万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自民党も立憲民主党の二の舞に?-’共産党’との連携問題

2021年11月26日 11時43分10秒 | 国際政治

 今朝がた、新聞のページをめくっておりますと、興味深い見出しが目に入りました。雑誌の広告なのですが、それは、「池田大作と中国共産党」というものです(月刊『Hanada』1月初夢号)。見出しだけで判断しますとお叱りを受けそうなのですが、同月刊誌が指摘するまでもなく、創価学会と中国共産党との関係は広く知られる事実です。当然に、連立を組んでいる自民党も承知しているのでしょうが、国民一般の認知度はそれ程には高くはないかもしれません。そして、自民党+公明党組み合わせの意味するところが明らかとなれますと、同連立政権も、今般の衆議院議員選挙の二の舞になるのではないかと思うのです。

 

 先の選挙は、野党側にとりましては、政権交代の千載一遇のチャンスであったはずです。菅政権に対する支持率は低迷状態にあり、その独断専行的な政策手法に対する批判もありました。自公連立政権の長期化に対する’うんざり感’もあり、野党にとりましては、上手に選挙戦を闘えば、政権の座に就くことも夢ではなかったのです。

 

 しかしながら、政権交代の主力となるはずの立憲民主党は、俄かには信じられないような選挙戦略で総選挙に臨むこととなります。驚くべきことに、日本共産党との選挙協力を打ち上げたのですから。その背景には、横浜市長選挙の成功体験があったのかもしれません。立憲民主党と共産党との連携が功を奏し、菅首相が後ろ盾であった小此木氏を破り、中山竹春市長が誕生したのですから。とは申しましては、横浜市の場合、同氏のカジノ反対を支持する横浜市民の大合唱が当選の強い追い風となっており、’共産党’の3文字が目に入らなかった市民も少なくなかったのです。

 

 立憲民主党としては、横浜市長選の再来を衆議院議員選挙にも期待したとも考えられるのですが、カジノ問題を抱えていた横浜市のケースをそのまま全国に当て嵌めるには無理があります。横浜市長選では目立たなかったものの、政権を左右する全国レベルの国政選挙ともなりますと、共産党との選挙協力は、国民の多くに警戒心を呼び起こすこととなります。何と申しましても、共産党体制の悪しき事例を隣国が見せつけているのですから。仮に、選挙の結果、共産党が政権与党となりますと、否が応でも日本国の国家体制が共産党一党独裁体制に近づくこととなりましょう。

 

 立憲民主党に国民意識を読み取る政治感覚があれば、日本共産党との共闘は自らの手で政権交代のチャンスを潰す結果となることは当然に予測できたはずです。このため、立憲民主党が共産党と組んだのは、外部勢力による自公連立政権を維持させるための高等戦術ではなかったのか、という疑いも生じるのですが、実のところ、与野党双方の側に’共産主義勢力’が’保険’を掛けたとも推測されます。つまり、自民党+公明党であれ、立憲民主党+日本共産党であれ、選挙の結果、どちらの政権が誕生したとしても、’共産党’は、政権の一角を占めることができるのです。

 

 創価学会と中国共産党の関係が明らかとなるにつれ、日本の政界に対する国民の見方も変わってくるかもしれません。日本国の政界を舞台として、外部勢力による二頭作戦が展開されている可能性が高まるからです。そしてそれが日本国の独立性の危機を意味する以上、自民党もまた、立憲民主党と同じ運命を辿るかもしれないと思うのです。

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