僕自身がオーバーランダーのメンターとして尊敬している Jonathan Hanson 氏が愛用しているのは1973年型のランドクルーザーFJ40である。彼自身が西部乾燥地帯のアリゾナ州の住人という事もあり彼の愛車のFJ40は錆も無く美しく保たれている。しかし、それだけではない。ハンソン氏のFJ40には彼の思想が反映されており、このFJ40は(変化は継続しているが)彼の思想の実体なのである。1978年に2万マイルを刻んだ5年落ちのFJ40を当時$3500ドルで手に入れてから、保有期間は40年を過ぎている。その間彼自身もトライアンドエラーや暗中模索の過程を得て現在の仕様となっている。ハンソン氏がFJ40を保有し続けるのはそこにオーバーランドビークルとしてランドクルーザーの持つ耐久性や信頼性は勿論、アメリカの中西部やメキシコの砂漠地帯においての活用に利があるからだと観て間違いがない。
最近のWheels Afield誌に投稿している彼の記事に、アウトバックに持参するスペアパーツと工具というメモ書きがある。スペアパーツのリストを見ると、ファンベルト、ヒューズ、一本のエンジンオイル、ラジエター水、ワイパーの換え、バッテリーケーブル、である。更に、携帯する工具を見ると、ソケットレンチのセット、スクリュードライバー、プライヤー、ペンチ、パンチ棒、ワイヤーストリッパー、電気ナイフ。弓のこ、ハンマー、テスター、等である。これらはベーシックツールである。ハンソン氏の40のスペックは1973年のままではない。エンジンはオーバーホールされたノーマルであるが、デスクブレーキ、コンプレッサー、ハロゲンライト、水タンク、バンパー、ロールゲージ、セキュリティボックス、モダンヒューズシステム等、が40年の使用の中でアップグレードされている。つまり様々な状況を想定した設定のFJ40であるが故にスペア部品もツールも最低限で済む手入れと仕様となっている。
ハンソン氏はランドクルーザーの持つ信頼性をただメーカーが提供した信頼性のみについてのみ語っているのではなくて、自らが望む仕様のランドクルーザーに仕上げる事が出来るポテンシャルに対しても信頼性を置いているのである。性能の良い快適な四駆が沢山存在したが、それでもなおFJ40に乗り続ける我がメンターの姿勢は実用的なオフロードビークルはこうあるべきだという実態を見せている。