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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ミイラ取りがミイラになった鳩山元首相

2012年04月09日 15時49分01秒 | 国際政治
鳩山氏「IAEAは二重基準」と発言か 同行議員は否定(朝日新聞) - goo ニュース
 鳩山元首相のイラン訪問については、出発前から、各方面から懸念が表明されていました。案の定、この懸念は現実のものとなりそうです。

 イラン訪問に先立って、鳩山元首相は、イランに核開発を思い留まらせ、平和的にこの問題を解決することが訪問の目的であると説明していたはずです。しかしながら、蓋を開けてみますと、会談の席で、鳩山元首相には、イランの大統領や外相に対して核開発の放棄を強く迫った様子が伺えないのです。それどころか、IAEAのダブル・スタンダードを非難したとも報じられており、まるでイランの代弁者に転向したかのようです。悪いのは、イランに嫌疑をかけたIAEAであって、核開発をしたイランは、無問題と言わんばかりです。たとえ、核保有を曖昧にしているイスラエルを念頭に置いた発言であったとしても、それを理由に、NPTに反する核開発が許されるわけではありません。同席した参議院議員の方はこの発言を否定していますが、何れにしましても、鳩山元首相のイラン訪問は、イラン側の擁護者が登場したとの印象を国際社会に与えてしまいました。

 鳩山首相は、ミイラ取りがミイラになったのでしょうか。あるいは、始めからミイラであったのでしょうか。

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コメント (2)
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