ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

三和 @岐阜県岐阜市 (※移転)

2014年12月11日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜駅の西側にある昭和38(1963)年創業のみそかつの店「三和」。住宅街の中にあり、大通りからは一本入った所にあるので、少し分かりづらいかも。駅に近い訳でもないので、長く営業をしているのは地元の人達に支えられている証拠だろう。夜営業はしていないようだ。この日は休日の昼過ぎに店に伺うと、駐車場はほぼ満車の盛況。ちょうど店前が1台空いたので車を停めたが、スペースがやや小さめで若干停めづらい。

店に入るとカウンターの他に小上がりがある。ひとりだったのでもちろんカウンターに座り、厨房の上に貼られた手書きの品書きを見る。品書きは味噌かつのヴァリエーション(厚切り、一口かつなど)だけだった(ような気がする)。もちろん最初から味噌かつ目当てだったので、ロース味噌かつ定食を注文。こちらは調理はもちろん、給仕も女性ばかり4人。出来上がりを待っている間にも次々と客が入ってきて、家族連れはもちろん、1人客、カップルと様々。

てきぱきと調理と客捌きが進み、自分の前にはまず、ご飯と味噌汁、そしてたくあんが運ばれる。ご飯の盛りがいい。続いて千切りキャベツとトマトが添えられたロースかつが登場。しっかりめに揚げられたかつは、衣が硬めなので、肉から剥がれやすいが、香ばしい匂いといい、食感といい、やや甘めの味噌だれといい、ご飯にぴったりで旨い。たっぷりめの味噌だれがだんだん衣に馴染み、また違った食感になっていく。最初からギャバン製の山椒がかけられているのは珍しいかな。別途「厚切り」というのもあるのだが、普通でも肉は厚めにカットされていて満足度も高い。(勘定は¥990)

三和 (さんわ)

岐阜県岐阜市木ノ本町1-3

※柳ヶ瀬(神室町)に移転されました。移転後の記事はこちら

 

(味噌かつ 味噌カツ みそかつ)

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My Favorite Things / John Coltrane

2014年12月10日 | ジャズ

My Favorite Things / John Coltrane (1961)

1961年にアトランティックから発売されたジョン・コルトレーン(John Coltrane)のアルバム。自分は60年代後半頃からの電化マイルス(Miles Davis)からさかのぼって、マイルスの系譜で彼の音楽を聴いたので、ジャズ界の巨人のひとりである彼に強い思い入れが無く、ブルーノート時代やプレスティッジ時代のディスコグラフィーも系統立てて聴いた事はない。このアルバムはマイルスのバンドから独立してリーダーとなり、ソプラノ・サックスを使用した彼の代表的なアルバムのひとつと言われている。アルバムとしてしっかり聴くのは初めて。

アルバム冒頭の表題曲「My Favotire Things」はもちろん映画「サウンド・オブ・ミュージック」のあの名曲。ずいぶん前にこのアレンジを聴いた時は、この曲をこういうアレンジにする意味はよく分からなかった。ま、今でもよくは分からないのだが…。ジャズ史に詳しい人ならそういったアレンジや彼の奏法がジャズ界に与えたインパクトや意味をよく知っているのだろう。久しぶりに聴いたが、自分も昔と違い色々なジャズを聴くようになったので、素直にクールでかっこいいと思えるようになったかな。

自分が驚くのは、彼が最初にマイルスのバンドに入って注目され始めた1955年から、亡くなる1967年まで、たった12年だという事。その間にモンク(Thelonious Monk)に師事したり、マイルス・バンドに再加入したり、独立したり、演奏スタイルを変えたり、とめまぐるしい動きがあり、その中で数々の名盤を録音しているのだから、現在の時間軸では到底理解出来ない濃密な時間だ(しかもヤク中だったはず)。この時代のアーティストはジャズに限らず、多かれ少なかれそういった時間軸で活動していたのだろう。現在の、1枚アルバム作ったら3年休んで、次作ったらまた2年休んで、なんていう生ぬるい状況とは全然違う。

ブックオフにて購入(¥280)

  • CD (1994/6/16)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Atlantic / Wea
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揚子江菜館 @東京・神田神保町

2014年12月09日 | 東京都(老舗)

 

神保町のすずらん通りにある老舗中国料理店「揚子江菜館」。創業は明治39年(1906)という日本の中国料理店の中でも屈指の歴史を誇る店だ。以前から何度もチャンスはあったのだが、中休みは無いし、夜9時過ぎまで営業しているしと、いつでも入れる感があって他へ行ってしまっていた。実はこの日も、スマトラカレーで有名な「共栄堂」へ行ったのだが、営業時間内にも関わらず、ライスが足りなくなって目前で閉店してしまったのでサブとして選んだのだ(失礼)。ご存知の方も多いと思うが、こちらは細切りの具を並べたいわゆる「冷やし中華」発祥の店として有名。昭和8年に誕生したメニューだそうだ(戦後説もあり)。

京劇の面がトレードマークの店の中に入るとテーブル席が並んでいて、なんと5階まで席があるとのこと。この日は1人とあって1階の席に案内された。給仕の方はみな大陸の方のよう。夕方だったが、多人数の予約が入っているようで、次から次へと客が上階に吸い込まれていく。すでに夜ともなると肌寒いのだが、もちろん「五色涼拌麺(五目冷やし)」を注文した(ちなみに季節を通して注文出来るそうです)。

しばらくしてこんもりと盛られた色とりどりの五目冷やしが登場。綺麗な山型に盛られた五目冷やしは、値段が安くない事もあるが、錦糸玉子、胡瓜、チャーシュー、筍、椎茸、寒天、海老、肉団子、うずら卵、さやえんどう、ととても豪華。筍はしっかりめに味が含ませてあり、色も濃い。スープはもちろん酸味を効かしたものだが、現在主流のものと比べると、より甘みが強いもの。麺は黄色味が強いもので、量はやや多め。麺が絡み合って少々食べづらい。現在巷に出回っている様々に工夫を凝らした中華麺と比べるとさすがに凡庸ではある。ただ、基本的にはここの「五目冷やし」と現在の「冷やし中華」はほとんど組み立てが変わらない訳で、80年以上も前に完成されたというメニューが、ほぼそのまま受け継がれて日本中に伝播したというのは、それだけですごい。(勘定は¥1,510)

 ↓ 同じすずらん通りにある「文房堂」の建物(大正11年・1922建造)*外壁のみの保存

 

揚子江菜館

東京都千代田区神田神保町1-11-3

(神保町 ようすこうさいかん 元祖冷やし中華 冷やし中華 冷麺 冷やし五目そば)

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三州屋 銀座店 @東京・銀座

2014年12月08日 | 東京都

大衆居酒屋好きならたぶん一度は耳にした事があるだろう屋号「三州屋」。その中でもこの銀座店は立地といい、雰囲気といい、銀座に居ることを忘れるような店。この日訪問したのはそろそろランチタイムも終わりかという時間。以前にも店の前まで来た事があるのだが、あれ?どこだっけ…、と見失い、近辺をウロウロしてしまった。もう1軒「銀座1丁目店」というのもあるが、そちらは通りに面していて分かり易い。でもたぶん間違える人いっぱいいるだろうなぁ。そしてビルの谷間の細い路地の一番奥の奥に暖簾を発見。無事に店の中へ。

店内はほぼ満員の盛況。1人だったのですぐにカウンターに座る事が出来たが、後から入ってくる複数人数の客は、少し待ったりするぐらいだった。ランチで定食を食べている人と、酒を飲んでいる人が半々くらいだったかな。自分はお酒を冷や(常温)で注文。銘柄は「白鶴」かな。そして壁にずらっと貼られた短冊の品書きの中から三州屋定番の「鳥豆腐」を注文した。隣の人が食べている刺身の定食が旨そう。ヴォリュームも充分だ。こちら銀座店は他の三州屋にはない揚げ物があるので、カキフライ定食なんかもある。今度来たら定食にいってしまいそう。

しばらくして給仕のおばちゃんから酒が運ばれた。この店は雰囲気も、接客も、そして値段も、銀座のそれではなく、完全に下町のそれ。銀座の真ん中で呑んでいるということを忘れそうだ。続いて鳥豆腐が運ばれた。ぶつ切りのもも肉と豆腐と菜っぱが、滋味深いスープたっぷりの小丼に入っている。添えられた小皿にはポン酢と薬味。思ったよりしっかり味がついているスープで、それだけ飲んでも旨い。日本酒にはぴったりのつまみだなァ。本当はもっと色々注文したいし、ここで完結してもいいくらいなのだが、予定もあるし、散々喰い散らかしているのでこれくらいで充分。それよりも、お酒もう1本を我慢するのが大変だった。(勘定は¥900)

大衆割烹 三州屋 銀座店

東京都中央区銀座2-3-4

(大衆割烹三州屋銀座店 活魚一品料理三州屋銀座店 銀座三州屋 三州屋 三州屋銀座 活魚一品料理 大衆割烹 三州屋銀座店)

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おきなや総本舗 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2014年12月07日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ちょくちょく通っている岐阜市の美殿町商店街。柳ヶ瀬商店街の東にある小さな商店街に老舗が立ち並ぶ。こちらは神田町通り側にある和菓子の老舗「おきなや総本舗」。創業は慶應元(1865)年というすごい歴史。この商店街の老舗は奥が深いなァ。店構えは新しく、老舗という感じはしない。外から店内の様子が分かりにくいので、やや入りづらい雰囲気がある。店に入ると照明が暗いせいもあり、静かで落ち着いた空間。奥には中庭の手前に一つだけテーブルが用意されていて、その場でいただくことも出来るようだ。

秋の最盛期に訪問したので、店の菓子は栗を利用したものが多かった。自分も栗が食べたかったので「栗きんとん」を注文し、店内で抹茶と一緒にいただくことに。庭を眺めながら席に座っていると抹茶と栗きんとんが運ばれた。給仕して下さったのは女将さんかな。こちらの栗きんとんは珍しく茶巾絞りではないタイプ。栗きんとんは少し甘め。栗のほっこりとした甘さと、苦味の効いた抹茶がほっとさせてくれる。旨かった。次は鮎菓子でもいただこうかな。(勘定は¥500程)

※2021年1月10日を以って閉店されました

 


 

 ↓ 近くの神田町通り沿いにある文具店「加木鉄」(創業明治30年だとか)。「鉄」の字が「金を失う」ではなく「矢」になっている。

 


 

おきなや総本舗

岐阜県岐阜市美殿町38

 

( 岐阜 ぎふ おきなやそうほんぽ おきなや 翁屋総本舗 和菓子 老舗 閉店 廃業 )

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Soul Hits of The '70s : Didn't It Blow Your Mind? Vol.3 / Various Artists

2014年12月06日 | ソウル・ファンク・R&B

Soul Hits of The '70s : Didn't It Blow Your Mind? Vol.3 / Various Artists (1991)

米ライノ(Rhino)が編集したソウルのヒット曲集の第3集。サラッと調べただけでパート20くらいまであるシリーズの内の1枚。こういうものを編纂させたら右に出るものはいないライノだし、大手レコード会社と提携する前の独自の路線が貫けていた90年代初頭までに作られた編集盤なので、その内容はお墨付き。シリーズの他は持っていないのだが、第3集とあってもまったく隙が無い素晴らしい選曲。

それにしても2000年代頃までは、アナログ録音の作品をCD化するためにマスタリングする際に通称「ドンシャリ」という低音と高音を著しく強調した音が流行ったり、その後にはよりアナログライクな中音域が伸びる音が流行ったりと、その時々によって流行があって、それが時を経ると違和感を作り出す要因ともなっていたのだが、ライノ、特にリマスタリング・エンジニアを担当していたビル・イングロット(Bill Inglot)氏の音は、綺麗な音であるのはもちろん、とても素直で、様々な音の流行の変遷を経た今聴いても全く違和感がない音なのが凄い。さぞかし熟練したベテランの職人かと思いきや、彼がライノで活躍した時期ってすごく若くてびっくりした覚えがある(不正確かも)。

ライノについては日本のワーナーのHPに萩原健太氏らによる「僕らの大好きなRHINO」という歴史や魅力を解説した分かり易くて素晴しいページがあったのだがリンクが切れてしまっていて残念。

01 The Flaming Ember - Westbound #9
02 Ike & Tina Turner & The Ikettes - I Want To Take You Higher
03 Chairmen Of The Board - (You've Got Me) Dangling On A String
04 Edwin Starr - War
05 Ronnie Dyson - (If You Let Me Make Love To You Then) Why Can't I Touch You?
06 Gene Chandler - Groovy Situation
07 Chairmen Of The Board - Everything's Tuesday
08 Spinners - It's A Shame
09 Charles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm Band - Express Yourself
10 100 Proof Aged In Soul - Somebody's Been Sleeping
11 The Presidents - 5-10-15-20 (25-30 Years Of Love)
12 The Flaming Ember - I'm Not My Brothers Keeper

中古店にて購入(¥108)

  • CD (1991/1/29)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Wea/Rhino
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ビヤホールライオン銀座七丁目店 ② @東京・銀座

2014年12月05日 | 東京都(老舗)

銀座の街中の近代建築を見てまわる。新しいビルの間に残る戦前のビル。しかし、こういうビルも震災後の耐震基準の問題などで風前の灯だ。今後ますます建て直しが加速されるだろう。今のうちに目に焼き付けておかないと…。実際自分が見てまわっている間にも6丁目の「海洋ビル」(昭和5年前後建造)が、まさに取り壊し中だった…。

↓ 写真は丸い明かり採り窓が印象的な「第一菅原ビル」(昭和9年建造)と、入口上の柱に彫られた「吉祥天」と「広目天」が印象的な「電通ビル」(昭和8年建造)

 

晩秋らしからぬ強い日差しと乾燥した空気で乾いた喉を潤す為に、「ビヤホールライオン銀座7丁目店」へ。「恵比壽ビヤホール」としての創業は明治32年(1899)で、昭和9年(1934)に建造された建物は現存する日本最古のビヤホール。

店の前まで行くと、路肩に駐車した何台ものバスとごった返す人の集まり。何事かと見ると、どうも大陸の人達のツアーの集合場所にでもなっているようで、歩道に拡がった人達はスーツケースを転がしながら大騒ぎ。ここが銀座ということと、冷え切った国家間の軋轢を忘れそうな光景だ。

めげずに中へ。以前にも何度か入った事があるが、昭和9年建造という店内は、天井高く、ちょっと暗いホールの雰囲気は格別。正面奥のガラスモザイクの大壁画といい、時を経た柱や壁の色といい、ぶら下がった照明といい、時代を超えて過去にいるような気分に浸る事が出来る。何度入っても感動するなァ。同じライオンの注ぎたてのビールでも、ここ7丁目店で呑む一杯はちょっと格が違うと思うのは自分だけかな。この日は一杯だけだったが、美味しいビールを注いでもらい、ひと休みの時間を楽しんだ。(勘定は¥700程)

 ↓ ショップカード(店中はこんなに明るくないです)

前回の記事はこちら

ビヤホールライオン 銀座七丁目店

東京都中央区銀座7-9-20

(銀座ライオン 銀座ライオン7丁目店 ライオン銀座7丁目店 ビアホールライオン ビアホール銀座ライオン7丁目店 ライオン)

 

 

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谷中岡野栄泉 @東京・谷中

2014年12月04日 | 東京都(老舗)

 谷中の街の散策途中に寄った「谷中岡埜栄泉」。創業は明治33(1900)年。上野駅前の「岡埜栄泉総本家」の創業が明治6年なのだが、そこも暖簾分けらしいので、初祖とその後の同名異店の系譜はよく分からない事が多い。上野と一緒に根岸と本郷三丁目にも暖簾分けされたそうだから(総本家HPによる)、すぐ近くのここ谷中岡埜栄泉はそんな店のうちのどれかの系譜に当たるのかもしれない。

年季の入った木造瓦屋根の建物の上には風格ある木看板が掲げられていて素晴しい外観。ガラス引戸をガラガラと開けて店の中へ。ガラスケースの中にいくつかの和菓子が並べられている。もちろん頂いたのはこちらの名物ともいえる「豆大福」。少量で申し訳なかったが、奥から出ていらっしゃった主人に小袋に入れてもらい、散歩の途中で頂いた。

たっぷりの餅とり粉がまぶされた豆大福は、毎朝つくという餅がとても柔らかい食感。中には餡子と少し塩気のある豆(赤えんどう豆だとか)がたくさん入っていて、甘い中にもアクセントになっている。自分から豆大福を選んで食べる事は少ないが、素朴な旨さであっさりとお腹に納まった。散歩の途中で叶わなかったが、出来れば濃くておいしいお茶と一緒に食べたかったなァ。

 ↓ こちらに伺う前に訪れた上野池之端の近代建築「上田邸(旧忍旅館)」(下左・昭和4年建造)と煉瓦造の「東京動物園協会倉庫(旧都電変電所)」(下右・建築年不明)

 

 ↓ 明治43年(1910)建築の「吉田酒店(現・下町風俗資料館)」と、大正5年(1916)建築の「カヤバ珈琲」(※現在は創業家とは別の経営)

 

谷中岡埜栄泉 (やなかおかのえいせん)

東京都台東区谷中6-1-26

(谷中 岡埜栄泉 岡埜榮泉 谷中岡埜榮泉 おかのえいせん やなかおかのえいせん)

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ちちや @岐阜県土岐市

2014年12月03日 | 岐阜県(東濃)

一般的に「かつ丼」というと豚かつを和出汁で卵とじにしてご飯にのせたもの。しかし岐阜県の東濃地方の各市にはそれぞれ独自のカツ丼文化があり、今でも地元ではお馴染みのメニューとして残っていてとても面白い。以前、瑞浪市で「あんかけかつ丼」を食べたが、その隣、土岐市では「てりかつ丼」が有名(ただし品書きの表記は普通に「かつ丼」となっていることがほとんどのよう)。さほど遠くない距離なのに、旧中山道の峠道を越えて、どうして違うタイプのかつ丼が根付いたのかとても興味深い。

こちらはその土岐市で「てりかつ丼」発祥の店とされている「ちちや」。創業50年以上の歴史があるらしい。看板には「ファミリーレストラン」の文字も。店構えといい、店内の様子といい、「ファミリーレストラン」と名乗った初期の頃の店を思い起こさせ、昭和の香りたっぷり。休日の昼どきだったが、店内は満員の盛況で、座る場所が無いくらい。かろうじて常連のおじさんに相席してもらい、席に着く事が出来た。客層も地元の常連さん、家族連れ、カップル、自分のような他所からの客と様々だ。人気あるんだなァ。もちろんメニューから「かつ丼(てり)」を注文。こちらの店も特に「てりかつ丼」とは名付けず、あくまで「かつ丼(てり)」なのだ。もちろん一般的なかつ丼もあり、そちらは「とじ」と呼ばれている。

しばらくしてかつ丼が運ばれた。丼ぶりのご飯の上に千切りキャベツがのり、その上にたっぷりとてりソースのかかったかつがのっている。さっそくひとくち。かつはもちろん揚げたての熱々で、上にのったソースはかなり濃い色をしているが、丼としてのバランスを崩すほど濃い味ではなく、旨い。どちらかというとデミグラスソースっぽさが強いのだが、ケチャップのような酸味も少しある。ただこの自分の酸味に対する感想と反対の記述(つまり酸味が強い)も見た事があるので、ソースの味にばらつきがあるのだろうか。見かけからもう少し重い感じかなと思っていたので、拍子抜けするほどあっさりといただけた。メニューには中華そばまである。次はぜひオムライスを食べてみたいな。(勘定は¥760)

この後の記事はこちら

 

ちちや

岐阜県土岐市泉町久尻32-11

(土岐 ちゝや Chichiya ファミリーレストランちちや チチヤ かつ丼てり てりかつ丼 てりカツ丼 あんかけかつ丼 あんかけカツ丼 餡かけかつ丼 餡かけカツ丼)

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Blunderbuss / Jack White

2014年12月02日 | オルタナティヴ・ロック

Blunderbuss / Jack White (2012)

ホワイト・ストライプス(The White Stripes)のジャック・ホワイト(Jack White)のソロ・デビュー・アルバム。ホワイト・ストライプスのブレイクによって、一躍時代の寵児となったジャック・ホワイトが満を持して発表したアルバム。音数の少ない不思議なバランスを持ったネオ・ブルース・バンド「ホワイト・ストライプス」が解散し、ソロになったという事で注目が集まったが、期待を裏切らない内容で彼の才能を垣間見る事が出来る。ただ、近年、神格化され過ぎたのは気になるところ。ストーンズ(The Rolling Stones)との共演(出来はひどい…)はまだしも、ジミー・ペイジ(Jimmy Page)、ジ・エッジ(The Edge)と同格で共演した映画には、現役の若いギター名人代表みたいな立ち位置で出演していたが、「まだまだそこまでの実績は無いやろ」と突っ込みたくなる。

バラエティに富んで独特な音世界の楽曲は、彼らしさが滲み出ている。いわゆるギタリストとしての凄みは引っ込んで、楽曲の多彩さで魅せる感じ。ギタリストとしての評価が高いが、自分が思うには彼の場合、ギタリストとして前面に出て弾きまくるよりは、少し引いてアクセントを加えるようなギターを弾いている時の方が魅力的。いわゆるギター・ヒーローというノリじゃないし。このアルバムではピアノの方がキーになっているような気もする。彼の場合、その特異なヴォーカルを好きになれるかが大きな鍵となると思う。自分は正直気に入っているとは言い難い(ホワイト・ストライプス時代からこれだけ聴いてきて言うのも何だけど)。時々声がひっくり返るのはご愛嬌としても、なんだか落ち着いて聴いてられないのだ。それが彼の個性ではあるんだけれども。

中古店にて購入(¥500)

  • CD (2012/4/24)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Third Man Records

 

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