雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

閑話休題・昆明の宿舎

2007-12-24 22:12:27 | Weblog
一年間、過ごした宿舎の内部。テレビや家具もそろい、清潔感もある。日本で暮らしていた家より、見た目はよほど豪華で大満足。ただ、昆明にあるほかの研究者が長期に泊まる宿舎の多くは、じつは家族で移住しても、あまり快適でない暮らしの方が多くらしい。奥さんが研究者の夫を放り出して日本に帰るケースも、まま、あるらしい。
 我が家はすったもんだの末、ラッキーな方に転んだようだ。(宿舎内部を紹介できる適当な写真を探したところ、そのすべての中心に娘が写っているという状況で、なんとも小さな写真になってしまいました・・。)

【贅沢な空間】
 さてなかはお花模様のシャンデリアに4つ揃いの大きなソファ、タンスが2つにベッドが3つ、勉強用机が二つ、それに冷蔵庫と案内人がわざわざ強調した
「東芝製」のテレビ、それに立派なテレビ台がついていました。

 瀟洒な風呂の栓は穴が空き、ガス管は古びてガスが漏れていたり、暖房設備が壊れていて、すでに撤去されているなど、種々の問題は、そのときはわかりません。雲南での耐乏生活を想像していた私にとって、このうえない贅沢な空間にびっくり仰天。

 雲南の人々の生活とかけ離れた生活なのでは、と恐縮していると、なんと所有者である研究員らが、100㎡以上する庭付き高級マンションやメゾネットタイプの部屋で超巨大テレビに本皮ソファでゆったりと暮らしているのを見て、またまたびっくりしたのでした。
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閑話休題・昆明の宿舎

2007-12-21 22:34:04 | Weblog
写真は我が家がすんでいた宿舎。西側の路地裏に面した張り出し窓のない3階の一部が我が家。朝方にはくず紙回収者の「ターバイトー」という太い声や花売りの声が響き、下町情緒たっぷり。ただ、防犯のために、全部の窓に鉄製の格子がついているので慣れないうちだと囚人気分も味わえる。

【雲南省昆明市の場合】
 我が家が昆明で住んでいたところは、研究所の宿舎でした。公務員社宅なので、家主は所属の研究所のはず。なのに、雲南移住前のメールには誰それが、いくらで貸してあげる、と書かれていたのです。しかも家賃は、東京都心並の相場をふっかけてくるのでした。

 じつはこれには、深いわけ(汚職?)があったのです。中国経済の改革開放のどさくさにまぎれて、いつの間にかそのお偉いさんから下々まで自分にあてがわれた住居を他人に貸し出し、自分はその家賃収入とローンをあわせて、高級マンションに移るということが横行していたのでした。
 もちろん、本来はおかしな話です。でも、投資の話となると雲南どころか中国の多くの人々の感覚は完全に麻痺しており、ことの善悪が付かなくなっているようでした。

 そんな時に、日本人一家が部屋を借りたがっていると噂が流れたものですから、蜜に群がる蟻状態に。
 でも人口が桁はずれに大きな中国は、人材の幅も分厚い。こちらが困っていると、自然と拝金主義の毒されていない高潔な人が出てきて、厳格に抗議をし始めました。

 すると、今度は貸したい、といっていた人が転職して消えてしまったり(これは本当に多かった)、その仲介者が消えてしまったりと、不思議な現象が。このような不可解な交渉は、じつに昆明の住居に足を踏み入れる直前まで、延々と続いたのでした。

 結局は、見かねた研究所のお偉いさんの一人が多めに所有していた宿舎(50㎡ほど)を月約2000円で貸してくださることで決着。とはいえ、これも、すんなりとは部屋には入れず、実際に宿舎の門の前に立ち、鍵番の人から鍵を渡される段になって問題が・・。

 なんと直前に1週間だけ貸していたオーストラリアの人が部屋の鍵を持ったまま、シーサンパンナ(雲南省最南部)に調査に行ってしまった、というのです。もしや我々がオーストラリア人を追い出したのでは、と疑念が沸き起こったまま数日が過ぎ、なんとか鍵が戻って、ようやく宿舎に入ることができました。
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閑話休題・中国での「部屋の借り方」

2007-12-14 23:57:29 | Weblog
写真は昆明より300キロ南東にある古くからこのあたりの行政の中心地として栄える広南の市場の光景。おばさんは近くの農村からこの元気な鶏一羽を売るためにやってきた。この一羽が売れたら買い物して帰るよ、とうれしそう。おそらくミャオ族の方。胸当てにある手縫いの刺繍が美しい。

【内装や家具まで貸し手の責任】
前回がちょっと重たい話になってしまったので、またもや閑話休題。

 今回は中国へみなさんが引っ越す場合の参考になれば、と中国での賃貸事情をお話しましょう。

 まず留学の場合は、大学の寮に住むのが一般的です。というか、寮の貸し出しも大学側の立派なビジネスなので無視できないのです。ビジネスマンの滞在も相手先があってのことなので、現地係員に頼んで適当な物件を探してもらうことになるでしょう。それ以外の場合は、中国で家を借りる場合、不動産屋にいくか、人づてに住居を頼むかのどちらかということになります。○㎡、○LDKといったように、家の広さや間取りの表し方はほぼ日本と同じです。

 違うのは中国の賃貸方式は欧米式で、家具やカーテン、内装など新たに借り手があらわれた際には貸し手側が責任を持ってそろえることが多いことです。

 以前、中国不動産投資をしたい方の仲介をする日本の会社に勤めていたことがありました。賃貸用マンションを購入する場合、いくらのお金を出して、いくらで貸し出すと何年後に投資が回収できるかを計算するのですが、日本人の場合は、そこに借り手がついた場合の改装費用を計算に入れなかったために、当初の予定とは違ってしまう、ということがままありました。 (つづく)
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雲南味めぐり●市場から6 鶏肉

2007-12-07 22:30:58 | Weblog
写真は、前回のトリ肉の炒め物の料理風景。客は厨房の材料を見て、「この肉とこの野菜で、こういう風な料理法で味付けはこういう風に」と細かく注文をすると、料理人はおもむろに作り始めるのが、中国の農村レストランでの一般的な注文法。この日、いいトリがいるよ、との推薦にのっかったところ、庭先のトリを締めて、作り始めた。市場で免疫ができていたので、おいしくいただけたが、娘は知らずに食べていたようで、あとで写真を見てショックを受けていた。

【命をいただく】
 だがその生活に慣れてくると、今度は日本のように部位ごとに切り刻まれるシステムの方が変に思えてきた。まず食べやすく切り取られた形だと一羽の形がイメージできなくなり、生き物を食べているという感覚が希薄になってくること。

 また一羽買いではないので買う人の好みに偏りがあると、売れ残る部位が出てきてしまうことだ。

 じっさい日本ではモモ肉の方がムネ肉よりも人気があるため、スーパーで売れ残り品を濃いたれにつけて、再販されているのはたいていムネ肉だ。それにトリに本来あるはずの足や顔、たくさんの骨は、どこにいってしまったのか。

 あの、深い味のスープをもう一度、と、帰国後、トリの肉以外の部分を探し求めたが、一般人の私ではなかなか入手が難しかったので、いまでは市販のブイヨンの味に慣れてしまった。かわいそうに娘は帰国後、肉や魚の骨を皿の上に発見しようものなら、骨をばりばりとかみ砕き、髄にしゃぶりつくようになってしまった。

「日本の食べ物って、噛みごたえがないんだよねー。骨の中だけ、いい味がするー」

 子供の舌は正直だ。

 さらに残念なことに、昆明市政府は現在、農貿市場を「不潔で、行政の統制もとりづらい」として廃止、統合する方向に動いている。そして、日本と同様にパック売りされた肉を中心に売るスーパーマーケットが勢力を増しているのだ。こうなるとトリの頭などの多くは「廃棄物」として処理されていくのだろう。
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