ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

1970-1975 : You Can Make Me Dance, Sing Or Anything... / Faces

2021年04月02日 | クラシック・ロック

 

1970-1975 : You Can Make Me Dance, Sing Or Anything... / Faces (2015)

酔いどれ集団(笑)、フェイセズ(Faces)のオリジナル・アルバム4枚にシングル曲などをコンパイルした1枚を加えた2015年発売の5枚組紙ジャケのボックスセット。収録されているオリジナル・アルバムはこちら。

・「The First Step」 (1970)
・「Long Player」 (1971)
・「A Nod Is As Good As A Wink...To A Blind Horse」 (1971)
・「Ooh La La」 (1973)

それぞれにボーナス・トラックが加えられていて、その曲数は17曲にもなる。それに「Stray Singles & B Sides」(ジャケ写真下)と題された9曲入りが1枚の計5枚。

自分が所有しているオリジナル・アルバムは「A Nod Is...(邦題:馬の耳に念仏)」のレコードのみで、あとはベスト盤と2004年に発売された4枚組ボックス「Five Guys Walk Into A Bar...」(ボックス写真下)を持っているだけ。このボックスが曲者で、貴重な曲も多数収録されているのに曲順が年代順じゃないので聴き辛い事この上なく、結局あまりじっくりと聴かずに終わってしまった(←最近になって自分で年代順に並べ替えてPCで聴いている)。制作時は意図があったのだろうが…(並べたのはイアン・マクレガンらしい)。

ストーンズ(The Rolling Stones)の弟分とも言われ、メンバーもそれぞれブリティッシュ・ロックを語る時に外せない5人(+テツ山内)だが、どうして自分が彼らのディスコグラフィーをしっかり追わなかったのかよく分からない。彼らの活動期は、特に後半ロッド・スチュアート(Rod Stewart)がソロで活躍(ただ演奏はフェイセズの連中だったりする)したことによってややこしいことになっている。ロッドのバック・バンド的な扱いにメンバーらが複雑な心境だったことは想像に難くない。実際にロニー・レーン(Ronnie Lane)の脱退はそれが原因とも言われる。自分はそのロッドのソロ初期(マーキュリー時代)のアルバムが大好きなので複雑な気持ちなのだが。

リマスタリングされた楽曲がオリジナルと比べてどうかとかは全然分からないが、それぞれの楽器が粒立って気持ちがいい。イギリスのフォーク・カントリー的な部分がバンドの演奏に影響を与えているのがよく分かる。改めて気に入ったのは効果的なイアン・マクレガン(Ian McLagan)のオルガンやピアノ。ストーンズのツアーなどではあくまでもバイプレーヤーだったが、フェイセズの多くの曲ではしっかりと曲を特徴づけていてカッコイイ。いやそれにしてもどのアルバム、どの曲もカッコイイなァ。このバンドで続かなかったのはもったいない。いや、でも続いていたら今のストーンズ(The Rolling Stones)も無かった訳だし…。セカンドなんかはちょっと地味にも感じるがその泥臭い感じがまたイイ。時々挟まれるロニー・レーンの哀愁漂う歌声もイイ。ロン・ウッド(Ron Wood)のギターも後のストーンズ期とはまた違って、スライド・ギターなど、丁寧でねちっこくていいフレーズがいっぱい。ま、でもロッドに(人気を)持っていかれたのも分かる。特にスローな曲での歌唱は素晴らしい。この時期の彼のヴォーカルは、何とも言えずセクシーで、誰とも違っていて白眉。

オークションにて購入(¥2,500)

  • レーベル : Rhino
  • ASIN : B011MDK4Z4
  • ディスク枚数 : 5
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする