ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

鳳明館台町別館 @東京・本郷 (※休館)

2014年12月21日 | 東京都(老舗)

 

今回の上京で初日に宿泊したのは「鳳明館」(明治38年・1905・建造)。でも登録有形文化財に指定されている「本館」ではなく、その向かいにある「台町別館」(昭和27年・1952・建造)だった。実はせっかくならと本館をリクエストしていたのだが、修学旅行生や団体客が予定に入っている時は、台町別館の方になるとのこと。理由を訊いたら「お客様のご迷惑になるので…」。ちょっと残念ではあったが、この台町別館もかなりの建物。もともとは経営者の住宅として建てられたらしいが、常連たちから「宿屋の親父ごときが客よりもいいところに住むとは何事だ」と叱られて宿に改造したのだそう(笑)。ちなみにその時の土建屋の大将は女優の天海祐希の祖父だとか(参考)。

 ↓ 素晴しい中庭(下左)。那智石を敷き詰めた廊下を歩くと、風情ある各部屋の入り口(下右)

 

 ↓ それぞれ部屋が違うらしい。今回泊まった部屋は「呉竹」(下左)。これぞ正調日本の旅館。洗面所の灯り採りの窓(下右)もこんな凝りよう。

 

こちらでは宿泊した翌朝の朝食をいただいた。ちゃんと部屋食。前の晩に伝えておいた時間になると、若い仲居さんが部屋に用意してくれる。湯豆腐、ハム、ポテサラ、海苔、蒲鉾、漬け物、味噌汁、水菓子という内容。ご飯はお櫃に入っている。正直味うんぬんを語る内容ではないけれど、最近はどんな宿泊施設でも「朝食ブッフェ」のところが多いので、部屋で食べると落ち着くなァ(ブッフェで並んで食料を取るのが大嫌いなので…)。古い建物だけあって、風呂、トイレ、洗面は別だし、今の観点からいくと、決して便利な宿とは言えないかもしれないが、近代建築好きには堪えられない贅沢な空間だ。東京に居てこんな歴史ある旅館で朝食を食べられるなんて、ある意味とても贅沢。

 ↓ 土地柄、鳳明館の近辺には歴史的な建物が多い。「郁文堂」(下左・大正12年・1923・建造)と、登録有形文化財の「棚澤書店」(下右・明治38年・1905・建造)

 

 ↓ 以前にも訪れた昭和3年(1928)建築の「万定フルーツパーラー」(下左)。「鳳明館本館」(下右・登録有形文化財)への宿泊は是非次の機会に…

 

鳳明館 台町別館

東京都文京区本郷5-10-5

※令和3年5月より休館しているそうです

 

(ほうめいかん 鳳明館本館 鳳明館森川別館 台町別館 だいまちべっかん)

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らぁめん りきどう @岐阜県岐阜市

2014年12月20日 | 岐阜県(岐阜)

昨年オープンしたばかりのラーメン店「らぁめん りきどう」。雨後の筍のごとく数多開店しては、あっという間に閉店していく厳しいラーメン業界。豚骨醤油味が流行ればそればっかり、つけ麺が流行ればそればっかり、二郎系が流行ればそればっかり、まぜそばが流行ればそればっかり、と流行に敏感すぎて実力が伴わない店が多い中、それらとは一線を画す面白いラーメン、つけ麺を提供している店だ。開店してすぐに何度か訪問したが、店前の数少ない駐車場が停めづらく、敬遠することが多かった。この辺りにはない組み立てのラーメン、つけ麺なので、面白いんだけれど…。その頃は「小平麺」という平打ち麺を注文する事が多かったかな。

久しぶりに訪問したら、隣の土地にも駐車場があり、停めやすくなっていた。店に入り、券売機で、この店の一番特徴ある「凄平麺(すごひらめん)」という麺でつけ麺を注文。「大盛でも値段が変わらない…」と言われて、ちょっと心配しつつも、この特徴ある麺を存分に味わおうと「大盛」で頼んだ。L字のカウンターで囲まれた厨房は客席より少し高くなっているようで、店主の動きがよく分かる。こちらの店主は結構おしゃべりとみえて、(前もそうだったが)調理の間中、常連客か、ラオタ(ラーメンマニアの方)らしき人と大きな声で喋っていた。

しばらくして出てきた凄平麺のつけ(大盛)は、平皿に入れられた黄色味を帯びた平打ち麺の存在感が凄い。幅は3㎝位もあるだろうか。表面がつるっとしているので、つけ汁の絡みはよくないが、食感と言い、麺自体の味といい、とても面白い。麺それ自体の香りはさほどでもでもなかった。どろどろとした濃厚系が全盛のつけ汁にあって、やや脂は多めだがスッキリとしたタイプで、たまり醤油由来だろうか、塩っ辛い中に、少し甘みが感じられるもの。一緒に入っているチャーシューはしっかりとした肉の味と食感が残っており、箸で千切れる様なとろとろの状態ではないのが好みで、旨い。麺をどぶ漬けして味わってみる。どうしても口の中でムニムニと咀嚼することになるが、他ではない経験なので面白い。食べきれるかどうか心配していたが、意外とあっさり食べきった。新しいラーメン屋のほとんどがどこかで見たことがあるようなものばかり出す中、こういう店は面白い。(勘定は¥830)

この後の記事はこちら

らぁめん りきどう

岐阜県岐阜市島栄町2-53

(こひらめん すごひらめん 小平麺 凄平麺)

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ショパン @東京・神田須田町

2014年12月19日 | 東京都(老舗)

自転車で湯島聖堂から神田明神を巡って、昌平橋を渡って、神田の旧・連雀町(現・須田町、淡路町)界隈へ。空襲で焼け残り、戦前の東京の雰囲気を残す貴重な地区だ。以前から何度も散策に訪れているが、この付近は歴史ある飲食店や建物も多いので何度来ても飽きる事がない。火事で焼失後、建て直して再開なったばかりの「かんだやぶそば」の前を通ると、開店の準備で外周りの掃除が忙しい。以前と姿は変わってしまったが、ビルにはしなかったところが素晴しいなァ。これからこの真新しい建物が歴史を繋いでいくんだろう。店が落ち着いた頃にまた入ってみよう(焼失前に行っといてよかった…)。この日訪れたのは「かんだやぶそば」ではなく、その向かいにある昭和8年(1937)創業という歴史ある喫茶店「ショパン」。

ちょっと独特な入口を入っていくと、中の照明は少し暗めでステンドグラスがあるシックな雰囲気。もちろんBGMはショパン。コーヒーの素晴しい香りで包まれている店内は、座面が赤いビロードの藤椅子に低いテーブル。これこそ喫茶店という姿。中では近所の人だろうか、新聞を読みながらゆっくりと朝の時間を過ごしている、といった感じ。腰を下ろしてコーヒーを注文。各テーブルには大きめの灰皿が置いてあり、それぞれが個性的な形をしているのも面白い。もちろん禁煙や分煙なんて野暮な事は言いっこなしで、みなさん気持ちよさそうに煙草をふかしている。豆はしっかりこの店内で挽いていて、布のドリップを使い丁寧に淹れていた。コーヒーは酸味が強く、香りがいい。こちらで挽いた豆も購入できるようだ。コーヒーを味わいつつ、自分もゆっくりとした時間を過ごして店の外に出ると、すでに「かんだやぶ」にはすごい大行列が…。(勘定は¥400)

 ↓ 東京の真ん中とは思えない雰囲気の孔子を祀る「湯島聖堂」と、その屋根の上にのった鬼頭(きぎんとう)と鬼龍子(きりゅうし)と呼ばれる火災除けや魔除けの像が面白い。

 

 ↓ 地下6mには天然の土室(むろ)があるという創業弘化3年(1846)の「天野屋」と神田明神の鳥居。 昌平橋(大正12年・1923・建造)から見る総武線の高架。

 

ショパン

東京都千代田区神田須田町1-19-9

(喫茶ショパン 老舗喫茶店 喫茶店ショパン 神田須田町 淡路町 連雀町) 

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High Times : Singles 1992-2006 / Jamiroquai

2014年12月18日 | ソウル・ファンク・R&B

High Times : Singles 1992-2006 / Jamiroquai (2006)

ジャミロクワイ(Jamiroquai)を聴いていると、必ずいつも嫁に「らしくない…」と言われます(笑)。このアルバムは2006年に発売されたベスト・アルバムで、彼らのヒット曲をひと通り聴く事が出来る便利なもの。PVで話題になった曲、CMで起用された曲、映画のタイアップ曲などが入っていて、一世を風靡し、ヒットした各曲のエッセンスを楽しむ事が出来ます。しかも彼らの場合、(個人的には)アルバム単位よりは単発の方が断然いいので、このベスト盤はなかなか。何度も触れてきたことだけど、ヴォーカルのジェイ・ケイ(Jay Kay)の声を最初に聴いた時は、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の声だと疑わなかった。特に自分が気に行ってよく聴いた時代、いわゆるニュー・ソウル期の声にそっくりで、ちょっとあからさまだけど、曲の肌触りというか雰囲気までコピーしているのがよく分かる。で、意外と好きなんです。

彼ら(と言っても実質「=ジェイ・ケイ」なんだろう、やっぱり)も寡作で、このベスト盤の後に移籍して1枚作ったっきり(正式には未聴)。彼らの歳がいくつかとかまでは知らないが「もっと働け」といいたい(笑)。それともレコード会社はもうこういう音楽に見切りをつけているのだろうか…。チラッと聴いた移籍後の音楽がそれまでと違ったテイストを見せて面白そうだっただけに、もっともっといろんな活動があってもよさそうなもんだけど。

ブックオフにて購入(¥324)

  • CD (2006/11/6)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Sony

(ジャミロクワイ ジャミロクアイ)

 

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愛玉子 (オーギョーチイ) @東京・谷中

2014年12月17日 | 東京都(老舗)

坂の多い谷中・根津・千駄木のいわゆる「谷根千」地区を電動アシスト付自転車という文明の利器を借りて散策(←レンタサイクルは状態も良く電動アシスト付きの文京区のがおすすめです)。池之端から上野公園に出て、いくつかの近代建築を巡り、一服するために立ち寄ったのは「愛玉子(オーギョーチイ)」。創業が昭和9年(1934) という甘味処です(大正という記述もあり)。「谷中岡埜栄泉」の向かいにあり、大書きした黄色い看板が目印。こちらは台湾で採れる果実「アイギョクシ」(台湾語でオーギョーチイ)から出来る寒天状の食べ物を扱うちょっと変わった専門店。ここ以外で聞いた事が無いけれど、他でこれを扱っている店もあるのだろうか。しかもそれが戦前からの店なんてすごい。

引戸を開けて店の中に入ると、昭和の喫茶店風。背もたれが垂直のボックス席もある。さっそく土間のテーブル席に腰を下ろして若い店員さんに「オーギョーチイ」を注文した。他にもオーギョーチイを使った氷やあんみつ、それにお酒類もあるようだ。ほどなくしてガラスの器に入った「オーギョーチイ」が登場。それ自体は透明で四角い寒天のようなもの。黄色いレモンシロップの中にたくさん入っている。ひとくち口の中に入れてみると…寒天とナタデココの間といった感じの食感。予想通りそのものはほとんど味が感じられないので、基本的にはレモンシロップの味で、やや冷たいぐらいの温度。結局シロップの味が大半なのだが、これが意外といける。暑い夏に冷えたのを食べてもいいだろうな。のんびりとした店内で不思議な食感と爽やかなレモンシロップを楽しんだ。(勘定は¥400)

 ↓ 上野公園近くは近代建築の宝庫。東京藝術大学(下)の、「赤レンガ館1号館(旧教育博物館書庫)」(明治13年・1880・建造)

 

 ↓ 同じく東京藝大「赤レンガ館2号館(旧東京図書館)」(明治19年・1886・建築)。なぜか入口横には狛犬が…。

 

 ↓ 「黒田記念館(旧帝国美術院付属美術研究所)」(昭和3年・1928・建築)と、「旧東京音楽学校奏楽堂」(明治23年・1890・建築)

 

 ↓ 残念ながら外壁修繕中だった「国際子ども図書館(旧帝国図書館)」(明治39年・1906・建造)と、平成9年まで使われていた「京成線・博物館動物園駅」(昭和8年・1933・建造)

  

愛玉子 (オーギョーチイ)

東京都台東区上野桜木2-11-8

(上野桜木 上野桜木愛玉子 アイギョクシ オーギョウチイ オーギョーチ オーギョーチー オーギョーチィ)

 

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言問団子 @東京・向島

2014年12月16日 | 東京都(老舗)

浅草で自転車を借りて、吾妻橋を渡り、大川(隅田川)沿いをサイクリング。この日は晴天で、初冬の朝の空気は冷たいものの、手袋やマフラーの要らないくらいの陽気。自転車を漕いでいると少し汗ばむくらい。向島にある創業が江戸末期という「言問団子(ことといだんご)」で休憩した。様々な古い文献にも登場する歴史ある店だ。コンクリート造りの建物で、明るい日差しの入る広い店内にはテーブル席が設けてある。店の奥にはこの店にまつわる様々な資料を見る事が出来るスペースもある。まだ午前の早い時間とあって先客はおらず、お店の方に店内で食べる事を告げ、席に着いた。

しばらくして、お茶と綺麗な3色の団子が平皿にのって供された。茶と白と黄でまん丸の形。それぞれ小豆餡と白餡、それに黄色はくちなしで色付けした味噌餡だそうで熟した青梅をイメージしているとのこと。鮮やかな色からして味噌餡って意外。黒文字(楊枝)でひとつづつ口に入れる。きめの細かい餡は舌触りよく、甘過ぎず、3つあっても重くない。味噌って感じはあまりしないのだが独特のコクがあり、黄色が一番好き。店に置いてあるパンフレット類をのんびりと眺めながら、おいしいお茶と共にいただいた。こういうので落ち着くことが出来る歳になったんだなァとしみじみ。(勘定は¥630)

 ↓ 晴天の大川(隅田川)東岸から上流(向島方面)を望む

言問団子

東京都墨田区向島5-5-22

(言問團子 向島言問団子 ことといだんこ ことといだんご 古と問団子)

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岐阜うなぎ一番 @岐阜県岐阜市

2014年12月15日 | 岐阜県(岐阜)

 

岐阜市加納の住宅街の中にある鰻屋「岐阜うなぎ一番」。大通りに看板が出ていたのを見て、店を探したのだが、どこにあるのか分からないくらいの埋没感。住宅街の一方通行の多い狭い路地の中にあり、店の前に立っても、そこが店とはにわかに信じがたい。まるで飲食店の裏口か、一般住宅のような雰囲気。それでも店の前や横には駐車場がかなり確保してあるので、人気の程がうかがい知れる。店の中に入っても手作り感がたっぷり。「仮設住宅」なんていう言葉が頭に思い浮かぶ(笑・失礼)。テーブル席に座り、給仕の女性が置いてくれたお茶を飲みながら、品書きを見て基本の「丼」を注文。テーブルには漬物(たくあん、白菜)が容器ごとたっぷり置かれていて、自由につまんでいいようだ。

しばらくして肝吸いと共に丼が運ばれる。鰻は4切れ。見るからに味が濃そうな照りの強いたれがかかっていて、焼き加減はウェルダンといったところ。ご飯と一緒に口に放り込むと、予想に違わず、濃いめの味。ご飯にはほとんどたれがかかっていないが、その分、鰻の味が濃いので特に必要ないか。焼き、食感、味付け、ご飯、共に自分の好みとはちょっと違うが、この鰻超高騰のご時世に、この値段で提供するという心意気だけでもうれしいし、給仕の方も親切にご飯のお代わり(無料)を聞いて下さったりと、庶民の味方だ。(勘定は¥1,450)

岐阜うなぎ一番

岐阜県岐阜市加納花ノ木町57-1

(岐阜 うなぎ一番 鰻一番 岐阜うなぎ一番 うなぎいちばん)

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From The Vault : L.A.Forum (Live In 1975) / The Rolling Stones

2014年12月14日 | DVD

From The Vault : L.A.Forum (Live In 1975) / The Rolling Stones (2014)

ハンプトン’81」に次いで発表されたストーンズ(The Rolling Stones)の映像蔵出し第2弾は1975年のL.A.フォーラムでのライヴ。今回も珍しく日本盤(DVD+2CD)を購入。こちらも海賊盤では定番の映像だった。脱退したミック・テイラー(Mick Taylor)に替わって、まだ正式メンバーではないロン・ウッド(Ron Wood)がツアー参加し、ゲストにビリー・プレストン(Billy Preston)とオリー・E・ブラウン(Ollie E Brown)も参加。ソウルやファンクのエッセンスが加わってねちっこい演奏が繰り広げられる。化粧をしたミック(Mick Jagger)はセクシーで、この時期特有のがなりたてるような粗っぽいヴォーカルもあって、とてもワイルドな感じが楽しめる。自分がストーンズ聴き初めの頃は、あまりこの時期の演奏が好きでなくて、この後のヨーロッパ・ツアーを中心に記録した名ライヴ盤「Love You Live」もC面のエル・モカンボ・クラブでの演奏以外は熱心に聴かなかった。それが次第にこの時期のブラック・ミュージックを聴くようになって、周辺の音楽やアーティストと、ストーンズとの関わり合いが分かってくると、だんだん興味が湧いて、熱心に聴きだしたという感じ。

さすがにオフィシャルとあって素晴しい画質。当時のブラウン管映像が元なので、映像のリファインにも限界があっただろうが、ざらついて、色が飛んでしまったようなVHS映像を舐めるように見ていた身からすると、これで充分に幸せ。ステージ・セットを含め、彼らのライヴが音楽界の一大イベントだった様子がよく分かる。ガリガリに痩せたキース(Keith Richard)はどこを切り取ってもさまになっているし、元気ハツラツなロニーも微笑ましい。ビル(Bill Wyman)とチャーリー(Charlie Watts)は…いつもと一緒か(笑)。それでもビルの無表情に爪弾く摩訶不思議なベースラインはやはり興味深い。今年2月の来日公演で現ベースのダリル(Daryl Jones)のダサい演奏にかなりイラついて、今頃になって彼(ビル)の喪失感がさらに増幅されたので、けっこう耳がそちらにいってしまう。ボブ・ディラン(Bob Dylan)がストーンズについて「ビル・ ワイマンなしではただのファンク・バンドに過ぎない」なんて発言していたなァ(ファンク・バンドって訳分からんが…)。ゲストの2人は過去にも現在にもないくらいのフィーチャーされっぷりで、当時のミックやキースがかなり入れ込んでいた事が想像出来る。

このシリーズ、前作と今作の発表間隔が短かったので(クリスマス商戦用?)、次はどうなることかと思っていたが、今のところ第3弾の発表はなし。ファン心理としては次が早く知りたいが、同時にあまり間隔が短いと消化しきれないもどかしさがあって悩ましい。

amazonにて購入(¥4,819)

  • Format: CD+DVD, Limited Edition
  • Language: 日本語
  • Region: リージョン2
  • Size: 1.33:1
  • Disc: 3
  • Label: ワードレコーズ
  • DVD: 2014/11/05
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竹葉亭 本店 @東京・銀座

2014年12月13日 | 東京都(老舗)

 

 

東京(江戸)の郷土料理のひとつともいえる鰻の蒲焼き。もともと「江戸前」と言えば鰻を指していた事もあったらしい。学生時代は東京に居たけれど、もちろん鰻なんて一度も食べた事無かったなァ。出来るだけ歴史ある店で味わってみたい、と訪れたのは「竹葉亭」の本店。創業は慶応2年(1866)という長い歴史のある店だ。5丁目にも銀座店があるが、今回訪れたのは8丁目(旧・木挽町)の本店。実は名古屋にも「東京竹葉亭」を名乗る店があるのだが、その店と銀座のこの店との関係はいまいちよく分からない(HPでも触れられていない…)。しっかり暖簾分けした店なのか、それとも…。こちらの本店はビルの谷間にあり、料亭然とした外観で、かなり敷居が高そうなのだが、ランチなどで気軽に利用できる椅子席用の入口が右側にある。自分の住む東海地方はほとんどが蒸しを入れない関西風の鰻丼なので、いわゆる本物の東京(江戸)の鰻とはどんなもんだろうと興味津々で訪問した。

思ったよりも広くない部屋のテーブル席には1人客、カップル、家族連れなど様々な客層。でもやはり落ち着いた年輩の方が多く、家族連れといっても妙齢のお嬢様とご両親(※イメージです)といった感じの方達が多かった。「銀座店」のように賑わう通りから少し離れたビルの谷間のこの店にわざわざ足を選んで来るのは、すでに「知ってる」人が多いのだろう。着物姿の仲居さんに「鰻お丼A」を注文。丼に「お」を付けるのに「A」って…(笑)。しばらく待って、吸い物と香のもの、そして丼に入った鰻が運ばれた。

やや淡い色に焼かれた鰻はとても上品。箸をつけてみても、口に運んでみても、フワッとしていて、普段関西風の力強い食感の鰻を食べ慣れている自分にとっては少々頼りなく感じるほど。逆に普段こういう鰻を食べていたら、中部・関西地方ではかなりアクの強いものに感じるだろうな。身は箸で持ち上げようとすると崩れてしまいそう。たれもあっさりしていて、鰻を食べた時に感じるある種の重さもほとんど感じず、すっきりとしてこれはこれで旨い。少し山椒をかけたりしてじっくり味わった。丼でもお腹がもたれないこの上品さが、この地で150年もの歴史を重ねてきた老舗の味なんだろう。一度座敷の方でその歴史を味わってみたいものだ。ただ次に来たときは名物の「鯛茶漬け」にいっちゃうかも。(勘定は¥2,592)

 ↓ 近くにある昭和建築遺産(笑)、黒川紀章設計の「中銀カプセルタワービル」(1972年建造)。その異質な姿とボロさに圧倒される。

 

竹葉亭 本店

東京都中央区銀座8-14-7

(ちくようてい 竹葉亭木挽町本店 木挽町本店 銀座竹葉亭 竹葉亭 東京竹葉亭)

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近江屋洋菓子店 本郷店 @東京・本郷 (※閉店)

2014年12月12日 | 東京都(老舗)

本郷三丁目駅から東京大学へ向かう本郷通り沿いにある老舗洋菓子店「近江屋洋菓子店・本郷店」。店の創業は明治17年(1884)。朝、宿泊していた「鳳明館台町別館」を出たあと、周辺の近代建築を見て廻り、休憩に選んだのがここ。本店の神田店へ行った事がある人なら分かると思うが、こちら本郷店はほぼ神田店と同じ造りで、中に入ってしまうと見分けがつかないくらい。この本郷店は昭和49年に造られたのだとか。ガラスのドアを開けて中に入ると左手には惣菜パン、右手にはガラスショーケースに入った洋菓子の数々が並んでいる。天井が高く、広々としていて気持ちがいい。現在主流の装飾過多なオシャレケーキとは違い、昭和の風情が色濃く残るクラシックなケーキだが、どれもとても美味しそう。そんな店の奥にはカウンターがあり、セルフで生ジュースとコーヒー、紅茶、スープなどがいただけるスペースがある。もちろん陳列してある商品を購入して持ち込んでもOK。本当は色々試してみたいのだが、宿で朝食を食べたばかりなので自粛して、飲み物代だけカウンターで支払い、スチロールのカップ(この店オリジナルのイラスト付き)を貰って席に着いた。

今日の生ジュース(内容は変わる)は「みかん」「いちご水」「バナナとほうれん草」。せっかくなのでと、少しづつ全種類いただいた。氷で冷やしてあるガラスの容器に入ったジュースを自分で注ぐ。どれも素材の味そのままで特に甘味を加えたりしていない(シロップは別にある)。朝から甘過ぎるのは…と思っていたので、そのスッキリさが嬉しい。これ、グラスならもう少し嬉しい。目の前ではキビキビと、そして黙々とケーキ作りをする職人の方達。そんな光景を見ながら、広いカウンターで持参していた冊子なんかを広げつつ、ゆっくりする時間は貴重。ついでにスープもいただいてみた。容器はかき氷に使うようなスチロール製小鉢。スープボウルを開けると熱々のスープが入っている。たしか「コンソメスープ」と書いてあったはずだが、中にはたっぷりの野菜と、ゴロゴロと牛肉のブツ切りが入っている。これがまた旨い。普通にお腹が減った状態なら何杯もおかわりしていただろう。朝から500円は店の前の通りを急ぐ学生諸君の身には安くないかもしれないが(今の子達はお金持ってんのかな)、この内容なら大満足。(勘定は¥540)

※残念ながら2017年4月末を以って閉店されました。

  ↓ 春日通りにある、エキセントリックな色に塗られた(笑)「さかえビル」(昭和9年・1938建造)と、そのすぐ隣の「本郷中央教会」(昭和4年・1933建造)

 

 

↑ 本郷の交差点にある江戸の町の境界を示した川柳「本郷もかねやすまでは江戸の内」で有名な「かねやす」(創業享保年間!)と、「弓町本郷教会」(大正15年・1926建築)

近江屋洋菓子店 本郷店

東京都文京区本郷4-1-7

(おうみや 近江屋 おうみやようがしてん 近江屋洋菓子店本郷店 近代建築)

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