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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NHKは中国の報道機関?ー新型コロナウイルス生物兵器説をデマと断言するNHK

2020年02月10日 13時11分22秒 | 国際政治

 昨日2月9日の午後9時より、NHKでは、‘緊急報告’と銘打って新型コロナウイルス肺炎に関する特別番組を放送していました。日本国内でも危機感が高まる中での放送であり、視聴された方も少なくなかったのではないかと思います。報道の自由が保障されている日本国ならではの独自の取材による事実の判明に期待したのですが、同番組、どこか怪しげなのです。

 特に驚かされたのは、同番組が、きっぱりと「生物兵器説はデマ」であると断言した点です。実のところ、同説をデマと決めつけたのは、私見の限りではNHKが唯一の報道機関です。SARSについても台湾の国家安全局長が生物兵器説を唱えたところ、中国の外交部報道官が激怒して否定したという一幕があったそうです。ところが、今般の新型コロナウイルスに関しては、その中国政府さえも押し黙っています。その一方で、状況証拠、並びに、同ウイルスの遺伝子解析等の科学的見地からしますと、生物兵器説の信憑性は高まるばかりです。こうした中でNHKが‘デマ’と言い切ったのですから、この見解を素直に信じる人はそう多くはないのではないでしょうか。

 そもそも、NHKには、正確なるファクトチェックをし得るほどの十分な情報や分析能力が備わっているとも思えません。おそらく、同ウイルスの生物兵器説については、日本国政府でさえ真偽の判断は困難な作業となりましょう。(もっとも、アメリカ政府から情報を得ているとすれば、日本国政府も真相を知っており、既に国立感染研究所において独自に同ウイルスの分離に成功していますので、自然界における突然変異の可能性を100%否定はできないまでも、真偽の判明は時間の問題であるかもしれない…)何故ならば、それは、絶対に外には漏らしてはならない中国のトップシークレットであるからです。そうであるからこそ、先に触れたようにSARSに際して生物兵器説が浮上した時に烈火の如くに怒って否定したのでしょう(人は本当のことを指摘されると怒るとも言う…)。

生物化学兵器禁止条約が存在しながら、それが純粋に研究目的を表看板としていたとしても、各国、並びに、国際組織が競うかのように生物兵器の開発に転用可能なウイルス研究を行っていることは紛れもない事実です。アメリカのハーバード大学の研究所から中国人が21種のウイルスを盗み出したのも事実であり、同事件が百歩譲って新型コロナウイルスと関連性がないとしても、この‘ファクト’を消すことはできません。SARS生物兵器説を提起したのが台湾の国家安全局長であったように、国家の防衛や安全保障を担う立場の人であれば、有事であれ、平時であれ、中国政府による生物兵器使用は当然にあり得るシナリオなのです。

 その流出は偶発的な事故であったとしても、新型コロナウイルスが生物兵器として開発された可能性が高いとしますと、NHKが敢えて‘デマ’と断言したのは、おそらく、WHOとも結託した中国政府の意向を受けてのことなのでしょう。折も折、中国では、情報を隠蔽してきた政府に対する国民の不満が高まっており、共産党一党独裁体制への批判にまで発展する様相を呈しています。こうした国内の状況に危機感を抱いたのか、国家中枢は世論誘導に力を入れるように訓示したとも伝わります。となりますと、NHKは、この中国からの指令に従ったとしか考えられず、日本国の公共放送ではなく、その実態は中国共産党、あるいは、中国電視台の日本支部なのかもしれません。

 真偽が不明な状態では、生物化学兵器説など、意図的、あるいは、明らかなる虚偽を除いて、断片的な事実から推測・構成された説は、無防備な人々への善意の警告とはなっても‘デマ’とはなり得ず、逆に、こうした推測説を‘デマ’と断言した側こそが、‘デマ’の発信源ともなりかねません。常々黒を白と言い含め、国民を騙してきた中国政府のように…。真偽が不確かな情報は、それが客観的な証拠に基づいて真偽が判明するまでは、敢えて断定せず、個々が様々な情報を突き合わせ、自らの常識や理性に照らして判断するしかありません。そして、言論の自由が保障されている国では、多くの人々が真実を求めて真偽を自由闊達に論じることができるのです。NHKによる新型コロナウイルス生物兵器説の否定は、公共放送の権威を以って自由な言論を封じようとした点において、同局に対する国民の信頼を著しく損ねたのではないかと思うのです。

コメント (6)
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