ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

黄色いTOYOTA SUPRA

2021年05月30日 | 日記

 昭和の時代に日本のお茶の間を沸かせた覆面レスラー、ザ.デストロイヤーさんが青春時代を過ごしたニューヨーク洲北部のエリー地区。街と街を繋ぐ中継の長いフリーウェイは平地で緑の森と草原が続いている。ラジオの地上波が拾うのはカントリーミュージックかバイブルのスピーチ、見慣れてしまった近年の自動車群には心を引き付けられるような刺激は感じられないので退屈気味である。時々爆音を響かせ、風に挑戦するハーレーデビソンが走り抜けて行く。

 

 

 カーラジオのシークが捉えたラジオチャンネルの声が流れ出した。切れのある男の声でクリスチャンに向けてのメッセージであった。内容に耳を傾けていると背中がゾクゾクしてきた。プレイ(祈り)とかジーザス(イエスキリスト)というキーワードが出て来なかった事から、このスピーチは牧師が語っているものではないと感じた。ラジオのボリュームをもう少し上げる。

 

 近年の世界と米国の情勢の話、小説家ジョージオーエルの作品1984年が引用され、アメリカの主要メディアの報道方針を語り、今の時代の危機の本質についての解説であった。最後の方になって話の途中であったのだが電波の入りが悪くなり雑音が混入しブリーフィングは消えていってしまった。再びラジオのシークボタンを押してみる。

 

 黄色いオハイオナンバーのトヨタスープラが走り抜けて行った。2時間程走った道の先はにバッファローの街がある。ザ.デストロイヤーさんが晩年においてバッファローの自宅で強く思っていた心の支えが、もう一度日本に行きたい。であったと聞く。

 黄色いスープラは前方に消えていった。情報や話題、そして人間関係も僕の横を通り過ぎて行く黄色いスープラの様だと感じた機会であった。

 

コメント
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