このお店のコンセプトは、ワインと味わう京懐石である。個人的な好みの移り変わりの一環なのだが、このところ日本酒の甘みが少し喉につかえるような感覚を覚えていた。そこへきて、懐石に合わせる酒はワインと来た。
伝統を外す味に、多くを期待するのは間違いだとは知りつつ、もしかして、という想いをいだいて入店した。
土日の昼にしか提供されない、昼の八寸コース。
箸の先に展開する小宇宙。
がんもどきを、まず口にしきちんとした出汁の味に驚いた。ただものではない。
となれば、昔の懐石の作法に則り中トロの握りといこう。空腹の期待感に完璧に答えてくれる。
そこから、蛸の梅和え。砂糖を加えてまったり感を出すような誤魔化しは、感じられなかった。当たり前に酸味が効き、蛸の持ち味が生きる。
素材の味をきちんと味わう、それは柔らかくて甘みを効かせた味が主流となった今日の日本では、求めてもなかなか得られない。
そういう貴重な味わいを、洗練されたグラスワインに合わせる。それは、なかなかの贅沢であった。
漬け込んだ魚の味わいも、疑問の念を全く感じさせないものであった。
伝統を外す味に、多くを期待するのは間違いだとは知りつつ、もしかして、という想いをいだいて入店した。
土日の昼にしか提供されない、昼の八寸コース。
箸の先に展開する小宇宙。
がんもどきを、まず口にしきちんとした出汁の味に驚いた。ただものではない。
となれば、昔の懐石の作法に則り中トロの握りといこう。空腹の期待感に完璧に答えてくれる。
そこから、蛸の梅和え。砂糖を加えてまったり感を出すような誤魔化しは、感じられなかった。当たり前に酸味が効き、蛸の持ち味が生きる。
素材の味をきちんと味わう、それは柔らかくて甘みを効かせた味が主流となった今日の日本では、求めてもなかなか得られない。
そういう貴重な味わいを、洗練されたグラスワインに合わせる。それは、なかなかの贅沢であった。
漬け込んだ魚の味わいも、疑問の念を全く感じさせないものであった。