秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

別離     SA-NE

2010年07月25日 | Weblog
祖谷を愛していた彼女が、祖谷を離れる決心をした。
そして、決心は揺るがないまま、昨夜コテージで、壮行会が行われた。
天然酵母のパンの匂い。薪ストーブの匂い。無添加の洗剤の匂い。
玄関のガラスの戸を、開けると、いつも変わらない匂いがして、なぜだか、ホッとした。

仲間達と、その部屋で年に数回、食事会をした。ワメイさんがいた時と同じように、その空間で、私達は言いたい事を話し、食べたり、飲んだり、気がつけば、時計は深夜。
ワメイさんの建てた、カントリー調の家。

対面式のキッチンには、いつも誰かしらが食器洗い係になっていて、自然にまた
誰かがキッチンに立ち、あ・うんの呼吸の世界は、とても居心地がよかった。

人生の折り返し地点を、過ぎ、全く新しい土地から、新たなスタートを切る!
それは、容易な事ではない。
彼女は、新たなスタートラインに、立った。薪ストーブのない、暮らしを
ゼロから始めるんだ。

二つ年上の幼なじみとして育ち、私は彼女を、いつも見ていた。
べったりとした関係ではなく、互いに束縛しない、適度の塩加減みたいな
優しい関係を保ちながら、今日まで、様々な出来事に、共感してきた。
昨夜、集まった仲間達も、皆がそうだったと想う。

〈お母さんはいつも、計画倒れ!〉
と息子が言う位、確かにこれまでの彼女は、まさに計画倒れが、多々あったが
一番、実行してほしくなかった事は、計画倒れには、ならなかった。

心の中に、小さな虫食いが出来たまま、ジグザグの形は、暫く手直し出来ない。
彼女の決心が、もう一つの、私自身の進むべき道を、何かに導かれているような
気がしてならない。

立ち止まり、立ち止まり、頭の中をまっさらにして、考えている。
考え過ぎて、心がしわくちゃになりそうだ。

誰か一人の為に、ギターを弾いたのは、何十年ぶりだろう。
昨夜、切りすぎた爪で、押さえた弦。
今日は、指先が痛い。

体の関節が、バラバラになりそうに、バタバタと歩く彼女の後ろ姿も、
EXILEの話しになると、両手を使いながら、必死で熱く話す
あの仕草も、暫くさよならだね。

頑張ってなんて、言える余裕は、今の私にはありません。
私は、自分自身に
『ガンバレ!』と言い聞かせている。

チーコちゃん、
敬語を一度も使わなかった、失礼な後輩で、ゴメンなさいね。

四年目の、夏だね。
ワメイさんも、空の上から、あの飄々としたニンマリ顔で
エールを送っていると想うよ。
『イケるんか~?』
『それも面白い道かもの~?』

そして、言ってくれるよ!

『今までありがとう!』って。

新たなる人生に、
今までそうだったように、何の色にも染まらない、貴女でいて下さい。
何の色にも染まらない、貴女が大好きだったんだよ。

コメント (2)
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