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当麻寺の歴史と当麻曼荼羅
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2010年01月16日 19時13分50秒
大和東部の三輪山と相対する位置にある二上山は、夕陽が2つの峰の中間に沈むことから、西方極楽浄土の入口と考えられた特別な山です。
その二上山の麓に位置する当麻寺は、古代の主要交通路、竹内街道のすぐ北にあり、創建時の伽藍は竹内街道の方向を向いていたようです。
鐘楼と金堂
当麻寺は、この地に勢力をもっていた豪族「当麻氏」の氏寺として建てられたもので、寺には仏像、梵鐘、石灯籠など、いずれも奈良時代前期(7世紀後半)にさかのぼる遺物があり、寺の草創もこの頃と推定されています。
講堂
創建から500年を経て書かれた建久御巡礼記(1191年)には、聖徳太子の異母弟である麻呂古王が弥勒仏を本尊とする「禅林寺」として草創したものであり、その孫の当麻真人国見が681年に現在地に移したとあります。
右が本堂(曼荼羅堂)
中世以降、中将姫伝説として知られる「当麻曼荼羅」は、阿弥陀如来の住む西方極楽浄土のありさまを描いたもので、平安時代末期の末法思想の普及に伴って、「当麻曼荼羅」を安置する寺として信仰を集めるようになっています。
塔頭西南院
法然(1133~1212年)、一遍(1239~1289年)ともにこの曼荼羅を拝したことがあり、当麻寺の西には法然の聖地として知恩院奥之院があり、一遍については国宝一遍上人絵伝に曼荼羅堂が描かれています。
大師堂
当麻曼荼羅については、石光寺のブログの記事で紹介していますが、曼荼羅の伝来や由緒にかかわる資料は、平安時代には無く、中将姫から500年を経た13世紀半ばの鎌倉時代に入ってからその縁起物語が形づくられていますので、歴史的な検証は未だ無いようです。
北門
縦横4m近い「当麻曼荼羅」の原本は、現在も当麻寺に秘蔵されていますが損傷が激しいため1217年、1502年、1685年と転写が行われています。
塔頭奥院の浄土庭園
このうち1217年のものは現存していませんが、1502年に完成した曼荼羅(重文)が今も厨子に掛けられているそうです。
冬牡丹
現存する国宝当麻曼荼羅は、全体に劣化、損傷、退色が著しく、オリジナルの綴織の残存している部分は全体の3分の1程度と言われています。
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