リューベックの信号機。アルペンくんとして、いまでは世界中に親しまれている少年をかたどったマーク。おさげがみの少女の形のものもある。
【買い物の仕方】
買い物の仕方もまた、懐かしかった!
お金の支払い方式が10年前ぐらいまでの雲南の百貨店と同じだったのです。
知人が折りたたみ傘を買おうと店員に当たり前のように英語で話しかけたのですが、いやそうな顔をされ、値札を指さされる。
次に知人がその店員に払おうとすると、またいやそうな顔をされ、中央を指さされる。
ここでようやく「ここは共産圏?」と気づいて、雲南のお作法で入手することができたのでした。
つまり、大きなフロアの数カ所に設置された会計専門の店員のいる台座のようなところで請求書を書いてもらってから、その請求書を持って中央レジで支払いを済ませ、そのレシートを買いたいもののある当初の売り場に持って行くと、そこの店員によってようやく欲しかったものが受け渡されたのでした。
この時に買った傘が、じつに丈夫で、そこそこ軽くて、デザインもシンプルで、何より安い。日本に帰ってからも、知人の愛用の一品となっています。
【アルペンくん】
信号機がアルペンくんという少年のマークで、とてもかわいい。世界中でアルペンショップというグッズ屋で販売されるほど人気なのだと娘が話してくれます。
この信号のマークはかつて東ドイツで使われていたもののはずです。近年、人気が高まり、西ドイツ側にも設置されだしたそうですが、そこらじゅうというのは、やはり珍しいような。
またブレーメンでは人を焦らせるかのように青信号から赤信号へのタイミングが早く、しかも青信号のときになる「カチカチ」という音が徐々にはやまって「カカカカッ」となって、人の心が焦りきったところで赤信号になっていたのですが、ここはあくまで「カチ、カチ、」とゆったりと時を刻む音が悠長に流れ、人を焦らせることはありません。
人の歩みはゆるやかになり、床屋さんでは人が談笑しながら髪を切られているといった心の余裕が感じられます。白髪のおばさまは、すてきな洋服を前にウィンドウショッピング。「すてきね」という雰囲気でななく、「これ、すてきだわ」とガン見しているオーラが背中から漂っていました。
いかにもシステマティックで無駄のないブレーメンからの違いは一体何なのでしょうか?
(つづく)