蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

旧生方家住宅  沼田市

2014-02-09 19:11:53 | 古民家、庭園
生方家は沼田藩の薬種ご用達を務めた歴史ある家柄である。


町屋造りの立派な店舗兼住宅が沼田市の繁華街の中心に持っていたが、維持管理が困難になり昭和48年に沼田城址公園に移築された。
沼田市の繁華街通りが、この家の正面と向かって左手を通っていた。
屋号は「ふぢや」であったが、角にあるため「かどふぢ」と呼ばれていたという。


正面中央の下みせには、今も薬種ダンスが残されている。


正面右手の上みせには、上客を通したのだろう。そこから建物の奥に向かって二の間から五の間までが並ぶ。
一番格の上の部屋なのだが、それが直ぐ道端にあるというのも面白い。


屋根を支える木組みは古民家らしい自然の曲がった材を活かしたもの。


移築した年代が古くそこまで頭が回らなかったのかもしれないが、どのような環境に置いてどう見せるか、という所にもう少し頭を使ってもよかったのではと思われる。


福舞十兵衛  前橋市

2014-02-05 21:19:42 | 蕎麦
民家を改装した感じのお店の造りである。


住宅地の中にあるので結構分かりにくいが、GPS付きのナビゲーションのお陰で、隠れ家的蕎麦屋へ行くのも非常に楽になった。


冬場の晴天の日らしく、日差しが座敷の割と奥の方まで差し込む。お店の外は上州らしい冷たい風が吹き抜けるが、お店の中でこんな日差しを背中一杯に受けていたらのぼせあがってしまいそうだ。
竹垣に囲まれた庭は、それらしい風情を見せる。






深山とおせいろの二色を注文した。
どちらも元気一杯の蕎麦であったが、江戸蕎麦vs田舎蕎麦という構図をあえて設定すれば、田舎側に一歩踏み込んだ感じの深山が素晴らしい。汁に蕎麦をどっぷりと浸しても汁は辛過ぎず、しかも蕎麦の味わいが力強く汁に負けるような事は無い。
こちらのお店はともかく蕎麦が旨いと感じたが、鴨汁うどんでも名のあるお店のようだ。冬場が旬のようだが、連れのある時に試したい。


ご馳走様でした。


猪股庭園  世田谷区成城

2014-02-03 22:45:55 | 古民家、庭園
吉田五十八の建築は、一見して日本の伝統を受け継ごうという意図が感じられ、しかも当時の顧客の贅沢な好みにも率直に答えるものを感じられ、実に有能な人の作品だと昔から思っていた。しかし、そういう二律背反しがちな要求に答えるには、伝統的であろうとともかく近代の計測して設計するという地平に置き直さないと難しいだろう。そのような近代化された伝統を感じさせるところが、私が個人的に不思議な違和感をずっと抱き続けたいわれかもしれない。




吉田五十八の建築は残念ながら現存するものは多くない。東京の世田谷によい状態の住宅が残されていることを文献的に知り、夕暮れに近い時間であったが飛び出した。


門をくぐれば玄関に至る前に、緑豊かな前庭を味わう事ができる。木造平屋建ての建物自体が、市中の山居というべき存在である事を雄弁に物語る。


家の中心となる居間は絨毯敷き。
昭和42年の竣工当時からそうであったかは分からないが、木製サッシで外界と仕切られるようである。
これは近代の空間というべきで、伝統を伝える居心地の悪い本物の伝統的和室とは別のものだと思う。


居間の北側にあるコンパクトな食堂は坪庭に隣接して、なかなかよい雰囲気が感じられる。
食堂の奥は厨房で、引き戸の付いたカウンターで仕切られているのは、昔の邸宅ではよく見られる手法。
しかし、フローリングに難がある。昭和40年代というと、木製レンガなど高価すぎて使えない時代。その代用として使われたと思うが、いささか浮ついた色具合を見せる床の建材、その当時の大メーカーが供給したもので他に選択肢がなかった感じがする。本来、こんなに派手な色合いは食堂の床にはそぐわないと思う。


奥まった所にある和室は、豪華な調度品が置かれているが普通の造り。




和室のさらに西奥、離れのような書斎。ただし、これは吉田五十八のオリジナルではなく昭和五十七年の増築だそうだ。


母屋は書斎まで一続きなのだが、小屋根がいくつかかけられ、しかもそれぞれ勾配が異なる。その複雑な処理が書斎の中から見られる。




建物西側に後に書斎が増築されたが、東側には茶室は竣工当時から存在した。


かつ善  神楽坂

2014-02-01 21:54:40 | 洋食
かつ善さんは、神楽坂の繁華街からは少し離れた場所にあり、基本がカウンターのとんかつ屋さん。
メニューは揚げ物が中心だが、排気設備が素晴しく、店内はほとんど油くささが感じられない。




普段のロースやヒレも素晴しいのだが、冬場は広島産の牡蠣を使った牡蠣フライ定食が登場する。
カウンター側から、ご主人が丁寧に牡蠣にパン粉を付ける作業を見ているだけでも、なにか楽しい。


熱々の牡蠣フライにちょうどよい量のカラシを付けて、ソースをかけ・・・
一口かめば衣がサクッと崩れて、口の中に牡蠣の濃厚な味が広がる。
まさしく冬場の美味。ご飯との相性もよい。


ご馳走様でした。