雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

ドイツ編4 酒蔵を改造した世界遺産のレストラン

2019-02-17 16:40:20 | Weblog

英語メニューではソーセージの文字が見られたので頼んだもの。ソーセージは腸詰めされたものではなく、その中身の具材をかりかりに炒めたハンバーグのようだった。添え物はベーコンとポテトをサイコロ状に切ったものとリンゴジャム。写真下はジャガイモのスープ。スープは飲むものではなく、口に入れて一度、咀嚼する感じで、しっかりとおなかに溜まる感じ。見た目よりもずっとボリュームがあり、すべてが一口サイズよりも小さいが、さりとて飲み込むものでもなく、味もしっかりと付いている。一瞬、食べ方に戸惑ったが、ビールにも合って、飲み込むタイミングが分かってくると、なるほど、スピーディにおいしく食べることができる。

【分業化の進んだはては】
 1,2階の市庁舎はガイドツアーに入らないと見られませんが、この地下レストランはレストラン利用者なら自由に歩くことができます。

 さて料理を頼もうとすると、これがなかなか難しい。ボーイは多く、皆、営業スマイルで動きも驚くほどきびきびとしているのですが、分業化が凄まじく、自分のテーブル担当で、さらにその人の仕事分野ではないと、注文すら断られる始末。
 ただ、注文さえ通ってしまえば、料理はすぐに来るし、味も抜群なので、そこはご安心を。
私はビール党なのでビール専門で食べていましたが、ここはワインが有名な店なので、ワイン好きの方はぜひどうぞ。

 また、食事だけの席とショーを見ながら食事をする席が分かれています。とはいえ、酒蔵を改造しただけの空間なので、深紅のベルベッドのカーテンで仕切られただけの簡素な間仕切りとなっていて、それもまたある種の風情が感じられるのです。

 つまり、そのショーの演者の出入り口が、ショーを見ない一般客の席の横にあり、自然と彼らの緊張感が伝わってくるといおまけ付き。
 ついにはじーっと見てしまっていた私と落ち着きなく、手汗を拭いてステッキを持ってはおろす、若き演者と目があい、テレ笑いをし合うことに。手を振ってから、カーテンを先を見つめ、意を決したように大きく深呼吸して、カーテンを開けてスポットライトの中に飛び込んでいきました。これが全部、見えちゃうお店、って・・・。

 他にも、トイレの領域にまで(ただし女子トイレのみ)ルネッサンス様式独特の陰鬱なお顔の像があったり、ともかく歴史を味わうには最高のお店でした。

 それにしてもビールを注ぐ人はそれのみに専心し、ボーイはそれぞれの料理運びに専念し、そして笑顔がない、というのは、ドイツの他の地域では見られなかったので、このレストランのみの特徴なのか、地域の雰囲気のなせるわざなのか。
 ちょっとよく分からないのですが、地球の歩き方の最新版(2018年出版)に出ていないお店なので、紹介してみました。旅の思い出にいかがでしょう?


※次回の更新は3月下旬となります。次はリューベック編の予定です。
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ドイツ編3 ブレーメンの世界遺産に踏み込むには

2019-02-09 10:44:52 | Weblog

写真上は世界遺産のブレーメンの市庁舎の2階。ハンザ同盟都市として、ここで様々な話し合いや、取引が行われた。天井からはシャンデリアの他に、様々な船の模型がぶら下がっている。写真の船は鉄の大砲がいくつも着いていて、いかに海上貿易が軍と関わっていたかがわかる。この模型の船はおもにアフリカに向けて出航していた、と説明された。
写真下はその市庁舎の地下1階にあるレストラン「ブレーマー・ラーツケラー(BREMER RATSKELLER)」の入り口。その白壁に誇らしげに「since 1405」の文字が書かれている。

【600年以上の歳月を見続けた建物】
その移り変わりをじっと見つけていた市庁舎。市庁舎もローラント像とともに世界遺産に登録されています。(日本では世界遺産は、かなり広範囲な建物群などで設定されていますが、ここは爆撃を受けた地区に唯一残った、この二つの建物だけで世界遺産に登録されています。ヨーロッパとその他の地域では基準が少し違うのかもしれません。もちろん、この二つの建物の歴史的な雰囲気は圧倒的ですが。)

 内部を見学するには、専門のガイドをつけてツアーに参加しなければなりません。我々も参加したのですが、まず、11時、12時、14時、16時と日に4階ある集合時間の10分前に市庁舎の一つの入り口の鍵が開けられ、英語によるガイドツアーに参加を表明し、ガイドさんの導きによって建物内に入ります。ある程度の人数が集まるとガイドが入り口のドアに鍵をかけ、他の人が入れないようにします。それから、参加者は、その人にお金を払います。その間、たったの10分間。ネットで予約することも可能なので、その場合は先払い証明書をプリントアウトして渡します。

 それから一時間かけて丁寧に見所を説明してくれるのですが、これがなつかしの中学校の修学旅行のよう。

 写真を撮ろうと少しでも列から遅れたり、わきに逸れたりすると、ガイドさんがパンパンと手を叩いて、a明るく厳しい小学校の先生のように「そこ、勝手をしてはいけません」といって連れ戻されてしまいました。
 こちらは学生のような気がしてきます。
 
 よくみると別のガイドさんの案内で同じ部屋を動いている団体が、家人が立ち入ると注意されたエリアに踏み込んで、なにか特別なものを触らせてもらっていました。やっぱり、そこは見てよかったんじゃないの? 私たちのガイドさんもユーモアあふれる解説でおもしろくはあったのですが、ガイドさんによって規律の標準が違うというのは、悩ましい。 

 その地下の「BREMER RATSKELLER」。現在、レストランになっています。地下へと続く入り口の表示には誇らしげに「1405」年の文字が刻印されています。日本でいえば室町時代です。

 世界遺産の地下にあるレストラン。それだけでも行く価値ありなのですが、正統派のブレーメン料理も堪能できる上、もと王族の酒蔵でもあっただけに、大きな樽の横でじっくりとお酒を味わえる店でもあるのです。ビールも、もちろん、おいしい。ベルギービールとはまた違う、苦みのある、何杯でも飲み干せるような味わい。夜にはマジックショーなども開催されています。


(つづく)
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ドイツ編2 ふしぎ宇宙都市・ブレーメン

2019-02-01 15:29:02 | Weblog

写真上は、世界遺産となっている市庁舎の1階で行われていたJAXA展。ドイツの世界遺産の建物に足を踏み入れると、いきなりの日本語に面食らう。小惑星探査機「はやぶさ2」のなかの小型着陸機MASCOTはドイツ航空宇宙センター、フランス国立宇宙センターが開発したもので、その関係で展示されていた。MASCOTは昨年、10月3日、無事に小惑星りゅうぐうに着陸し、着々とプロジェクトをこなしている。
写真下は、やはり世界遺産の「ローラント像。巨大なモニュメントだが、なんとなく柔和な顔をしている。

【不思議メルヘンの街・ブレーメン】
先週、さらと触れたブレーメン。「ブレーメンの音楽隊」に出てくる4頭の動物たちのモニュメントが日本のガイドブックでもいの一番に取り上げられていて、実際、世界中の人々がその銅像の前で写真を撮っていました。でもお話ではブレーメンにたどり着く前に話は大団円を迎えるので、4頭の動物はブレーメンには来ていない、という突っ込みどころ満載の町でもあります。

街が世界遺産となった理由は、「ブレーメンの音楽隊」のためではなく、かつてのハンザ同盟都市としてのモニュメント・ローランド像と、同時代に建てられた市庁舎とその周辺が第2次大戦の爆撃で、他が跡形もなくなっても、かろうじて残ったからです。つまり、そのほんの少しの場所以外は、かつての風情を残す建物を新たに造り上げた地域なのです。

そう、ブレーメンに行けばなんとかなると4頭の動物にも思わせるほど、かつて栄華を極めた地域だったのでした。

1404年に建てられたローラント像は、教会に支配されないという宣言であり、街の誇り。10メートルの高さの人の形をした像の顔はふっくらとした少年にも見えるほのぼのとしたお顔。その前に建つ市庁舎も同時期の建物で、かつてハンザ商品の取引場所になっていたところです。

 ただ、そこには、おどろおどろしい子鬼のような彫刻がびっしりと装飾されていてローランド像と雰囲気とは、まったく違う。街の案内人の人に聞くと17世紀初頭に屋根飾りなどは装飾したものなのだとか。ルネッサンス様式というのだそうですが、ローランド像からうかがえる自由で伸びやかな空気と対照的な、暗くてなにやら人の心を縛るような恐ろしい雰囲気がこの地域の後の時代を映しているようにも感じられました。

歴史をひもとくと、17世紀初頭は、この街を支配権がスウェーデン、さらにはうち続く周辺地域の戦闘によって変化しつづける、不安定な時代だったようです。

 人の動きがせわしなく、なんとなく深刻そうで「ローラント像」に象徴されるのびやかさと、子鬼たちのおどろおどろしさが共存する、メルヘンな街ブレーメン。後に、ドイツの別の都市にも足をのばすのですが、ここはあとで考えても少し不思議なムードの街でした。
 その料理は次回に
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