最近 2冊 本を読んだ。
その2冊とも
「ぬか漬けをつけるお婆さん」が出てきた。
世間では ぬか漬けを漬けるのはお婆さん、と
相場が決まっているのだろうか?
シラー・チューベルゲニアナ。 あまりに可愛いので 家の中へ。
そのひとつは『にぎやかな天地』で、
これは 私がこの窓を始めた年に新聞に連載され、
私が勝手に持っていた「脳」というキーワードに
もうひとつ、「発酵」を加える直接のきっかけになった本だ。
(→2004.12.28の記事)
文庫になるのを待って買おうか、
それとも図書館から借りてこようか、
と さんざん迷ったが
きっかけを作ってくれた本だから、と自分に言い訳しいしい、
えいや、っと買った。
上・下 2巻だったから、出費だった。
この本については また後ほど。
(などと やっているから、
大事な記事ほど 延々と先延ばしだ!)
もうひとつがこれ、『食堂かたつむり』。
(小川糸 著、ポプラ社、2008年1月15日、1300円)
(著者のHP→コチラ)
(この著者のHPも ちょっとステキです!)
いつもの恵比須の駅ビルの書店に入ったら
ずらり!とこの本が壁画のように飾られていて
私の興味を引いた。
つまり 私の食いしん坊の魂(笑)に向けて
何かしらを発してくれていたので
壁画ではなく 平積みの方から一冊購入。
著者のサイン本の 最後の一冊? ヤッター!!!
帯の スピッツのマサムネさんの
****************************
「食べる」ことは、
愛することであり、
愛されることであり、
つまり生きることなんだ。
って改めて教えられる
素敵な物語でした。
****************************
というのが、すごくよく この物語を言い表してると思う。
主人公は 倫子という。
傷ついて 故郷に帰り、レストランを開く。
いや、レストランじゃない、食堂。
その食堂の名前が、「かたつむり」。
この「かたつむり」ってのが、和・洋・中・沖縄・アジア、
なんでもござれの すごい食堂なんだ。
倫子は 半端じゃない努力をして 腕を磨いてきたようだ。
料理というものは すごく体力を使う。
それに プロともなれば 道具ひとつとっても
とんでもなく重い。
腕力が要る。
それから 美味しく作るためには 気力も使う。
一日に一組しか客をとらないレストランともなれば
相当 気を使うはず。
それができる倫子は 愛情深く育った娘のはず。
実際、体は丈夫なようだ(笑)。
こぼれ種から育ったルッコラ。冬中元気。食べきれない。
羨ましいのは、食材の入手方法だ。
まず、運転ができない倫子に代わって
遠い所や 重いものは
‘熊さん’が軽トラックを使って運んでくれる。
‘熊さん’は 倫子にとって 一番の、
ありがたく 頼もしい仲間だ。
そして、自然。
誰しも 生まれて育った土地の自然というのは
一番美しく 郷愁を誘うものだとは思うけれど。
「ざっと見回したところ、食材にはあまり困らなそうだ。
棚田には、重たそうに頭をたれた稲穂が
こがね色に光っているし、
山里なので、新鮮な野菜は
動物にまでお裾分けできるほど たくさんある。
都会のように 浄水器やミネラルウォーターをわざわざ買わなくても、
近くの泉に行けば 冷たくておいしい湧き水が
二十四時間いつでも手に入る。
広大な牧場には、牛も、ヤギも、羊もいる。
新鮮な牛乳に事欠くことはない。
チーズにも挑戦できる。
ちょっと行けば 養豚場も養鶏場もそろっているから、
新鮮な豚肉も、地鶏も地鶏卵も手に入る。
何といっても、これからはジビエの季節だ。
(ジビエとは 狩猟によって捕獲された野生の鳥獣を言うらしい。
フランス語らしい。)
漁師さんにお願いすれば、獲った獲物をわけてもらえるだろう。
それに、この村は 山に囲まれているけれど 海にも近いので、
車で行けば 新鮮な魚介類も手に入れることができる。」(p43)
その上、山の斜面にはブドウ畑があって 地元産のワインもいけるし
お米もお水もいいから 当然 日本酒は美味しいのがいくつもあって
果樹園や ハーブ畑もある、という。
よだれが出てこない?(笑)
その上、‘おかん’が畑を持っているんだって!
こういうのを、「理想郷」と呼ばずして、何と呼ぶ?
私なんて、畑が欲しくて うずうずしてきちゃう。
以前は3坪の畑が欲しい、と言っていたが
今は6坪くらいあってもいい、と思っている。
プランターで育てたヒョロヒョロ野菜でも
可愛いし 無農薬だし
美味しいし 安心だし 新鮮だ!
けど
もっと広い畑を貸してやるから、遠慮するな、と
以前 義さんに言われたが
それだけは遠慮しとこう(笑)。
草むしりさえ 間に合わないのに 収穫なんてできない。
でも いつか もっと
自分で育てた野菜を 食卓に載せてみたい。
これは、私の夢だな。
七草に使った後、根っこを鉢に植えておいた セリ。
その後2、3回 収穫して 吸い物などに使用。また そろそろ使えそう。
倫子の料理を食べて 人はみな 幸せになって行くようだ。
料理というものは みんな 魔法の力を持っている。
料理人という人は 魔法使いなのだ!
確かに 料理には 魔法の力がある。
特に 心を込めて作った材料を 心を込めて調理して
心を込めてサーヴしたら
それはもう 魔法の薬のようなものだ。
だから この本に出て来て 倫子の料理を食べる人たちは
人生が変わるくらい 古い心の鎧を脱ぎ捨てたり
願い事が叶ったり 恋愛が成就したりするのだ。
そういえば ‘命のスープ’というのが話題になった事がある。
スープひとつで 命を救う、そういうことは きっとある。
食事で 冷えや がんや ノイローゼや うつや 多動性障害が治る、
そんな事だって きっとあるに違いない、と思う。
食事というものは 口から直接 身体に入っていくのだから
当然、そんなことも起こり得る、と思う。
それくらい、食べるものは大切なのだ、と思う。
だから 特に若い人には ‘食’を 大切にして欲しい、
と願っている。
倫子が 故郷へ帰るときには 荷物はほとんどなく、
大きなカメに入った 祖母の 古いぬか床を抱いていたのだった。
新聞の 家庭面の投書に
ひとり暮らしを始めた娘から
ネットで 50年物のぬか床を買ったと 電話が来た、
とあったのは
昨日のことだったろうか。
ぬか床は ネットで注文する時代になった。。。
手間を惜しまない精神こそが
伝統として 親から子へ、孫へと
伝わっていってくれたら、と願う。
私から 子ども達へは
伝わるはずもない、と思う。。
その2冊とも
「ぬか漬けをつけるお婆さん」が出てきた。
世間では ぬか漬けを漬けるのはお婆さん、と
相場が決まっているのだろうか?
シラー・チューベルゲニアナ。 あまりに可愛いので 家の中へ。
そのひとつは『にぎやかな天地』で、
これは 私がこの窓を始めた年に新聞に連載され、
私が勝手に持っていた「脳」というキーワードに
もうひとつ、「発酵」を加える直接のきっかけになった本だ。
(→2004.12.28の記事)
文庫になるのを待って買おうか、
それとも図書館から借りてこようか、
と さんざん迷ったが
きっかけを作ってくれた本だから、と自分に言い訳しいしい、
えいや、っと買った。
上・下 2巻だったから、出費だった。
この本については また後ほど。
(などと やっているから、
大事な記事ほど 延々と先延ばしだ!)
もうひとつがこれ、『食堂かたつむり』。
(小川糸 著、ポプラ社、2008年1月15日、1300円)
(著者のHP→コチラ)
(この著者のHPも ちょっとステキです!)
いつもの恵比須の駅ビルの書店に入ったら
ずらり!とこの本が壁画のように飾られていて
私の興味を引いた。
つまり 私の食いしん坊の魂(笑)に向けて
何かしらを発してくれていたので
壁画ではなく 平積みの方から一冊購入。
著者のサイン本の 最後の一冊? ヤッター!!!
帯の スピッツのマサムネさんの
****************************
「食べる」ことは、
愛することであり、
愛されることであり、
つまり生きることなんだ。
って改めて教えられる
素敵な物語でした。
****************************
というのが、すごくよく この物語を言い表してると思う。
主人公は 倫子という。
傷ついて 故郷に帰り、レストランを開く。
いや、レストランじゃない、食堂。
その食堂の名前が、「かたつむり」。
この「かたつむり」ってのが、和・洋・中・沖縄・アジア、
なんでもござれの すごい食堂なんだ。
倫子は 半端じゃない努力をして 腕を磨いてきたようだ。
料理というものは すごく体力を使う。
それに プロともなれば 道具ひとつとっても
とんでもなく重い。
腕力が要る。
それから 美味しく作るためには 気力も使う。
一日に一組しか客をとらないレストランともなれば
相当 気を使うはず。
それができる倫子は 愛情深く育った娘のはず。
実際、体は丈夫なようだ(笑)。
こぼれ種から育ったルッコラ。冬中元気。食べきれない。
羨ましいのは、食材の入手方法だ。
まず、運転ができない倫子に代わって
遠い所や 重いものは
‘熊さん’が軽トラックを使って運んでくれる。
‘熊さん’は 倫子にとって 一番の、
ありがたく 頼もしい仲間だ。
そして、自然。
誰しも 生まれて育った土地の自然というのは
一番美しく 郷愁を誘うものだとは思うけれど。
「ざっと見回したところ、食材にはあまり困らなそうだ。
棚田には、重たそうに頭をたれた稲穂が
こがね色に光っているし、
山里なので、新鮮な野菜は
動物にまでお裾分けできるほど たくさんある。
都会のように 浄水器やミネラルウォーターをわざわざ買わなくても、
近くの泉に行けば 冷たくておいしい湧き水が
二十四時間いつでも手に入る。
広大な牧場には、牛も、ヤギも、羊もいる。
新鮮な牛乳に事欠くことはない。
チーズにも挑戦できる。
ちょっと行けば 養豚場も養鶏場もそろっているから、
新鮮な豚肉も、地鶏も地鶏卵も手に入る。
何といっても、これからはジビエの季節だ。
(ジビエとは 狩猟によって捕獲された野生の鳥獣を言うらしい。
フランス語らしい。)
漁師さんにお願いすれば、獲った獲物をわけてもらえるだろう。
それに、この村は 山に囲まれているけれど 海にも近いので、
車で行けば 新鮮な魚介類も手に入れることができる。」(p43)
その上、山の斜面にはブドウ畑があって 地元産のワインもいけるし
お米もお水もいいから 当然 日本酒は美味しいのがいくつもあって
果樹園や ハーブ畑もある、という。
よだれが出てこない?(笑)
その上、‘おかん’が畑を持っているんだって!
こういうのを、「理想郷」と呼ばずして、何と呼ぶ?
私なんて、畑が欲しくて うずうずしてきちゃう。
以前は3坪の畑が欲しい、と言っていたが
今は6坪くらいあってもいい、と思っている。
プランターで育てたヒョロヒョロ野菜でも
可愛いし 無農薬だし
美味しいし 安心だし 新鮮だ!
けど
もっと広い畑を貸してやるから、遠慮するな、と
以前 義さんに言われたが
それだけは遠慮しとこう(笑)。
草むしりさえ 間に合わないのに 収穫なんてできない。
でも いつか もっと
自分で育てた野菜を 食卓に載せてみたい。
これは、私の夢だな。
七草に使った後、根っこを鉢に植えておいた セリ。
その後2、3回 収穫して 吸い物などに使用。また そろそろ使えそう。
倫子の料理を食べて 人はみな 幸せになって行くようだ。
料理というものは みんな 魔法の力を持っている。
料理人という人は 魔法使いなのだ!
確かに 料理には 魔法の力がある。
特に 心を込めて作った材料を 心を込めて調理して
心を込めてサーヴしたら
それはもう 魔法の薬のようなものだ。
だから この本に出て来て 倫子の料理を食べる人たちは
人生が変わるくらい 古い心の鎧を脱ぎ捨てたり
願い事が叶ったり 恋愛が成就したりするのだ。
そういえば ‘命のスープ’というのが話題になった事がある。
スープひとつで 命を救う、そういうことは きっとある。
食事で 冷えや がんや ノイローゼや うつや 多動性障害が治る、
そんな事だって きっとあるに違いない、と思う。
食事というものは 口から直接 身体に入っていくのだから
当然、そんなことも起こり得る、と思う。
それくらい、食べるものは大切なのだ、と思う。
だから 特に若い人には ‘食’を 大切にして欲しい、
と願っている。
倫子が 故郷へ帰るときには 荷物はほとんどなく、
大きなカメに入った 祖母の 古いぬか床を抱いていたのだった。
新聞の 家庭面の投書に
ひとり暮らしを始めた娘から
ネットで 50年物のぬか床を買ったと 電話が来た、
とあったのは
昨日のことだったろうか。
ぬか床は ネットで注文する時代になった。。。
手間を惜しまない精神こそが
伝統として 親から子へ、孫へと
伝わっていってくれたら、と願う。
私から 子ども達へは
伝わるはずもない、と思う。。