ニッサンS30フェアレディZ(ダットサン240Z)が北米で発売された当時はパニック的大ヒットとなった。それまでの日本製の車は売れ行きが厳しい状況だったと聞く。そういった当時の流れの中で、ダットサン240Zがアメリカ人に受け入れられた功績は決してニッサンだけの実績ではなかったのではないか、日本の自動車会社は勿論、その後の全ての日本人がこの恩恵を受けているようでならない。
世界で最も売られたスポーツカーとして賞賛されるそのZカーのデザインの責任者Mr.M氏曰く、『車は人の顔』。 当時のスポーツカーが常識のように丸みのあるデザインを基調としている中で、角のある斬新なデザインにこだわった。フェアレディZのフロントガラスのトップには鋭いエッジがあるがこれをソリコミと言う、このソリコミを入れることによって強さが強調されスポーティな演出を出す。ソリコミ入りのオールバックに対して当時のスポーツカーはみな坊ちゃん刈りだった。
我がランクルのフロントガラスのトップは60の方が角ばってより男性的、80は丸みを帯びて優しさもあるデザイン、こういった小さな箇所が全体のイメージを築きあげる。60から80への継承は、若く威勢のいいにいちゃんが世間に揉まれて生きていくうちに丸い性格に収まった、という物語かな。