京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

幽霊飴

2009年08月10日 04時24分02秒 | お土産


今日までですが、六道詣りの時に買うのが「幽霊飴」
みなさん「幽霊飴」を知ったはったりますか?
正式な名前は「幽霊子育飴」
なんか陰気な感じの飴だと思うでしょ。
お土産にもらったら微妙やね。
美味しいなさそうな感じ。でもとってもやさしい味。
ちなみにこの飴は年中売ってハリます。
由来は、なかなかいい話なん。
以前に書いたのをリピートします。



こんなお話しです。
六道珍皇寺の門前に飴屋がありました。ある夜に表の戸を叩く音で出てみると青白い顔をした女の人が一人立っていました。「えらい夜分にすんませんけど、飴を一つ売っておくれやす」そう言って一文銭を出した。次の日も、また次の日も同じ時分に来る。それが六日連続で来はったそうです。
店の主人が「明日来なんだら、普通やないで」家人が「なんでですねん」「そりゃそうやろ。人が死んだ時、六道銭言うて三途の川の渡し料やいうて銭を六文棺桶に入れるんや。それを持ってきてるんと違うやろか」



七日目の夜、また女の人が来て「実は今日は、お足がございませんが。飴をひとつ……」と言う。主人は「よろしおす」と飴をひとつ渡すと女性は立ち去りました。主人はそーっと後をつけていきました。すると二年坂、三年坂を越えて高台寺の墓地へ入っていくのです。そしてひとつの塔婆の前です~っと消えたのです。耳を澄ますとどこからか赤ん坊の泣き声が聞こえて来る。おかしいと思った主人は、墓守を呼んでその女が消えたお墓を掘ってみることにしたのです。ザク、ザク、ザクするとコツン。棺桶が出てきました。恐る恐る開けて見ると、お腹に子供を宿したまま亡くなった女がでてきたのです。しかも棺桶の中で元気な赤ん坊が生まれていたのです。母親の一念で飴を買いもとめ、赤ん坊を守っていたのでしょう。
不憫(ふびん)に思った飴屋の主人がこの子を育て、後にこの子が高台寺の坊さんになったというお話。母親の一念で一文銭を持って飴を買うてきて、子供を育てていた。それもそのはず、場所が「コウダイジ(子を大事→高台寺)」。
七日目にもうお足がない。この事件以来、幽霊には足がないのだそうです。
お後がよろしいようで……。



怪談といえば先日、シネマ歌舞伎の「牡丹燈籠」を観てきました。
最近は、知らん人が多いかもしれませんね。
他の怪談もそうだ。「皿屋敷」「四谷怪談」だってよくストーリーがわからんもの。
幽霊のお露とお米より、生きているお国やお峰のもっている人間の業の方がよっぽど怖い。
昨今のニュースを見ても、この世の事件の方がよっぽど陰惨で怖いな。
いまに幽霊や妖怪たち、この世が怖くて出てこなくなるかも。
この世は、ひょっとしてある種の地獄(監獄)じゃないかと思うときがあります。
UFOが地球に現れているのも、宇宙人が怖いもの見たさに観光に来ているのかも。

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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おはようございます (すー)
2009-08-10 05:02:30
「幽霊飴」ですか、確かにもらうのは微妙かも!
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>すーさん、おはようございます (京男)
2009-08-10 05:29:01
知らない人はギョッとするだろうな。
知っている人は少ないか。
返信する

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