ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Live In Vienna 1973 / Miles Davis Septet

2021年06月02日 | ジャズ

Live In Vienna 1973 / Miles Davis Septet (2009)

大手通販サイトに沢山のブートレグ(海賊盤)もどきのハーフオフィシャルと呼ばれる非公式盤が出回るようになって久しい。かつて80年代、欧米では著作権保護を目的とした取締りがとても厳しく、自分がアメリカに滞在していた頃も大都市のマニアックなレコード屋でも海賊盤はなかなか目にすることがなかった。世界的に見て当時から一番のブートレグ天国だったのは、この日本。今でもそうなのかは知らないが、一時は有名なアーティスト自身が聖地・西新宿の店に立ち寄っていく姿がよく見られたそう(→店内で写真を見たことはあるが遭遇したことは無い)。中にはジミー・ペイジ(Jimmy Page)のようにツェッペリン(Led Zeppelin)関係のブートを棚からごっそりとかっさらう人も居たようだ(←暗黙の了解らしい・笑)。自分はまだアナログの方が多かった時代から西新宿に通ってストーンズ(The Rolling Stones)、ツェッペリン、ヴェルベット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)、クラッシュ(The Clash)、テレヴィジョン(Television)などのブートを買っていたが、今と違っていい音で出回っている作品は少なく、何度もなけなしの小遣いをドブに捨てるような酷い盤を手にして泣かされたものだ(今でもレコード棚に…)。何がどうなって今のような事になっているのかは分からないが、ちょっと検索するだけで山のようにブートまがいの作品が出てきて、しかもそれらの値段が特にバカ高い訳ではないから逆にファンを戸惑わせることになっているは皮肉なもの。こういう盤は当り外れが多いので購入してみようと思う人は要注意。ま、今は昔より格段に情報が多いので大丈夫だとは思うけれど…。

今回購入したマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の73年のウイーンでのライヴも大手通販サイトで購入出来て、以前から海賊盤で出ていた音源。自分はその海賊盤は聴いたことがないが、話によると今回購入したこれよりも海賊盤の方が音がいいらしい(苦笑)。ま、安く買ったので承知だったが。当時のバンド・メンバーは以下の通り。

  • Miles Davis - Trumpet
  • Pete Cosey - Electric Guitar, Percussion
  • Reggie Lucas - Electric Guitar
  • Michael Henderson - Bass
  • Al Foster - Drums
  • Dave Liebman - Electric Tenor Sax, Soprano Sax, Flute
  • "Mtume"  - Congas, Percussion

エレクトリック・マイルスここに極まれり、といった感じのラインナップだ。ヴィデオ起こしなのかは知らないが、モノラルでややこもった音質。自分は耳が腐っているので(※←比喩的な表現です・笑)充分に聴ける音質だが、慣れていない人にはお勧め出来ない。呪術的なコンガの音に、ハードなエッジのリズム・ギターが絡まり、そこにマイルスのミュート・トランペットが加わっていく。これが本当にジャズなのかと問われれば「違うかもしれない」と言う他ない。映像が無いと、どう演奏されているのかが分からないので、すべてがダマになってこちらに向かってくるが、だんだん心地よくなってくるのが不思議。これだけ色んな音楽が溢れていて、それらのほとんどを何の苦労も無しに聴ける現代であっても、ここにある音楽はやっぱり特殊だ。たった5年程で、どうしてマイルスはこの異境にまで到達したのか…。

オークションにて購入(¥608)

  • Label : GAMBIT
  • ASIN : B002T4F802
  • Disc : 1

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