
写真は2018年夏の香港にて撮影。無法地帯で有名な「九龍城」は取り壊されて風光明媚な公園に。その周辺も開発も進み、驚くほどピカピカだが、裏道に入ると、ほっとする昔ながらの空間も残されていた。急坂が多いのも香港お特徴の一つ。
【パスポートは、大事な手札】
2020年7月、当時のイギリスのジョンソン首相は、中国政府が6月30日に施行した香港国家安全維持法(国安法)が自由を侵害しているため、かつてイギリスの植民地だった香港市民のために、永住権の申請を可能にする方針を明らかにしました。対象は、BNOパスポート保持者です。
BNOパスポートは本来はイギリスへの渡航についても、6カ月のビザ(査証)なし渡航しか認められていません。保持者に自動的に就業や居住を認めるものでもなく、社会保障の対象にもなっていません。
そこをイギリス政府の新しい計画では、BNOパスポート保持者とその扶養家族は今後、イギリスに5年間滞在でき、就業・就学も可能となると演説したのです。
5年の時点で永住権の申請ができるようになり、さらにもう1年滞在することで、市民権を得る資格が与えられるという構想も打ち立てました。
首相の報道官によると、現在香港にいるBNOパスポート保持者はすぐにイギリスに渡航でき、通常の入国審査を受けるだけでよく、また、ビザ取得に当たっての年収制限もなくすとのこと。
実際にこの演説の内容は2021年1月31日から申請可能となりました。
一方で、中国政府も、1月31日からBNOパスポートを旅券と認めないと発表しました。ただし、従来から香港市民は中国大陸に入境の際はBNOパスポートを使うことはなく、必要なのは香港政府が発行した旅券や身分証のみ。
一方、BNOパスポートが必要となるのはイギリスはじめBNOパスポートが使える国への入国の時だけなのです。つまり、中国政府の発表にはなんの拘束力もないのでした。
つまり中国への内政干渉ともいえる措置をイギリス政府は保持し、香港市民もそれゆえに手放せない大事なパスポートだったのでした。
(つづく)
参照:
ジョンソン首相、香港の300万人にイギリス市民権への道示す - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/53259716(2025.4.14閲覧)
イギリス、香港市民への特別ビザ開始 30万人が申請か - BBCニュースhttps://www.bbc.com/japanese/55882848(2025.4.14閲覧)
※長年お世話になっていたgooブログが今年11月に閉鎖すると発表しました。
使えるフォントの数が減ったり、少しずつ機能がそがれていたので、なんとなく嫌な予感はしていたのですが・・。
イギリス編はまもなく終了する予定ですが、次はトルコ編となる予定でした。
どこで続ければよいか、しばらく検討して見極めていきたいと思います。
ブログの引っ越し先など決まりましたら、また、ご案内させていただきます。
これからもよろしくお願いします。
※gooブログのプラットフォームに関わられている、そして関わられた皆さま、長い年月、お世話になりました。すごく楽しめました。
これから引っ越しまでの間も、変わらぬ丁寧なご対応をよろしくお願いします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます