雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

ドイツ編6 東の香り、リューベック2

2019-03-31 12:21:44 | Weblog

リューベックの信号機。アルペンくんとして、いまでは世界中に親しまれている少年をかたどったマーク。おさげがみの少女の形のものもある。

【買い物の仕方】
買い物の仕方もまた、懐かしかった!
お金の支払い方式が10年前ぐらいまでの雲南の百貨店と同じだったのです。

知人が折りたたみ傘を買おうと店員に当たり前のように英語で話しかけたのですが、いやそうな顔をされ、値札を指さされる。

次に知人がその店員に払おうとすると、またいやそうな顔をされ、中央を指さされる。

ここでようやく「ここは共産圏?」と気づいて、雲南のお作法で入手することができたのでした。

つまり、大きなフロアの数カ所に設置された会計専門の店員のいる台座のようなところで請求書を書いてもらってから、その請求書を持って中央レジで支払いを済ませ、そのレシートを買いたいもののある当初の売り場に持って行くと、そこの店員によってようやく欲しかったものが受け渡されたのでした。

 この時に買った傘が、じつに丈夫で、そこそこ軽くて、デザインもシンプルで、何より安い。日本に帰ってからも、知人の愛用の一品となっています。

【アルペンくん】
信号機がアルペンくんという少年のマークで、とてもかわいい。世界中でアルペンショップというグッズ屋で販売されるほど人気なのだと娘が話してくれます。

この信号のマークはかつて東ドイツで使われていたもののはずです。近年、人気が高まり、西ドイツ側にも設置されだしたそうですが、そこらじゅうというのは、やはり珍しいような。

またブレーメンでは人を焦らせるかのように青信号から赤信号へのタイミングが早く、しかも青信号のときになる「カチカチ」という音が徐々にはやまって「カカカカッ」となって、人の心が焦りきったところで赤信号になっていたのですが、ここはあくまで「カチ、カチ、」とゆったりと時を刻む音が悠長に流れ、人を焦らせることはありません。

人の歩みはゆるやかになり、床屋さんでは人が談笑しながら髪を切られているといった心の余裕が感じられます。白髪のおばさまは、すてきな洋服を前にウィンドウショッピング。「すてきね」という雰囲気でななく、「これ、すてきだわ」とガン見しているオーラが背中から漂っていました。

いかにもシステマティックで無駄のないブレーメンからの違いは一体何なのでしょうか?

(つづく)
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ドイツ編5 東の香り、リューベック1

2019-03-24 10:48:50 | Weblog
写真はリューベックの街。アルマーニは、知っているが、ちょっとだけ違う名前は偶然か・・。中のお店の洋服の素材はしっかりしているようだ。
そういえばかつて中国上海の有名百貨店の子供服売り場で小熊をあしらったTシャツを買って、娘に着せていたことがあった。しっかりした生地で綿100%。発色もいい。小熊ちゃんの上にはアルファベットで「FAMININA」の文字が。ファミリアだと、友人に指摘されるまで気づかなかった。

【数十年前の中国のデジャブが】

この旅のなかで最も印象的だった街がリューベックです。オランダもベルギーもドイツのブレーメンも、こちらが英語で話せば英語で返ってくるのは当たり前でした。ブレーメンに至っては、こちらがたどたどしくドイツ語を繰り出しても、英語で返事されてしまい、異国情緒の色合いが薄れるほど。

でも、リューベックは違いました。こちらが単語程度の英語で率直に発しても、「あれ、風のそよぎかな?」という風情で軽く無視されてしまいます。その一方で街には「ベルリッツ」など、日本にも進出している英語塾の看板が目立っていました。

それまで立ち寄った街には「ベルリッツ」の看板はなかったような。
つまり、ここは英語が苦手で、英語に苦労している人たちが住む街だ、と突如、身のうちからわき起こる親近感。

雰囲気も20年以上前の中国にそっくりでした。

まず、列車でリューベック駅に降り立ち、さっそく目の前のホテルに直行。すると、そこに立ちはだかるのは日本規格では考えられない高さの段差を持つ8段の階段。スローブはなし。中から人が出てくる様子もなし。頑張って荷物を自力で引き上げ、フロントに行くと、美人だけど無愛想なお姉さんが座っています。

「スリーパーソン(3人)」と言っても、まったく反応なし。
そこでドイツ語であらかじめ印刷しておいたホテルのバウチャーを見せるとようやく納得して鍵を渡してくれました。部屋番号を自力で探してさまようと、木造のおちついたつくりの古いけど掃除の行きとどいたホテルのようです。部屋に入ると思った以上に広くて天井もやたらに高い。20世紀初頭に造られた中国の老舗ホテルもそうなので、連れ合いは懐かしそうにしています。そして、陶器(トイレなど)がピッカピカに磨かれていました。

このホテルの部屋からみた夜空があまりに美しいので、ふと思い立って深夜2時過ぎに外に出ようとホテルのフロント前を通過しました。当然ながら人影はありません。
けれど、あの高い8段の階段を降りようとすると、それほど高級なホテルでもないのに、ちゃんと盛装した守衛さんがいるではありませんか!

ニコニコ顔のおじさんは、私が星を指さして見に行くとボディランゲージすると、納得して外に送り出してくれました。また入るときのボタンの位置も教えてくれました。

外は9月初旬だというのにずいぶん冷えていて、星見には最高の空気感でした。これも、ホテルの中がすべて快適にオイルヒーターによって気持ちよく温められていたことに外にでて気づく始末。

結局、思いがけない寒さと、駅が近すぎて、電気が予想以上にともっていたことと、駅には不良らしき若者がたむろしていたので、ホテルの外を散策して絶景ポイントを探すことは断念しました。すぐにホテルに戻ると、守衛さんがドアを開けてウインクまでしてくれたのでした。

サービスの質は個々人の品性にまかされている。どことなく共産圏の香りが。
(つづく)

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