と話していましたが、なるほど、という風情です。
そこから狭い階段を登って塔の上のテラスに出ると、大勢の人が記念写真に夢中です。白と青い空との対比が美しい外観は、やはり撮らずにはいられません。
写真は「発見のモニュメント」。エンリケ航海王子を先頭に32名の大航海時代関連の人物が彫刻されている。(発見のモニュメント - Wikipedia に全景の写真があります。)
【巨大なモニュメント】
塔のすぐ近くにはエンリケ航海王子没後500年を記念した「発見のモニュメント」がそびえていました。高校の世界史資料集にも出てくるのですが、まさかこんなに巨大とは思いませんでした。なにしろ人を豆粒にしないと写真には納まりきらないのです。
船首を模した白い巨石(コンクリートということですが、日本のねずみ色とは違うようです)の側面にエンリケ航海王子を先頭にバスコダガマ、マゼランなどポルトガルにゆかりの深い人々が彫刻されています。1960年に建てられたものですが、これまた人だかり。
ランチタイム前に食べないと混んでしまうということで、近くのお店でお昼。Kさんのよどみないポルトガル語で料理が流れるように手配されます。3日後には一行と別れ、娘と2人になるのでいろいろと覚えなくてはなりません。
(つづく)
※次回はポルトガル料理です。次週の更新はお休みします。