万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

カダフィ派はリビアの未来のために”無血開城”を

2011年09月01日 15時45分43秒 | 中近東
カダフィ氏次男は徹底抗戦、三男「投降の用意」(読売新聞) - goo ニュース
 リビア内戦もついに最終段階を迎え、カダフィ派の本拠地とされるシルテが、最後の決戦の場となりそうです。この機に及んで、カダフィ派の内部でも、投降派と徹底抗戦派との路線対立が表面化していると報じられています。

 徹底抗戦派の二男、セイフイスラム氏は、2万人の兵を準備して応戦すると息巻いているようですが、シルテの陥落は時間の問題です。新聞報道によりますと、リビア内部では、カダフィ派の住民に対する批難の声も強く、この内戦は、終結後も、国民の間に深刻な”しこり”を残しそうです。もし、リビアの国の将来を思うならば、セイフイスラム氏は、自らの非と責任を潔く認め、無血開城を選択すべきなのではないでしょうか。国民評議会側も、その行為に対して、一定の評価を与える可能性もありますし、国民の間の相互反目も、あるいは、緩和されるかもしれません。処罰を受けることを覚悟で、自らの一身を投げ出し、内戦を終わらせることこそ、セイフイスラム氏に残された、最後の名誉ある撤退であり、リビア国民に対する最大の奉仕なのではないかと思うのです。

 40年以上にわたる独裁体制を敷いて、国民の自由を奪ってきたこと、そうして、批難する国民を無慈悲に虐殺したことが、人道に反する許し難い罪であることは、自由主義国に留学経験を持つ氏は、内心では理解しているはずです。内戦後のリビアの安定のためにこそ、自由と民主主義を尊ぶ新たなリビアの再出発に、潔く道を譲るべきであると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国憲法栽の判決は「条約法... | トップ | 外国政府の”円高政策”に振り... »
最新の画像もっと見る

中近東」カテゴリの最新記事