The Downward Spiral (Deluxe Edition) / Nine Inch Nails (2004)
ナイン・イン・ネイルズ(Nine Inch Nails)1994年の傑作。もちろんリアル・タイムで聴いたが、アルバムに付随して発表された様々なマキシCDやシングルCDまで集めたので、デモ以外のボーナス・トラックのほとんどはすでに持っていて、あまり興味をそそられず、今まで購入していなかった。現在、宅で使用しているCDプレーヤーは安物だが一応SACD対応なので、2月の来日を機に、一度聴いてみようと購入してみた。
オリジナル・アルバムの方はすでに評価も固まっていて、米オルタナティヴ・ロックを語る上で絶対に外せない1枚。果たしてSACDでどれほど音の感触が違うか楽しみにしていた。特に90年代初めは時代的にまだ「ドンシャリ」(←低音と高音が極度に強調された)録音が主流で、アナログっぽい柔らかみのある音の良さが見直されるのはもう少し後からなので、静と動が交互に襲ってくる起伏の激しさと、音としてのピアノの狂気も根底にあるこのアルバムは果たしてSACD効果が表れるのだろうか。
その結果は…うーん、通常CD盤(自分のは輸入盤)とクッキリと違いを感じられたかというと…そうでもなかったかな。リマスターはトレント(Trent Reznor)本人がしているという情報(ただし、それに関するクレジットは見つけられなかった)なんだけれど。元のCDも決して音が悪い訳ではなかったので、いわゆる、昔の録音がここまで鮮明に甦った、なんていう感動もあまりない。確かに(特にピアノを含む)アコースティックな音で感じる音の伸びやかさやささやき部分での繊細さは感じられるが、自分にとっては劇的な変化とまでは言えなかった。やはりうちの安っぽいプレーヤーではダメか。どこかハイエンドの音響機器の備えてある場所で聴いてみたいな。
(オークションにて購入¥918)
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