2014年の8月、ロシアのシベリアの森林地帯において3歳の女の子が両親と離れてしまい行方不明となる事件が起こった。捜索が続いて1週間が過ぎると生存に対して希望が持てなくなるものだ。ところが、奇跡が起こった。行方不明になってから11日目に少女は無事に保護されたのである。少女は森の中を彷徨った。小川の水を飲み野苺を食した。シベリアの夏の夜は摂氏5℃辺りまで気温が下がるが草を集めてベットとした。3歳の女の子が森の中で11日間サバイブした事は地元では大きなニュースとなった。そして、この奇跡は世界中のアウトドアマンズ達にサバイバル(生存)に対する重要事を提示するニュースとなったのである。
Outdoor x4 のissue#:27 では Triangle of Survival と題してこのロシアの少女の話が紹介されている。なぜ、3歳の少女が森の中で生存出来たのであろうか? 幼い少女にはサバイブの知識も経験もない、ましてサバイバルのキットも道具も持ち合わせていなかった。専門家の説明によると Children don't know how to give up. 幼い少女には”あきらめる”という概念が存在しなかった事が生存に繋がったと言われている。残念ながら我々大人は大脳が発展したせいかどうかは分からないが厳しい状況の中では”あきらめる”という選択を自らに下す可能性もある、それは死を意味する選択である。
我々大人にとってサバイバルに対する知識は大切な要素として知っておく必要がある。それは3つの要素で構成される(Triangle of Survival)。その最初の要素が1、 Will to Live (生きようとする意志)、そして 2、Skills and Knowledge (知識と訓練や経験で得た能力)、最後が 3、Equipment (道具)である。我々はサバイバルという響きから2と3をイメージする傾向にあるが、それらは1が強く有っての事である。ロシアの少女は我々にサバイブにおいて1が最も重要な要であるという事を事件を通じて教えてくれたのである。