京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

オイデヤス

2012年09月09日 05時25分41秒 | 甘味・喫茶・その他

↑虫籠窓・・・上部の土の格子のこと。父親や母親の実家にこういうのがあり、この格子から外を眺めていました。火事になったらお終いだとも思っていた。

昨日の記事からの続き。
「やまびこ」で、すじカレー丼を食べた後、近くにある「麩嘉 (ふうか)」に行く。
麩嘉は、麩の専門店。
製造直売という感じのお店です。
このあたりにも良い水が湧いていたのでしょうね。
麩は水をいっぱい使うから。


↑お店の横でお水が汲めるようになっています。

お店の横にお水を汲める場所があります。
近所の人がお水を汲みにこられていました。
保健所的には、生水を飲むことを推奨しないでしょうが、お茶とかなら十分美味しい地下水だと思います。


「麩嘉」地図

可愛い暖簾をくぐると「オイデヤス」と女性の声。
そうそうこの「オイデヤス」と「オコシヤス」と違いをご存知ですか?
それについては以前記事にしましたよね。
初めての人もいるかもしれないのでちょっと書いておきます。


↑お店に入るとオザブ(座布団のこと)を出していただきました。この雰囲気が懐かしい。クーラーなしだけど涼しいんです。すごいでしょ。

「オイデヤス」と「オコシヤス」は、本来意味合いが違うんです。
京都人は、無意識に使いわけているかもしれません。
最近の京都人は違うかもしれませんけど。

「オコシヤス」という場合は、約束や心待ちにしている客に使う。
「オイデヤス」というのは不意の客や一見(いちげん)の客に使う。
かなり意味合いが違うでしょ。
だから、「オイデヤス」といわれれば、長居はできないと客は悟らないといけない。
そのあたりの呼吸は、難しいですね。
個人のお家に行った時は、「ヨウオコシ」というのもある。
京都に来ると空気を注意深く読み、
言葉のイントネーションにも注意をはらわないと快適な京都ライフを楽しめない。
表面の意味と裏の意味が全然違う場合も多い。
この「オイデヤス」や「オコシヤス」地方出身のアルバイトさんがいうとすごく気持ち悪く聞こえます。
時々、京都舞台のドラマでも気持ち悪い時があります。
あれはなんとかしてほしい。

ちなみに、最近あまり聞かないけど最上級のいい方があります。
「オコシヤシトクレヤス」です。

似たような表現で「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー」というのがある。
これは、吉本新喜劇の末成由美(すえなり ゆみ)さんが舞台に入場する時に使う言葉。京都で使われていそうで使われていない言葉。
「ゴメンヤス」京都語→「失礼します」「失礼します。こんにちは(コンニチハァ~というとギャクになる)」
京都のお母さんが子供に「おっさんにはちゃんと、ごめんやすいわなあかんで」と使ったりします。
「おっさん」→お和尚さん
「ちゃんと」→きっちりと
「ごめんやす」→失礼します。こんにちは
「いわな」→言わないと
「あかんで」→いけませんよ
こう言われて、黙っていると「ない黙ってるんや!わかったんやったら『ハイ』と言わんかいな。へんこな子(こ)やなぁ~」と言われもんです。
それでも、だまってたら、サシ(竹の鯨尺)でお尻を叩かれました。


↑麸饅頭、京都人にとっては結構普通のものなんです。松花堂にはデザートとしてはいっているしね。

また、話しがそれてしもた。
麸饅頭に戻ります。


↑笹の葉の中身はこういう感じです

麸嘉の麸饅頭は、麩の生地に青のりがはいっています。かすかに礒の香りがします。中には、こし餡がはいっています。
京男は、最近あまり好きでないかな。
麩の生地が生臭い感じがするのがちょっと嫌なんです。
ここの場合、青のりで生臭さがよけい強調されるように思います。
だからこの時、たくさん買いませんでした。
本当はパッケージが可愛いのですけど。


↑こし餡

このお店は、甘味処じゃないのですが、お店で食べようとする人が結構いますね。
包んでもらう間に、食べるならいいけど、食べるだけはちょっと失礼な気もしますね。地方の人はそういうのを理解していない。
このお店で目撃したことではないのですが、最近、お行儀が緩んでいるのか、食べながら歩いたり、飲んだりする人が増えていると思う。バカテレビ番組の教育のお陰かな・・・
あれは、止めて欲しいと思います。立ち食いする人には、売ったらだめだと思う。お店もそのあたりは毅然とした態度で対処した方がいいと思うけどな。
「立ち食いする人にはお売りできません。お持ち帰りいただき、ホテルの部屋でおあがりやす」と言えばいいのにと思う時があります。

京都人は、面と向かって言わないで「オイデヤス」ということで、ちょっとした抵抗をしているのかも。オイデヤスという言い方もイントネーションで3段階ぐらい使い分けることは可能だしね。
最近、売る方もそこまで考えてないか・・・。

Twitter→@kyo_otoko
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6 コメント

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おはようございます (すー)
2012-09-09 06:06:44
もう京都に住んで38年になりますが、いまだに難しいですね。
返信する
>すーさん、おはようございます (京男)
2012-09-09 06:18:31
難しいでしょうね。すーさんは、京都語でしゃべる時ってありますか?ニアンスというか発音で意味を違えて行くのは難しいものです。でも最近、わかる相手が少なくなりましたね。
返信する
あのぉ~ (puldoc)
2012-09-09 07:41:40
こんにちは~
何時も楽しく読ませて頂いております。最近は体調も大分回復されたようで何よりです。
で、久しぶりにコメさせて頂きます。
この、麩嘉さん、伺う前(出来れば前日)に電話してから行った方が良い、と思うんですが・・・。
最近の方(特によそさん)は飛び込みで買えるものと思っておられる節が・・・(汗。
ボクは飛び込みで買う場合は錦の店か、高島屋地下へ行くようにしています。(実家が麩嘉さんから徒歩5分なんですが・・・)
ではでは
返信する
ことばカルチャー (路渡カッパ)
2012-09-09 10:59:05
京ことばも普段は聞かない使わないようになりましたね。
デジタル社会になったのも要因の一つかも。ちゃんと変換してくれへんもんね。(^_^ゞ
もうひとつ、テイクアウト専門の鶏の唐揚げチェーン店が食べ歩きに最適な商品を出して大ヒット!
この会社、大阪の会社ですが1号店をわざわざ京都の新京極で立ち上げ、京都発信の食べ歩き文化としたのもヒットの要因だったとか・・・
京男さんてきには頭に来る話しでっしゃろ?
返信する
>puldocさん、こんばんは (京男)
2012-09-09 19:52:43
こういうタイプのお店は、事前に確認しておいた方がいいでしょうね。わざわざ行ってないと辛いですものね。レストランもそうです。
ご実家がこのあたりなんですね。
私のところの本家もこの近くです。
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>路渡カッパさん、こんばんは (京男)
2012-09-09 19:56:01
私の場合、ユーザ辞書をつくっていますね。
もう3000語以上あります。
普通は変換できないですよね。
そんなお店が京都に進出ですか。
観光なら食べながら歩いても、浴衣で新京極を歩いてもいいのかな・・・・。一応都会なんだけどな。
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