「フォレスタ・セレクションコンサート~和魂洋才~」に行って来ました。このセレクションコンサートは年50回くらいあるフォレスタコンサートの中で異彩を放っています。フォレスタ・コンサートでは一般的に日本の抒情歌、童謡、懐かしの名曲(歌謡曲やポップスなど)が主体で、フォレスタメンバーの原点としてオペラの曲が若干ですが歌われます。
他方、セレクションコンサートだけは、リーダーである大野隆さんがプロデュースし、この枠組みが取り払われる曲の構成になります。司会の石川牧子さんが「皆さん のびのびと歌っています」と表現していました。ということは、他のコンサートは“フォレスタの型”に縛られているということでしょう。確かに観客席から見ても、他のコンサートで漂う雰囲気とはガラッと変わったものを感じます。リーダーの大野隆さんも挨拶の中で、「セレクションコンサートは、年一回ですが、選曲・構成など上の方(一条さんなどの上司のことか??)にも自由にさせてもらっています。」と発言していました。大野さんの口ぶりから、セレクションコンサートを清瀬の年一回だけでなく、せめてもう一回(他の場所でもよいので)行えたら良いな、という気持ちが感じられましたが、いかがでしょうか。勘ぐりすぎでしょうか。
セレクションコンサートに来場された方の中には、フォレスタには日本の抒情歌・童謡を中心に歌ってほしいという声もあるかと思います。私の知人もその一人で、毎年のセレクションコンサートのたびに選曲・構成に不満タラタラで、今年は足を運びませんでした。 しかし、私は今のセレクションコンサート(特に今年の)の選曲・構成に満足しています。日本の抒情歌や童謡は、毎週月曜日の「BS日本・こころの歌」でも放映されており、なりよりも、他のフォレスタコンサートで聴くことが出来ます。特に首都圏の方にとっては、近くでフォレスタコンサートがあり、聞きに行ける機会が多くありますので。
今年の構成は、第一部は8曲で、童謡:3曲(汽車メドレー、たなばたさま)、戦時歌謡:1曲(海ゆかば)、唱歌:1曲(夏の思い出)、ミュージカル曲:4曲(踊りあかそう、Singing in the rain, 星に願いを、A whole new world)です。第二部は例年通りオペラのアリアを中心にした曲目で、「フィガロの結婚」から6曲、「トスカ」から4曲、「カルメン」から1曲です。
アンコールは昨年と同じで、イタリアの第二の国歌とも言われている「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」でした。
さて、「海ゆかば」についてですが、司会の石川牧子さんが、「男声コンサートでは良く取り上げている。作曲者の信時潔は敬虔なクリスチャンであったことはあまり知られていません。」と話していました。
「海ゆかば」は、昭和12年に国民の戦闘意欲の高揚を意図して制定された曲だったのですが、太平洋戦争も半ばを過ぎ、玉砕の大本営発表の際には冒頭に「海ゆかば」が流されたといわれています。なお、勝戦の場合は、「軍艦行進曲」、「敵は幾万」などいかにも勇ましい曲が流されたようです。
こうしたことから、戦後は“天皇への絶対的忠誠を誓い、国威発揚する忌まわしき軍歌”として扱われてきましたが、クリスチャンの信時潔は、讃美歌を思わせる荘重なレクイエム調の曲にしあげました。戦死者の追悼にピッタシの荘厳な曲ともいえるように思います。男声フォレスタが取り上げている理由もこの辺りにあるのではないでしょうか。
私の周りでは男声フォレスタの「海ゆかば」を聞いて涙ぐんでいる方が数名いましたし、私も目頭があつくなりました。今や日本で「海ゆかば」を歌えるグループは男声フォレスタだけではないでしょうか。
アンコールの「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」(オペラ『ナブッコ』より)は、昨年、リーダーの大野さんが大好きな曲と言っていたように記憶しています。しかも、歌うスタイルも昨年同様、皆さんが譜面を手にして、合唱スタイルで歌いました。自由に演出できるセレクションコンサートの最後に、フォレスタはクラッシク出身の声楽家のグループという大野さん流のこだわりなのではないでしょうか。
<プログラム>
『第一部』
「汽車メドレー」 混声 P:南雲、吉野。
「汽車(今は山中 今は浜~)」、「汽車ポッポ(汽車 汽車 ポッポ ポッポ~)」、「汽車ポッポ(お山の中行く ~)」
「たなばたさま」女声アカペラ P:山元
「海ゆかば」 一番アカペラ P:吉野
マイフェアレディより「踊り明かそう」 内海、P:山元・吉野
雨に歌えばより「Singing in the rain」 横山、 P:南雲
ピノキオより「「星に願いを」 上沼、 P:山元
アラジンより「A whole new world」 澤田・小笠原、 P:吉野
「夏の思い出」 横山指導で体操・全体合唱
『第二部』
WAモーツアルト作曲オペラ〈フィガロの結婚〉より
「序曲」 P:南雲・吉野・山元
「けんかの二重唱」 吉田(マルチェリーナ)・内海(スザンナ) P:吉野
「恋とはどんなものかしら」 吉田(ケルビーノ少年) P:山元
「もう飛ぶまいぞこの蝶々」 大野(フィガロ) P:山元・南雲
「ひどいぞ、なぜあんなに冷たくした」 塩入(アルマヴィーヴァ伯爵)・上沼(スザンナ) P:山元・南雲
「訴訟に勝っただと?」 塩入(アルマヴィーヴァ伯爵) P:山元・吉野
Gプッチーニ作曲オペラ〈トスカ〉より
「妙なる調和」 澤田(カヴァラドッシ) P:山元・南雲
「テ・デウム」 今井(カルピア) P:山元・南雲
「もし私にこの欲望を裏切れというなら~歌に生き、恋に生き」 今井(スカルピア)・中安(トスカ)、P:南雲・吉野
「星は光りぬ」 榛葉(カヴァラドッシ) P:南雲・吉野
Gビゼー作曲オペラ〈カルメン〉より五重唱
「うまい話しがある」 吉田・内海・上沼・今井・横山 P:南雲・吉野
~アンコール~
Gヴェルディ作曲オペラ〈ナブッコ〉より
「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」 P:南雲
〆
他方、セレクションコンサートだけは、リーダーである大野隆さんがプロデュースし、この枠組みが取り払われる曲の構成になります。司会の石川牧子さんが「皆さん のびのびと歌っています」と表現していました。ということは、他のコンサートは“フォレスタの型”に縛られているということでしょう。確かに観客席から見ても、他のコンサートで漂う雰囲気とはガラッと変わったものを感じます。リーダーの大野隆さんも挨拶の中で、「セレクションコンサートは、年一回ですが、選曲・構成など上の方(一条さんなどの上司のことか??)にも自由にさせてもらっています。」と発言していました。大野さんの口ぶりから、セレクションコンサートを清瀬の年一回だけでなく、せめてもう一回(他の場所でもよいので)行えたら良いな、という気持ちが感じられましたが、いかがでしょうか。勘ぐりすぎでしょうか。
セレクションコンサートに来場された方の中には、フォレスタには日本の抒情歌・童謡を中心に歌ってほしいという声もあるかと思います。私の知人もその一人で、毎年のセレクションコンサートのたびに選曲・構成に不満タラタラで、今年は足を運びませんでした。 しかし、私は今のセレクションコンサート(特に今年の)の選曲・構成に満足しています。日本の抒情歌や童謡は、毎週月曜日の「BS日本・こころの歌」でも放映されており、なりよりも、他のフォレスタコンサートで聴くことが出来ます。特に首都圏の方にとっては、近くでフォレスタコンサートがあり、聞きに行ける機会が多くありますので。
今年の構成は、第一部は8曲で、童謡:3曲(汽車メドレー、たなばたさま)、戦時歌謡:1曲(海ゆかば)、唱歌:1曲(夏の思い出)、ミュージカル曲:4曲(踊りあかそう、Singing in the rain, 星に願いを、A whole new world)です。第二部は例年通りオペラのアリアを中心にした曲目で、「フィガロの結婚」から6曲、「トスカ」から4曲、「カルメン」から1曲です。
アンコールは昨年と同じで、イタリアの第二の国歌とも言われている「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」でした。
さて、「海ゆかば」についてですが、司会の石川牧子さんが、「男声コンサートでは良く取り上げている。作曲者の信時潔は敬虔なクリスチャンであったことはあまり知られていません。」と話していました。
「海ゆかば」は、昭和12年に国民の戦闘意欲の高揚を意図して制定された曲だったのですが、太平洋戦争も半ばを過ぎ、玉砕の大本営発表の際には冒頭に「海ゆかば」が流されたといわれています。なお、勝戦の場合は、「軍艦行進曲」、「敵は幾万」などいかにも勇ましい曲が流されたようです。
こうしたことから、戦後は“天皇への絶対的忠誠を誓い、国威発揚する忌まわしき軍歌”として扱われてきましたが、クリスチャンの信時潔は、讃美歌を思わせる荘重なレクイエム調の曲にしあげました。戦死者の追悼にピッタシの荘厳な曲ともいえるように思います。男声フォレスタが取り上げている理由もこの辺りにあるのではないでしょうか。
私の周りでは男声フォレスタの「海ゆかば」を聞いて涙ぐんでいる方が数名いましたし、私も目頭があつくなりました。今や日本で「海ゆかば」を歌えるグループは男声フォレスタだけではないでしょうか。
アンコールの「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」(オペラ『ナブッコ』より)は、昨年、リーダーの大野さんが大好きな曲と言っていたように記憶しています。しかも、歌うスタイルも昨年同様、皆さんが譜面を手にして、合唱スタイルで歌いました。自由に演出できるセレクションコンサートの最後に、フォレスタはクラッシク出身の声楽家のグループという大野さん流のこだわりなのではないでしょうか。
<プログラム>
『第一部』
「汽車メドレー」 混声 P:南雲、吉野。
「汽車(今は山中 今は浜~)」、「汽車ポッポ(汽車 汽車 ポッポ ポッポ~)」、「汽車ポッポ(お山の中行く ~)」
「たなばたさま」女声アカペラ P:山元
「海ゆかば」 一番アカペラ P:吉野
マイフェアレディより「踊り明かそう」 内海、P:山元・吉野
雨に歌えばより「Singing in the rain」 横山、 P:南雲
ピノキオより「「星に願いを」 上沼、 P:山元
アラジンより「A whole new world」 澤田・小笠原、 P:吉野
「夏の思い出」 横山指導で体操・全体合唱
『第二部』
WAモーツアルト作曲オペラ〈フィガロの結婚〉より
「序曲」 P:南雲・吉野・山元
「けんかの二重唱」 吉田(マルチェリーナ)・内海(スザンナ) P:吉野
「恋とはどんなものかしら」 吉田(ケルビーノ少年) P:山元
「もう飛ぶまいぞこの蝶々」 大野(フィガロ) P:山元・南雲
「ひどいぞ、なぜあんなに冷たくした」 塩入(アルマヴィーヴァ伯爵)・上沼(スザンナ) P:山元・南雲
「訴訟に勝っただと?」 塩入(アルマヴィーヴァ伯爵) P:山元・吉野
Gプッチーニ作曲オペラ〈トスカ〉より
「妙なる調和」 澤田(カヴァラドッシ) P:山元・南雲
「テ・デウム」 今井(カルピア) P:山元・南雲
「もし私にこの欲望を裏切れというなら~歌に生き、恋に生き」 今井(スカルピア)・中安(トスカ)、P:南雲・吉野
「星は光りぬ」 榛葉(カヴァラドッシ) P:南雲・吉野
Gビゼー作曲オペラ〈カルメン〉より五重唱
「うまい話しがある」 吉田・内海・上沼・今井・横山 P:南雲・吉野
~アンコール~
Gヴェルディ作曲オペラ〈ナブッコ〉より
「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」 P:南雲
〆