ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

テデスキ・トラックス・バンド @名古屋・Zepp Nagoya

2023年10月28日 | ライヴ(日本公演)

テデスキ・トラックス・バンド (10月24日 名古屋・Zepp Nagoya)

テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)の来日名古屋公演。もう何回も観に行っているが、来日すると知るとあの神々しいデレク(Derek Trucks)のギターを聴きたくなる。このバンド、ちゃんと毎回名古屋を飛ばさず来てくれるのが嬉しい。別の場所で酒を呑んでいて開演に遅刻しそうになって慌てて入場(苦笑)。今回はもう最初から2階席を選んだが、なんてことはない1階も普通に椅子席だった。ただ2階2列目とあって観易くていい感じ。

今回の日本公演にあたって最近のセット・リストを調べていて驚いた。当然昨年発売された4部作の力作「I Am The Moon」をメインに持ってくるだろうと思っていたら、その実カヴァー大会。元々多くのカヴァーを演奏するバンドだが、今年に入ってから多い時にはライヴの半分近くをカヴァーが占めていたりしている。それも毎回同じ曲というのは少なく、すでに80曲近いレパートリー! 彼ららしくメイン・ストリームの曲ばかりではないのでとても追いつけず、一部の曲だけピックアップして予習、参加した(それでも最近は某Tubeとかで音だけはすぐに探せるので有難い)。

ゆっくりとメンバーが入場。最初に彼らを生で観てから何年も経つがあまり変わっていない。特に女性のスーザン(Susan Tedeschi)はこの年数が経っても色々と維持しているのが偉い。デレクがギターをかき鳴らした瞬間から完全に場の空気が変わるのが分かる。なんて凄いギター。いつもギブソンのSGだが、これをほとんど素のままで使い、フィンガーピッキングであの透き通りつつド太い音を出すのだから恐れ入る。スーザンのソウルフルなヴォーカル、それに夫に負けないガッツのあるギター、それらを大所帯のバンドが支える。今回は2019年から参加しているキーボードのGabe Dixonをかなり前面に使っている様子が伺える。自身のバンドで歌っていたこともあるのでヴォーカルも旨い。

各メンバーそれぞれの見せどころも作りつつ演奏は進む。寡黙なデレクはほとんど客席の方を向かず、バンドかソロを取っているメンバーの方を見て演奏するが、やはり構成は全てデレクが握っていて(選曲も全て彼だそう)、目配せで合図を送りビタッと決めてみせる。いつもはトーンを外したりはしないが、今回は故意にフリーキーなフレーズの荒くれたソロを弾いたりしていたのが印象的だった。最後はジェフ・ベック(Jeff Beck)追悼の「Beck's Bolero~Freeway Jam」で終了(本当はストーンズの「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbeaker)」もやってくれないかなと祈っていたけれど…)。素晴らしいステージだった。

< Setlist >

Anyhow
Hear My Dear
Playing With My Emotions
Ain't That Something
Bell Bottom Blues (Derek and the Dominos cover)
Why Does Love Got to Be So Sad? (Derek and the Dominos cover)
Gin House Blues (Bessie Smith cover)
Last Night in the Rain
Part of Me
I Must Have Done Somebody Wrong (Allman Brothers Band cover)
Shame
Midnight in Harlem
Yes We Will
Bound for Glory

(Encore)
I Want More - Beck's Bolero (Jeff Beck cover)

 


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