雲南、見たり聞いたり感じたり

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2度目のロンドン11 憧れの「リバティ」 上

2023-11-26 14:24:33 | Weblog
写真はリバティ百貨店(LIBERTY)の正面玄関。建物は、1924年に建てられた当時のものを使用しており、イギリスの第2種重要建造物に指定されている。

【目抜き通りのリバティ百貨店へ】
さてリージェンツパークをポートランドプレイス側から出ると、すぐロンドンの有名なショッピング街・リージェントストリートに入ります。ぶらぶら20分ほど歩くと、人通りの多い街の中心、という場所にたどり着きます。そこでひときわ目を引く雰囲気のある建物が「リバティ(Libaty)」です。

ここは、前にロンドンに来た時に買ったときの印象がよかった百貨店でした。当時、地下へ続くなめらかな木製の階段を降りると、昼だというのもオレンジ色の間接照明が異世界へといざなってくれました。そこにはつば広で縁がやや下降したレモン色の固めに編まれた麦わら帽子が売られていて、最後の旅の思い出に自分のために買ったのです。

かぶるとマイフェアレディのオードリー・ヘプバーンにでもなった気分が味わえて、とても優雅でした。とっても大事にしていたのに、残念なことに帰国後、わりとすぐに電車に置き忘れてしまい、悔しい思いがずっと続いていました。その後、似たような帽子は私の手の届く範囲ではお目にかかることはありませんでした。他に父へのシルクのネクタイや母へのシルクのスカーフを買ったのもここでした。(こちらも残念ながら両親には雑に扱われ、どこに行ったことやら。)

今回は、それらに会いたい、できれば買いたい、と熱い思いがたぎっていました。

もちろん、リバティ柄のファブリックにも興味がありました。

ところが、行ってみると、モードはすっかり変わっていて、当時売られていた品物はなし。冷静に考えれば日本の百貨店だって30年前のものを売っていることはまれなのですから、当たり前。

代わりにイッセイミヤケのプリーツプリーツがアート作品のように飾られていました。もちろん売り物です。日本ならハンガーにたくさん掛けられて色味がわかる程度なのに、ここでは一点一点、空間を贅沢に使って、マホガニーの天井から吊るし、マネキンなしで勝負する贅沢さ。ここに限らず、ヨーロッパではユーズド店でもプリーツプリーツは元値以上の値段で売られ、大切にされていました。

でも、それらは私の求めているものではない。日本で買えます。以前みた、リバティ、ぽいもの、ロンドンぽいものは、どこにいってしまったのでしょう?

がっかりはしたものの、これまたよく考えれば、リバティ社は1875年の創業時より東洋、とくに日本のものの販売を旨としていたので、これこそ王道回帰なのです。しかも、この店がイギリス・ヴィクトリア時代にヨーロッパ全体のジャポニスムをけん引していたそうなので、日本のデザイナーズブランドを取り扱うのは当然なのです。
                (つづく)

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2度目のロンドン10 広大なリージェンツパーク

2023-11-19 11:07:15 | Weblog
写真はリージェンツパークの一角。広大すぎて撮る写真ごとに雰囲気の違う絵になる景色になっている。歴史は国王の所有になったり、貴族のものになったりと、非常に複雑。もとはお狩場でもあった。現在は自然公園。

【やわらかなパステルカラーの緑の群れ】
シャーロックホームズ博物館から大通りを北に100メートル進むと、緑滴るリージェンツパークに吸い込まれます。166へククタークの一角には世界最古(1828年)の、科学目的とされた動物園があるのですが、広すぎて片鱗すら見えません。

 草花が細やかに一株一株植えられ、様々なタイプのイングリッシュガーデンを見て楽しんでいると、突如、厳粛な雰囲気の碑が見えました。
「1982年7月20日にここで起きたテロ事件の犠牲者への追悼」と書かれていました。ロンドンはテロ事件の記憶が数年おきに更新されるほどの地。浮かれていた気分がさっと冷えた一瞬でした。

その少し先に野外劇場がありました。緑あふれるこの場所で、シェイクスピアをはじめとした伝統的かつ意欲的な作品を上演するのが、ロンドン夏の名物となっているのです。上演は3か月以上続くとか。その年のポスターをみると演目は「真夏の夜の夢」。夏の夜の野外劇場なんて、ロンドンっぽくて、おしゃれ! 話の内容は萩尾望都のマンガでしか知らないのですが、さっそく、5日後に予約を入れました。今度来るときは夕方になるわけです。

公園は広くて、どんなに人がいても、まったく気になりません。ロンドン市内には、このような規模の王立公園が8つあり、さらに水辺の遊歩道など散歩道が整備されている上に個人宅の庭も(どんなに小さくても)まとまりのあるイングリッシュガーデンになっています。ロンドンは、不思議なグラデーションをもつ散歩がたのしい街だと実感。

リージェンツパークが、日本の景色と違うなあと感じるのは、その植え方です。一分のスキもなく手植えされた空間はかわいらしさを醸しつつもどこか人工的。そして雑草は少ない。雑草のなさゆえか、草木の緑がやわらかい中間色のせいか、どことなくおしゃれに感じてしまう。
一方、ケンジントンパークに行くと大木の重なる雑木林が多いので、公園ごとに歴史も違えば、成り立ちも違う、それぞれの特徴、というだけなのかもしれません。そもそもリージェンツパークの一角しか歩いていないので、なんともいえません。
                (つづく)
※更新お休みしている間に、一気に寒い季節になりました。体調いかがですか? 私は、数年ぶりに風邪を引き、少しの咳も気になって処方された鼻水止めの薬で却って体調悪化の憂き目に。毎年、少しずつ風邪ぐらいなら引きなれないと、かえって治し方を忘れてしまうもののようです・・。
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