goo blog サービス終了のお知らせ 

ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ヤマキ醤油 (2) @滋賀県米原市

2018年11月15日 | 滋賀県(老舗)

中山道の宿場町、醒井(さめがい)宿は初めてという嫁を連れて風情の残る街道沿いを散歩する。もう咲いていないかもと思った梅花藻(ばいかも・写真下左)はまだたくさん花が残っていてなんとか水中花の景色を楽しめた(訪問10月)。一度梅花藻が満開の時に来てみたいなァ。距離は長くないが透き通った水が滔々と流れる水路沿いを歩くととても気持ちがいい。

 

街道沿いに残る古い醤油屋「ヤマキ醸造」に寄る。以前1人で来た時に濃口醤油は買ったことがあった。この日はクーラーバッグもあったので冷蔵庫の中の特産品を物色。「鮒寿し」があったので購入する。製造は隣の近江八幡市の「奥村佃煮(近江佃煮庵 遠久邑)」。

家へ帰ってから長浜で購入した酒「湖濱」(佐藤酒造)のお伴にしてみた。スライスされた”ふなすし”が5枚程入っている。崩さないように慎重に取り出し皿の上へ。輪切りの鮒の中に発酵した米が詰まっている。米の粒は崩れているが、それを箸の先にちょこんとのせて味わう。舌先でまだ粒が少し分かる程度。そのままだとかなり酸っぱい。ただ酒を口に含むとマイルドに感じられ、ほんの少しの量でも酒が進む。身の部分は薄いのでほぼ皮という感じ。箸で切ろうとしても切れない。こちらは口に含むとかなり塩っ辛く、容易にちぎれないこともあって口に放り込むと永久酒肴に(笑)。これは酒のつまみにする以外に食べる方法があるのだろうか。酒と共にいいお土産になった。出かけた先の名産を、そこの酒と共に味わう幸せ。(勘定失念)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 以前にも訪れた「旧・醒井公会堂」(昭和11年・1936・建造)。国の登録有形文化財に指定されている。今は何にも使用されていないかな。

 

 ↓「醒井宿資料館(旧・醒井郵便局舎) 」(大正4年・1914・建造)。滋賀県ゆかりのヴォーリズ(William Merrell Vories)の設計。こちらも国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 ↓ 醒井宿の街道沿いには、その他にも丸窓のある格子の素敵な建物や、軒の形が特徴的な立派な建物など、広くない地域に魅力的な建物が集中していて軽く歩くのにちょうどいい。

 

 


 

有限会社 醤油屋喜代治商店 (ヤマキ醤油)

滋賀県米原市醒井370

 

( 滋賀 しが 米原 まいばら さめがい 醒ヶ井 醒井宿 中仙道 ヤマキしょうゆ 地産地消 近代建築 さめがいろう 梅花藻 ばいかも イトヨ 登録有形文化財 近代建築 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茂美志や @滋賀県長浜市

2017年06月26日 | 滋賀県(老舗)

今から20年程前までは、ほぼ毎週、滋賀県に通っていた。ルアー・フィッシングにハマっていて、夜中の3時頃家を出て朝の5時にはフローター(釣り専用1人乗り浮輪)で琵琶湖の湖上に。当時、釣り仲間の間で共通の認識だったのは「滋賀県では何を食べても旨くない」だった(滋賀県の方、すいませんっ!)。当時はまだ今のように飲食店の情報が多くなかったので、主に湖北や湖東の地元の店中心で食事していたのだが、残念ながらいつも結論はそうだった(本当にすいません…。もちろん今では違うと思います)。そのうちにコンビニのおにぎりと携帯コンロで作った日清どん兵衛で済ますようになって…。

それはさておき、先日、米原市の醒井宿を訪れて古い建物や店を堪能したら、もう少し足を延ばしてみたくなり、次は長浜までバイクを走らせた。昔は湖岸ばかりに居たのでこの辺りに立ち寄った覚えがあまり無いが、現在は「黒壁スクエア」として人気観光コースになっており、この日も団体客やら大陸からの観光客でごった返し。人を入れずに写真を撮ることが困難な程の人出だった(全国の商店街復興モデルになっているんだとか)。昼過ぎの外れた時間だったが、ちょっとお腹に入れようと寄ったのは「名物のっぺいうどん」と書かれた看板が目に入った「茂美志や」(志は濁点あり)。混み合うアーケード街「大手門通り」にあり、創業は大正元年(1912)だそう。

複雑な部屋割りの中の奥のテーブル席に案内される。もちろん注文はしっかり品書きも見ず「のっぺいうどん」一択。壁に貼られた多くの有名人の色紙に目をやりつつ、改めて品書きを眺めてみて凍り付く…。「のっぺいうどん」とは大きな椎茸、生麩、湯葉、三つ葉、生姜の入った餡かけうどんだとのこと。こ、これは…。おおよそ好き嫌いの無い自分が、唯一苦手と言えるのが熱い和出汁の餡かけうどん。しかもその昔、滋賀県内の別のある店で餡かけうどんを食べ、これは苦手だナと認識した因縁のうどんとほぼ同じ仕様。それが「のっぺいうどん」という名前だったとは…。

しばらくして木の蓋がのった大きな丼ぶりが運ばれる。蓋を開けると巨大な椎茸が沈む大量の餡が現れた。熱過ぎて啜ることもままならない大量ののゆるいうどんと、たっぷり熱々の餡。好物の椎茸もここでは噛み切ることが困難で手を焼く。生姜を溶くと、さらに過去の記憶が鮮明になり…。具は食べ切ったものの、このブログ始まって以来、たぶん初めて出されたものを残しました。茂美志やさん、申し訳ない(全て私の個人的な苦手意識のなせることです)。食べ切れなかったショックも後を引き(笑)、勘定をしようとして複雑な店内レイアウトで出口に迷う体たらく…。(勘定は¥1,100)

 


 

↓ 人混みの多い通りから外れ、風情ある大通寺参道付近。

 

 ↓ 店のある大手門通りにある「まちづくり役場(旧・土田金物店)」(建築詳細不明)。旧商家を利用して地域の情報発信をしている非営利活動法人。

 

↓ 「黒壁スクエア」の中心、「黒壁ガラス館(旧・国立第百三十銀行長浜支店)」(明治33年・1900・建造)。長浜カトリック教会として使われていたことも。

 

 ↓ 室町時代からの旧家「北国街道・安藤家」(大正4年・1915・建造)。

↓ 長浜駅の南にある「長浜鉄道スクエア(旧・長浜駅舎)」(明治15年・1882・建造)。現存する最古の鉄道駅舎で、日本で初めて鉄道が走って10年程だというから凄い。

 

 

 


 

 

茂美志゛や

滋賀県長浜市元浜町7-15

 

( 長浜 ながはま 黒壁スクエア もみじや 茂美志屋 紅葉や もみじ屋 長浜名物 のっぺいうどん 饂飩 琵琶湖 びわ湖 ブラックバス バス釣り バスフィッシング 近代建築 )

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

丁字屋 @滋賀県米原市

2017年06月23日 | 滋賀県(老舗)

建物も店の佇まいも全く古くないのだが、旧街道沿いでこの屋号だったら間違いなく歴史のある店だろうと訪れたのは、滋賀県米原市の醒井宿にある「丁字屋(丁字屋製菓)」(後から調べたらやはり100年以上の歴史があり、現在3代目だとか)。本当は飲み物を買おうと思って店に入ったのだが、アイスや惣菜パン、水まんじゅうなどの和菓子が並んでいたので物色。暑い日だったが、残念ながら涼しげな水まんじゅうはすでに売り切れていて、梅花藻のパウダー(!)が入っているという「梅花藻ソフトクリーム」を買い求める人が多かった。”丁字屋オリジナル”と書いてあるが、ま、そうだろう(笑)。自分はクラシックなデザインの包装に「江州(近江国=滋賀県の意)醒ヶ井宿」と書いてある「醒井餅」に目がいったので購入した。

「醒井餅」は、餅といってももちろん煎餅のこと。彦根藩の幕府献上品だったんだとか。やや大きめの胡麻醤油煎餅。表面は濡れておらず、カラッと乾いて軽い。見た目はごついが、乾いた食感と口当たりが新鮮。キリッとした醤油味と胡麻の風味があって甘くなく、なかなか旨い。訪問日には見つけられなかったが、他にも「忠太郎最中」なんてのもあるらしいので、次はそれで。(勘定は¥110/枚)

 


 

↓ 「醒井宿資料館(旧・醒井郵便局舎) 」(大正4年・1914・建造)。あのウィリアム・ヴォーリズ(William Merrell Vories)が設計だとか。国の登録有形文化財に指定されている。

 

こう見えて木造2階建ての擬洋風建築。昭和9年に外壁をモルタル塗りにしたらしいけど、それより前ははどんな姿だったんだろう? 昔の郵便局舎らしく隣の日本家屋とはつながっている。

  

↓ 通りからは少し分かり難いこじんまりとした「旧・醒井公会堂」(昭和11年・1936・建造)。現在何かに使われているかどうかは分からないが、こちらも登録有形文化財に指定されている。

 

 


 

 

丁字屋 (丁字屋製菓)

 滋賀県米原市醒井392

 

(滋賀 しが 醒ヶ井 さめがい 醒井 醒井宿 醒ヶ井宿 ちょうじや 丁字屋製菓 さめがい餅 煎餅 せんべい 近代建築 登録有形文化財 ヴォーリズ )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマキ醤油(醤油屋喜代治商店) @滋賀県米原市

2017年06月20日 | 滋賀県(老舗)

バイクで遠出しての滋賀県米原市の中山道・醒井宿(さめがいしゅく)。街道沿いには名水にも選ばれている「居醒の清水(いさめのしみず)」が流れ、その水面下には梅花藻(ばいかも)が揺れていた。抜群の透明度で流れる水中に、文字通り梅の花のような小さな白い花が涼しげで可愛らしい。夏になると水面から顔を出すんだとか(訪問5月)。それも見てみたいなァ。

 

街道沿いに建つ土蔵造りの「醤油屋喜代治商店(通称:ヤマキしょうゆ)」を覗いてみた。創業は明治39年(1906)で現在4代目とのこと。土間には醤油だけでなく、菓子類や酒肴、醤油を使ったプリンなども置いてある。この日乗ってきたバイクにはサドルバッグを付けていないので持ち帰りが困難、と思っていたら小さい小さいペットボトル(100ml)に入った醤油を発見。これを買って革ジャンのポケットに入れて帰ることにする。

金文字で「喜代治」と書かれた醤油は濃口本醸造醤油。2年仕込みだそうで、材料は全て滋賀産にこだわって作られているのだとか。さっそく家に帰って封を切り、豆腐とクリームチーズに垂らして味わってみる。さらっとした普段使っている醤油よりもコクがあり、しっかりした芳ばしい香り。開けたばかりなので余計に風味が強く感じる。次は刺身で。最近は刺身に濃口醤油は使っていなかったのでなんだかちょっと新鮮。刺身の時は淡い味の白身より、しっかりとした鉄の味する鮪の赤身や、鰹などの方が合うだろうか。(勘定は¥210/本)

この後の記事はこちら

 


 

↓ 街道沿いに建つ「旧・醒井尋常高等小学校玄関及び旧・醒井楼」(明治26年・1893・建造、移設修復、及び大正2年・1913・建造、修復)。明治時代の小学校の玄関を移設し、大正時代の料理旅館の建物と合わせた建物。看板からすると松尾寺が管理所有しているのかな。唐破風の鬼瓦の龍の彫刻や、その下の木部分、懸魚(げぎょ)の細工が圧巻。

 

 


 

 

有限会社 醤油屋喜代治商店 (ヤマキ醤油)

滋賀県米原市醒井370

 

( 滋賀 しが 米原 まいばら さめがい 醒ヶ井 醒井宿 中仙道 ヤマキしょうゆ 地産地消 しょう油プリン 近代建築 さめがいろう 梅花藻 ばいかも イトヨ )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

泡子堂 @滋賀県米原市

2017年06月16日 | 滋賀県

馴らし運転が続くバイクで岐阜県関ヶ原町まで走る。天気も良く、早朝から家を出たこともあって道路もスイスイと走れ、興がのって滋賀県の中山道・醒井宿(さめがいしゅく)まで足を延ばしてみた。この辺りに来るのは初めて。古い建物を観るのが好きになってから、少々時間がかかってもバイパスを避け、旧道(旧街道沿い)を走るのが定番になっている。バイクを停めて付近を散策。街道に沿って名水「居醒の清水(いさめのしみず)」が流れていてとても風情がある。その途中のぼりを発見し、路地に入ったところにある「泡子堂」へ。幟には「手作り・六方焼」と書かれていた。

店は昭和の菓子屋のまま。客が自分で開けるタイプのガラスケース(分かるかな?)が健在で、その上に置いてある盆の上に目当ての「六方焼」が並んでいた。さっそく店番の老齢のお母さんに包んでもらう。六角形なのかなと思っていたが、厚みのある正方形に近い長方形で、皮の六面がしっかり焼かれているのでこの名が付いているようだ。中にふかふかの白餡が入っている。表面にはゴマ粒が少々。口当たりも軽く、やさしい味で旨かった。すべてひとつひとつ手焼きされているのだそうだ。隣に置いてあった「きんつば」もおいしそうだったナ(勘定は¥120/個)

 


 

↓ 関ヶ原の駅近くにある「関ヶ原醸造(株)」(建築詳細不明)。看板は錆びて読みづらいが、”宮内庁御用”の「関ヶ原たまり」という溜り醤油を作っている。

 

 

↓ 関ヶ原駅前の通りにあった名も無き理容院(建築詳細不明)。木枠のガラス扉、豆タイルの装飾など、まさに理容院といった感じ。

↓ 関ヶ原の鍾乳洞入口の手前には戦中の弾薬庫群「関ヶ原火薬庫(旧・名古屋陸軍兵器補給廠関ヶ原分廠)」(大正3年・1919・建造)が残っている。横には「立哨台」もあった(離れた場所も含めて3基確認)。施設が施設だけに往時は昼夜を問わず歩哨が立っていたらしい。

 

↓ 鍾乳洞に一番近い火薬庫だけ照明や説明がしてあったが、他はほとんど放置状態に見える。これでも以前より綺麗になったらしい(前は倉庫として使われていたそう)。

 

 

 

 


 

泡子堂

滋賀県米原市醒井602

 

( 滋賀 しが 米原 まいばら 醒ヶ井 さめがい あわこどう 醒ヶ井宿 中仙道 近代建築 近代化遺産 せきがはら 関が原 ヤマセたまり醤油 溜醤油 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする