倉敷で寄ってみたいと思っていたところに「平翠軒」がある。創業明治42年の「森田酒造場」に隣接する全国の旨いものを取り扱う店で、ずっと昔にここの商品を紹介した本を買って読んだことがあり、いつかこういう店に行ってみたいものだと思っていた。風情ある町並みを歩き、一層狭い通りの向こうに黄土色をした洋館が見える。こちらは酒造の倉庫として大正時代に建てられた建物だそう。隣の黒壁の建物が昔ながらの酒造場。杉玉が3つぶら下がっていた。店舗は1階が売店、2階はギャラリーか喫茶になっているのかな。全国から集められた様々な食材や調味料、酒肴が所狭しと並べられている。これらの封を次々に開けていきながら立呑みしてみたいなァという妄想を抱きつつ(笑)、物色した。購入したのは、山形は「山一醤油製造所」の「あけがらし」(写真下左)と、石川は「西海水産」の「ほたるいかのいしる干し」(写真下中)、そしてこちらのオリジナルだという「酒宝あかひら」(写真下右)。
「あけがらし」は醤油醸造蔵の作った米麹、芥子、麻の実から出来たもろみ味噌のような調味料。辛さは少しピリッとくる程度で、豆腐や胡瓜にのせても良し、ご飯でも良し、そのままつまんで酒でも良し。プチプチとした食感があって旨い。これ、この醤油屋に江戸時代から伝わる秘蔵の伝統食で、何と本来は跡継ぎの新婚初夜にのみ作っていた強壮剤だったのだとか(笑)。「ほたるいかのいしる干し」は蛍烏賊が綺麗に丸ごと干されている。いしる(魚醤)の風味はあまり感じなかったが、噛みしめているとしみじみと旨い。自分は蛍烏賊好きなので堪らない。ただ入れられていたプラスチック容器はペラペラでイマイチ。「酒宝あかひら」は見た目はからすみのようだが、鯔(ボラ)でなく銀ヒラス(イボダイの仲間らしい)の卵巣だとか。塩漬けではなく純米酒の酒粕と醤油に漬け込んであるそう。その分塩気が抑え気味で普通のからすみよりもコクが感じられる。コレ、旨過ぎ。ダメダメ、こんなの常備しといたら酒がどれだけあっても足りない(苦笑)。この店の商品、確かに吟味してあるだけあって魅力的な食材が目白押し。クーラーボックスでも持っていたら山ほど拾い上げて持ち帰りたいところ。(勘定は¥2,000程)
↓ 「中国銀行倉敷本町出張所(旧・第一合同銀行倉敷支店)」(大正11年・1922・建造)◇。登録有形文化財に指定されている。つい最近まで現役だったが「新児島館」として「児島虎次郎記念館」所蔵の文化財などを展示する予定なのだとか。
↓ 「三楽会館(旧・倉敷郵便局)」(明治35年・1902・建造)◇。こちらも現在は「大原美術館」に関連する建物のようだ。大原孫三郎ってスゴイ人だなァ…。
岡山県倉敷市本町8-8
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