
ケンジントン宮殿内で見られる陶器の壺。ヨーロッパ中が中国陶器に魅せられていた。江戸時代中期以降は日本の伊万里焼なども輸入されるようになり、存在感を高めていく。
【今も生きている英国政府発行の香港市民パスポート】
中国返還(1997年)前には香港ではイギリス政府がパスポートを発行していました。パスポートというものは一度作ると、更新を止めることは中国政府であってもできません。
英国海外市民(British National Overseas、略してBNO)パスポートと呼ばれていて、イギリスにビザなしで渡航でき、イギリス国民と同じ160か国以上に自由に渡航できる、中国政府発行のパスポートより使い勝手のいいパスポートなのです(中国のパスポートは2024年現在88か国。)
完全にイギリス人と同等の権利ではないのですが
(英国で居住したり、労働したりすることはできない)、
2020年のニュースでは香港市民の35万人がこのパスポートを保持しているとのこと(BBCニュース2020年7月2日https://www.bbc.com/japanese/53259716)新規の発行はないので、中国返還以後生まれの人はどう逆立ちしても持ちえませんが。
また中国への返還前は、カナダやオーストラリアに移住する人が多い、という話は新聞などで読んで知ってはいました。
まさにそのパスポートが目の前に出てきたのでした。
頼んでもいないのに、その貴重な自身の身分証明書を見せるという状況から察するに、やはり自慢なのでしょう。
そのときは、二つ持ってる人っているんだ、派手な金色の模様だなあなどと驚いただけで、あとは
「あそこの料理がおいしいのよ」
という世間話と息子の自慢話という、おだやかな会話に終始してお別れしました。
でも、その後も、この光景は私の胸に刻まれました。
なんといっても、香港の歴史が生み出した複雑さが反映しているからです。
(つづく)
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