脳卒中で利き手が麻痺した場合のリハビリは、麻痺した手をリハビリする方法と 利き手交
換といって、麻痺とは反対側の手を重点的にリハビリする方法があります。右利きの人の場
合、利き手交換により、左を使うことには相当抵抗があるのではないかと思います。
左利きの場合は、現在はそうでもないかもしれませんが、一昔前には、字を書いたり、食事
をするときには、親から強制的に右手を使用させられたものです。 私は左利きですが、子
供のころ親から右手の使用を強制させられたおかげで、ほとんどのことは右でも出来ます。
両手を使えるということで、友人などから羨ましがられたりもしていました。 多分、左利
きの人は私同様に左右両方が使える人が多いのではないかと思います。
私は脳出血により左半身が麻痺したために、利き手の左が動かなくなってしまいました。
しかし、医師も療法士も私が左利きとは気づかなかったと思います。 ごく自然に麻痺して
いる左手のリハビリが行われました。
私は、入院した直後から現在に至るまで、食事をはじめ、出来るだけ左手を使おうと心がけ
ています。 日常の生活動作は右手で何とかなりますが、当たり前のことですが、両手が使
えないとなにかと不便なのです。
入院して間もない頃は顔を洗う時、左手が動かないので、右手で左手を支え両手を揃えてお
いて、顔を動かしていましたし、歯磨きも歯ブラシではなく、歯を動かしました。 退院す
る頃には、洗面、歯磨きのほか、左手で箸を持ってなんとか食事が出来るようになりまし。
麻痺の回復には通常長い時間がかかる場合が多いので、数か月で退院させなければならない
リハビリ病院では、右利きで右麻痺の場合には、退院後に生活の早期自立が求められる場合
や早期に勤務に復帰することを考慮すると、どうしても短期間に効果の現れる利き手交換を
勧めることが多いのではないかと思います。 従って、麻痺した手のリハビリは、入院中、
さらには退院後も自主的に継続して行うことになり、患者の強い意思が重要になります。
利き手交換と麻痺手のリハビリを上手に並行して行うことにより、退院後の生活を1日でも
早く潤いのあるものにしていくことも、選択してよいのではないかと思います。
もっとも、病院で両方を実施してくれれば一番良いのでしょうが、退院まで数か月という限
られた時間の中では、両方を行うのは現実的に無理なのでしょうから。
(花熟里)
〆