ある平日の昼、この日は早めに仕事が終って午後はフリー。降りた駅は名鉄「堀田駅」。こちらには「名鉄堀田名店街」という飲食店の立ち並ぶ場所があったが昨年閉鎖されてしまった。確認しに行くとシャッターが下りて入れないようにはなっていたが、取壊しはまだされていない様子。でも商店が全て撤退しているので廃墟感が強くなっていた。夏の強い日差しの下、歩いて空港線沿いの天ぷら屋「とらや」へ。以前から何度か訪れているがコロナ禍もあってか暖簾が掛かっているときに巡り合えず、まだ営業しているかどうかの確証も無かった。
開店時間近くに店に着くと、暖簾こそまだだったが酒屋さんが出入りしていたので営業は間違いないようだ。すこし時間を潰して戻ると暖簾が掛かっていた。勇んで戸を引く。店内はカウンター席と小上がり席。銘の入った調理白衣を着た物腰の丁寧なご高齢の主人が1人でやっていらっしゃる。壁に貼ってある「盛合せ」が昼にも出来るか尋ねると「定食が色々ありますが…。」と値打ちな品を勧めて下さる。「酒を呑みたいので」と言うと受けて下さった。まずはビールをお願いする。年季の入った1枚板の白木のカウンターに置かれたのはキリンラガーの大瓶。猛暑で帽子に塩が吹くぐらい汗をかいて歩いてきたのでウメーのなんの。静かにクラシック音楽が流れる店内で、凛としたところが伺える主人の所作を眺めながら天ぷらが揚がるのを待った。
卓に胡麻塩と味噌とつゆが用意され、まずは海老が揚がった。火傷しそうに熱々の海老天を頬張り、冷たいビールで流す。あぁ旨い。幸せ…。タネは、イカ、茄子、ピーマン、南瓜、大葉、人参かき揚げ、コーン、稚鮎などが1品づつテンポ良く出てくる。主人は揚がるたび「塩が合いますよー。」「味噌が美味しいですよー。」と教えて下さる。世間話もしつつ、次々と食べ進んだ。最初は酒を追加しようと思っていたが、空きっ腹に大瓶で腹が膨れたので止めにしておく。最後はもう一度海老がでてひと通り終了。ふぅと一息。「昼間の酒は効きますねー。」と笑顔の主人。勘定してもらって丁寧に送ってもらい、外に出るとまた強い日差しの下に。呑んだビールがまた汗になって出てしまいそう。(勘定は¥3,500程)
↓ 店と同じ空港線沿いの新開町にある建物(建築詳細不明)◇。以前にも写真を撮った覚えがあるのだが、軒下の仕上げ方や上げ下げ窓、玄関口のオーダー(列柱)を模した意匠など、色々”匂う”(笑)建物。当初はどう用いられていたんだろう。
天ぷら とらや
愛知県名古屋市瑞穂区堀田通8-7
( 名古屋 なごや 堀田 ほりた 虎屋 てんぷら 天婦羅 天麩羅 定食 天丼 近代建築 )
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