ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Complete Matrix Tapes / The Velvet Underground

2017年06月26日 | クラシック・ロック

 

The Complete Matrix Tapes / The Velvet Underground (2015)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)の末期、1969年のサンフランシスコのクラブ、マトリックスでのライヴ演奏をコンプリート収録したという触れ込みのボックス・セット。このライヴから1年も経たないうちにルー・リード(Lou Reed)が脱退するのでルー在籍時最後の貴重なライヴといえる。後期の彼らのライヴ演奏はグルーヴが凄い。(実はルー抜きでもう少し活動を続けるものの)崩壊直前とは思えないタイトさがあり、ジョン・ケイル(John Cale)在籍時の初期のヒリヒリとしたアバンギャルドな緊張感もいいが、ダグ・ユール(Doug Yule)が在籍したこの時期の彼らこそ素晴らしいという自分のようなファンも多いはず。その様子は1974年に発表されたライヴ盤「1969: The Velvet Underground Live」(写真下左)で聴くことが出来、自分はアナログ盤で愛聴し、CDでも買い直した(CD化にあたってこっそりボーナス・トラックが加えられていた)。このライヴ盤も7割がたはマトリックスでのライヴ演奏が収録されている。また後年になって、何だかイレギュラーな企画だったが元ヴォイドイズ(The Voidoids)のギタリストでルーとも共演した故・ロバート・クワイン(Robert Quine)が隠密録音していたテープ音源を集めた「Bootleg Series Volume 1: The Quine Tapes」でも一部を聴くことが出来た(写真下右)。

 

その後、デラックス盤のボーナスとしても発表されたが、ついにコンプリートとなった訳だ(実際にコンプリートだかどうだかの検証はしていません)。1日に2ショウ行っていたようで、どの演奏も若干弛緩した雰囲気で始まり拍手もまばらだし、ルーの営業トークも緩いが、演奏が始まるとテンポの早い曲、遅い曲に関わらず、濃密。クールさの中にもリラックスした感じは感じ取れ、ヒリヒリとした緊張感こそ無いものの、音としてはやはり一音も聴き逃せない素晴らしい出来。当時の彼らの写真を見るとファッションにはフラワー・パワー通過後の大衆化も少し感じられるが、少なくとも音に関してはやはり先鋭だ(相変わらずセールスはダメだったようだが・笑)。バイオで読んだのかどうか忘れたが、この時期のヴェルヴェッツに強く影響を受けたミュージシャンも少なくないようだ。何度聴いてもノックアウトされる1-2「What Goes On」のグルーヴ! 30分以上演奏が続く狂気の3-6「Sister Ray」、後から発表されたがライヴ当時はまだレコード化されていなかった数々の曲、と聴きどころはたっぷり。

オークションにて購入(¥2,980)

  • CD (2015/11/20)
  • Disc : 4
  • Format: CD, Import
  • Label : Polydor / Umgd

 

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茂美志や @滋賀県長浜市

2017年06月26日 | 滋賀県(老舗)

今から20年程前までは、ほぼ毎週、滋賀県に通っていた。ルアー・フィッシングにハマっていて、夜中の3時頃家を出て朝の5時にはフローター(釣り専用1人乗り浮輪)で琵琶湖の湖上に。当時、釣り仲間の間で共通の認識だったのは「滋賀県では何を食べても旨くない」だった(滋賀県の方、すいませんっ!)。当時はまだ今のように飲食店の情報が多くなかったので、主に湖北や湖東の地元の店中心で食事していたのだが、残念ながらいつも結論はそうだった(本当にすいません…。もちろん今では違うと思います)。そのうちにコンビニのおにぎりと携帯コンロで作った日清どん兵衛で済ますようになって…。

それはさておき、先日、米原市の醒井宿を訪れて古い建物や店を堪能したら、もう少し足を延ばしてみたくなり、次は長浜までバイクを走らせた。昔は湖岸ばかりに居たのでこの辺りに立ち寄った覚えがあまり無いが、現在は「黒壁スクエア」として人気観光コースになっており、この日も団体客やら大陸からの観光客でごった返し。人を入れずに写真を撮ることが困難な程の人出だった(全国の商店街復興モデルになっているんだとか)。昼過ぎの外れた時間だったが、ちょっとお腹に入れようと寄ったのは「名物のっぺいうどん」と書かれた看板が目に入った「茂美志や」(志は濁点あり)。混み合うアーケード街「大手門通り」にあり、創業は大正元年(1912)だそう。

複雑な部屋割りの中の奥のテーブル席に案内される。もちろん注文はしっかり品書きも見ず「のっぺいうどん」一択。壁に貼られた多くの有名人の色紙に目をやりつつ、改めて品書きを眺めてみて凍り付く…。「のっぺいうどん」とは大きな椎茸、生麩、湯葉、三つ葉、生姜の入った餡かけうどんだとのこと。こ、これは…。おおよそ好き嫌いの無い自分が、唯一苦手と言えるのが熱い和出汁の餡かけうどん。しかもその昔、滋賀県内の別のある店で餡かけうどんを食べ、これは苦手だナと認識した因縁のうどんとほぼ同じ仕様。それが「のっぺいうどん」という名前だったとは…。

しばらくして木の蓋がのった大きな丼ぶりが運ばれる。蓋を開けると巨大な椎茸が沈む大量の餡が現れた。熱過ぎて啜ることもままならない大量ののゆるいうどんと、たっぷり熱々の餡。好物の椎茸もここでは噛み切ることが困難で手を焼く。生姜を溶くと、さらに過去の記憶が鮮明になり…。具は食べ切ったものの、このブログ始まって以来、たぶん初めて出されたものを残しました。茂美志やさん、申し訳ない(全て私の個人的な苦手意識のなせることです)。食べ切れなかったショックも後を引き(笑)、勘定をしようとして複雑な店内レイアウトで出口に迷う体たらく…。(勘定は¥1,100)

 


 

↓ 人混みの多い通りから外れ、風情ある大通寺参道付近。

 

 ↓ 店のある大手門通りにある「まちづくり役場(旧・土田金物店)」(建築詳細不明)。旧商家を利用して地域の情報発信をしている非営利活動法人。

 

↓ 「黒壁スクエア」の中心、「黒壁ガラス館(旧・国立第百三十銀行長浜支店)」(明治33年・1900・建造)。長浜カトリック教会として使われていたことも。

 

 ↓ 室町時代からの旧家「北国街道・安藤家」(大正4年・1915・建造)。

↓ 長浜駅の南にある「長浜鉄道スクエア(旧・長浜駅舎)」(明治15年・1882・建造)。現存する最古の鉄道駅舎で、日本で初めて鉄道が走って10年程だというから凄い。

 

 

 


 

 

茂美志゛や

滋賀県長浜市元浜町7-15

 

( 長浜 ながはま 黒壁スクエア もみじや 茂美志屋 紅葉や もみじ屋 長浜名物 のっぺいうどん 饂飩 琵琶湖 びわ湖 ブラックバス バス釣り バスフィッシング 近代建築 )

コメント (2)
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