万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

トルコ地震―クルド人支援で国民統合を

2011年10月26日 15時23分06秒 | 中近東
トルコ地震 死者432人、なお不明多数(産経新聞) - goo ニュース
 トルコでは、大地震によって倒壊した建物から生存者を救出しようと、今もなお、懸命の捜索が続いています。地震発生から72時間が勝負とも言われており、一人でも多くの人が無事に救出されることを祈るばかりです。

 昨日までは、地震が発生した地域が、クルド人住民が多数を占める微妙な土地柄であることから、トルコ政府が、外国からの救援隊の受け入れを拒否していると報じられていました。国家建設のチャンスを逸したクルド人は、国なき民族としても知られ、しばしば、分離・独立運動を展開してきたことでも知られています。トルコ政府の警戒心も、こうしたクルドの歴史を背景としてのことなのでしょうが、大地震で被害を受けたクルド人を、トルコ政府があらゆる手段を尽くして救うことは、クルド人がトルコ政府に対して信頼を寄せる一つのきっかけとなるかもしれません。全てとは言わないまでも、危機にあってこそ、国民の間で連帯感が生まれることもあるのですから。

 ようやく、支援受け入れを表明したとの報道もなされ、国際的な災害支援も始まるようです。この報道が事実であるならば、日本国もまた、ハイパー・レスキュー隊の派遣を急ぐべきです。トルコ政府の、そうして、諸外国の助け合いの心が通じれば、困難な問題を、わずかなりとも和らげるかもしれないと思うのです。

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