雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く42 セブの塩辛・バゴオン1

2020-05-31 13:00:43 | Weblog

日曜市。魚の種類が多いのに驚く。なにより新鮮。魚がピンと立っているのだ。

フィリピンで、学校給食以外にも週末は外に食事に行きました。おいしい料理を知るのは楽しいし、今日の食事づくりのヒントにもなるかも、ということで、食べもの編です。
【小魚の塩辛・バゴオン】
日曜の朝、7時ごろ、宿舎からすぐ近くのセブンイレブン前に行くと、いつもは見かけない市が立っていました。平日は学校があるのでこの時間に出歩けませんが、どうやら、定期的に朝市が立っているようなのです。

すぐ近くが波止場なのでたくさんの海産物が並んでいます。地べたに直接置いたり、葉っぱの上に並べたり、バケツに水(海水?)を入れたりして、気軽な露店です。ここから5分もいくと、クーラーの利いた大手ショッピングセンターがあるのですが、それとはまったく違う雰囲気。なにより新鮮で、見たことがないものが並んでいます。

10数種以上はある魚。銀色に光るもの、鋭いくちばしをもつもの、日本のものより小さいカツオ(ただしインドネシアのものより大きい)などなど。また、イカ、エビ、貝類、何かの塩辛。生きのいい魚屋が地べたにあるみたいで見ていて楽しい。

そこに混在するようにバナナ、サツマイモ、ニンジン、しょうが、紫色の小玉玉ねぎ、トマトなどなど。
日差しが強くなる8時には閉店となるので、平日の8時ごろにセブンイレブンに行っても見かけることがなかったというわけです。

写真は、臨時の市場で売られていた容器に詰められたバゴオン。
【フィリピンの塩辛】
 この塩辛、近くの常設市場でも容器に詰めて、家から持ってきたという感じで売っている人をよく見かけます。そして、作り手次によっては瞬間風速で売れていくほど人気で、行きにあった露店が帰りにはもう店じまいしている、という様子をよく見ました。

 名前はバゴオン(Bagoong)。小エビや小魚の塩辛で臭みもあるのですが、調味料としても地元の料理にはかかせません。とくに簡単な地元の野菜のスープをいただくと、何とも言えない複雑なさっぱりとしたうま味のとりこになることがあるのですが、この塩辛が使われているのです。白みそのような白濁のスープ、出汁の効いたうま味を感じれば、確実に入っています。
(つづく)

【おまけ・塩辛の作り方】
 塩辛は日本でも、私は食べるのも作るのも好きです(イカが安い時には、食べたい一心で作っていました。最近、高くてご無沙汰)。私にとっては見た目はナメクジが水に浸かっているみたいで気持ち悪いのですが、食べると海の上等な部分を口に閉じ込めたみたいで、炊きたてのご飯があっという間になくなってしまいます。
 
塩辛の私が作る方法を簡単にご紹介します。
  • イカを分解する。さばき方は以下を参考に。https://ouchi-gohan.jp/2147/
  • イカは新鮮なものほどさばきやすいし、当然、おいしいです。
面倒くさいときは皮は取らないこともあります。それでもできます。いろいろ省略するのが私流ですがイカの吸盤とイカの背骨、目と口の部分は丁寧にとりましょう。
  • 作り方はこのページのものが私の手順に近いです。ttps://kaneishi.com/recipe/siokara/
  • (私流ポイント:胴を最初に開くと、ワタが切れてしまうこともあるので、私は最初に胴体に指を突っ込んで、胴の肉に沿ってぐるりと一周しながら、はらわたと胴がくっついている部分を引きはがします。下足の根元をもって、力を抜いてはらわたを引き抜こうとすると、簡単にとれます。それから胴体を開きます。また、キッチンペーパーで一晩おく、とかは臭みを取るためなので、私はしていません。)
※仕込んだあとに、1日1回お箸で瓶の中をぐるぐるかきまぜることがポイントです。これをしないと発酵でなく、腐ります(食べてはいけないものになっちゃいます)。
※塩辛とは、基本的に魚系に塩を入れた保存食。発酵するのでうま味が増します。フィリピンのバゴオンも同じです。これに唐辛子を加えたり、地域によってさまざまな工夫があります。
※バゴオンはアマゾンでも入手可能です。唐辛子が入ったものなど、ほかの香辛料が入ったものなどがあるようです。
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語学留学でセブに行く41 成人式2

2020-05-24 11:00:59 | Weblog


写真はメキシコの西海岸にあるアカプルコの歴史博物館にて。ここの海から引き上げられるのが中国製の陶器。フィリピン経由で運ばれていた。使う人はメキシコを征服したスペイン人だった。

【デブーの由来】
そもそも「debut」はフランス語が語源で、デブーという発音はスペイン語です
(正確にはスペイン語では「デブット」 フランス語は「デビュ」)。
スペインでも18歳の女性がロングドレスを着てお披露目パーティをする「La puesta de largo」という習慣があり、現代でも上流階級では18歳女性の誕生日に開いているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=CAyW9Y3jdi0 https://www.youtube.com/watch?v=jhLS0QYMsAg

ちなみに「La puesta de largo」は、スペイン語で社交界へのデビューのこと。

スペインがフィリピンを統治したのが1571年から1898年まで。
当時、スペインも含めたヨーロッパでは年ごろの子供を、他の貴族たちに紹介する社交の「デビュー」が重要視されていました。イギリスのテレビドラマ「ダウントンアビー」でも社交界デビューが描かれていますね。

【スペインとメキシコの融合?】

上の写真はアカプルコの海に突き出たサンディエゴ要塞。1616年ごろにメキシコーフィリピン間のスペイン船を守るために建てられた。形が函館の五稜郭にそっくり(当然ながら五稜郭のほうが後に建てられています)


 つまり「デブー」はそこからきているのかなあと考えていると、別の表現が目に入りました。
メキシコの「キンセアニェーラ」(スペイン語でquinceañera=15歳の少女、の意味)です。
同じくスペイン統治下だった同国で花嫁修業の総仕上げとして15歳になった女性のお祝いを意味します。スペイン統治下のラテンアメリカ圏ではこの習慣からパーティにまで発展していったらしいのです。

 そもそもスペインがなぜフィリピンを目指したのかというと、メキシコの産物をスペインへ送る航路の開拓にありました。今よりもずっとフィリピンとメキシコは直接につながっていました。当然、この習慣もフィリピンにもたらされた可能性はあります。
 ウィキペディア「キンセアニェーラ」の項目には、さらに見落とせない点として「同様の習慣がイベリア半島とフランスにもあった」と書かれています。

 成人の儀式をパーティと絡めたい、というところがラテン民族のフランス、スペイン、そしてスペイン統治下のラテンアメリカ圏に共通していたのかもしれません。

このパーティを教えてくれた先生の家には様々な問題を抱えてはいましたが、大学を出してもらったことから考えると中流階級なのでしょう。先生は今や子供もいる20代後半でしたが、今でもとびきりの思い出になっているのでした。

※現在もデブーパーティをフィリピンのホテルやレストランの一部では受付ていましたが、この状況下では、なかなか集まれないことでしょう。
ただ英語で「cancell」で調べると、アメリカでは中止または延期になったコンサートのチケットを払い戻さない場合、寄付金控除の対象になるという話がヒット。これはいい政策だと思ったら、日本でも4月30日に同様の法律が国会を通過していました。毎日、日本の新聞を見てるのですが、気づかなかった! 使い勝手のいい政策でありますように。

※次回から、食事編になる予定です。
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語学留学でセブに行く40  成人式「デブー」

2020-05-17 11:58:44 | Weblog
写真は結婚式の前撮り。語学学校の宿舎となっているホテルのプールサイドにて。土日になると、派手な司会と大音量のミュージックが響く中、結婚式や会社のぱパーティ、祝日を祝うロックコンサートなどが開かれていた。
学生は休日はどこかに行っていて宿舎の人数も減っているので、何の予定もない日はプールサイドでゴロゴロしていた。テレビがない、先生以外にまともな英語を話す人もいない環境では、英語を聞き取るよい場所だった。

【成人式】
日本で成人式は学年単位で全国一斉に行われます。一方、フィリピンでは、成人(18歳)を迎える誕生日に各々で祝うのです。

レストランを借り切ったり、浜辺でバーベキューの準備をしたり、結婚式かと思うような盛大さ。「デブー(debut)」といいます。

壮大な誕生パーティとなるわけですから当然、(前回書いたように)親戚だけで相当な人数になります。女性の先生は、
「友達なども含めて100名ぐらいが集まったの」
と夢見るようなまなざしで話していました。

 そして秘蔵の写真という感じでうやうやしく見せてくれたのは、肩出しの真っ赤なボリュームのあるドレスを着た18歳時の先生と華やかなパーティの様子。これは親も楽しみにしている行事なのだそうです。

 ここまで派手にやるのは女性のみで普通、男性は「デブー」は行わないとのことでした。若い男性の先生にこのことを聞くと
「軍隊に行くのが男性のデブーなんだよ」と話していました。
(つづく)
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語学留学でセブに行く39 大家族

2020-05-10 14:42:34 | Weblog
写真はセブのマクタン島の雨上がりに出会った仲の良い(たぶん)兄弟。お兄ちゃんが弟の手を引いて、夕やみの迫る道を歩いていた。

【家族の範囲】
先生の話を聞いているとフィリピンでは一つの敷地に三世代暮らすのは普通で、他に同じ父母のもとに生まれた兄弟が結婚後もともに暮らし、さらに姉妹も近くに住んで親に子供の養育を任せることが多いようでした。このシステムがあるからこそ、フィリピン社会は遠方にも出稼ぎが可能なのでしょう。

そういうわけで教科書に頻出する日本にとっての遠い親戚は、彼らの日常。たとえば「sister-in-low(義理の姉」、「cousin(いとこ)」「niece(めい)」「 nephew(おい)」。私に覚えさせるために単語の練習なのかと思っていたら、お互いの日常風景の違いなのだと気づきました。上級クラスにいる方に聞くと、先生と親戚の話をはじめるとその親戚関係の濃さについていけなくなる、と驚いていました。

先生方とのトークで次に多いのが、「いつか日本に行ってみたい」。その際、若い男性は恋人と行きたい、といったわかりやすい話で落ち着くのですが、それ以外の先生は違いました。

旅行は家族・親族といくもの、となると10人以上分の費用が必要になるので、どれだけ稼げばいいかしら、と真剣に計算するのでした。

そして例文でやたらとでてくるのが、誕生パーティ。日本では友達同士、親子の範囲で年に数回行われるアニバーサリーです。ところが家族の範囲が広いフィリピンではおばあちゃん、おじいちゃんは言うに及ばず、親、自分の兄弟姉妹、その兄弟姉妹の結婚相手、その子供ら(つまりいとこ)さらに子供が結婚していたらその子供の子供と。ここまでが一緒の敷地に暮らしている、もしくは近くに住んでいるという家族の基本単位な上、それぞれに子供の数が日本より多い。

さらにパーティが大好きで、プレゼントを用意するのも、もらうのも楽しみな国民性、となると、しょっちゅう「家族」の誕生パーティが開かれることは自然の成り行きです。英語が上達したかどうかは不明なのですが、気にいい先生と毎日、数時間語る日々のなかでフィリピンの常識を知る、おもしろい体験でした。
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語学留学でセブに行く38 

2020-05-03 15:36:37 | Weblog

ステイホームのせいか、日本の私の近所では、子犬を散歩させる若い男性を多くみかけるようになりました。飼うと、長期間、面倒を見る覚悟が必要ですが、野生やひと様のものは、見るだけならとっても気楽。というわけで動物シリーズをもう少し。

【南国の鳥でリゾート気分】
宿舎となっているホテルのプールサイド脇に、お客様が鑑賞するための鳥小屋がありました。小屋は金網でまあまあ広く、清潔に保たれています。そばに木陰もあり、涼しい風が通りすぎるので、ホテルのすぐ外にある道路わきの低い敷地に住む人々より環境もよさそう。4つに仕切られた空間には、それぞれ違う種類の鳥がつがいでいて、南国フルーツなんぞも時には食べていました。

白くて大きなオウムは、最初から目は合うのですが、すぐにクルリと顔の向きを変えて無視のポーズ。それが鉄棒をぐるぐる大回転するようになり、数週間後には「ギョギョッ」と声を発してギョロめで近づいてくるまでなりました。手は出しませんでしたが認識はしてもらえたようです。

他には尾の長いキジ

カラフルなインコ
などを遠くから見守って楽しんでいました。

小屋は一般の客の動線から引っ込んだところにあるので、鳥たちはゆっくりと毛づくろいしたり、お休みしたり、いつでも気持ちよさそうにくつろいでいます。
同じ宿舎の学生にこの話をすると、「ああ、そういえばいますね」というさっぱりとした反応。ヤギの親子は、存在すら知られていなかったのですから、ちょっとは知られていたといえましょう。

【野性的なネコ】


学生らが等しく認識していたのはプールサイドのネコ。トラシマ模様で目はクリクリっとしています。彼らは、人間の食べ残しを見つける名人でした。警戒心が強く、私が近づくと、一目散に逃げていきました。

野良犬は雨上がりの涼しい時のみ俊敏に動き、昼の暑さの中ではだらしなく寝て、やさぐれた雰囲気なのですが、ネコは、(おそらく)野良であっても、かわいらしい雰囲気があるのは、そこかしこに彼らにエサを与える人がいるせいかもしれません。(ちなみに私はイヌ派です)

このように宿舎内限定の行動範囲の鬱屈も、動物のおかげで最終的には晴らすことができました。
一つ、気を付けていたのは、触らないこと。野生動物はとくにいろいろな病気を持っている可能性があるので。
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