ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

一芳亭 @大阪市浪速区・難波

2022年08月31日 | 大阪府

大阪短期滞在。ホテルにチェックインする前にふらりと寄ったのは難波にある創業昭和8年(1933)という”華風料理”の店「一芳亭」。通し営業で中休みが無いのが嬉しい。半端な時間でも店内には何人もの先客。入ってすぐに「2階へ」と言われ、階段を昇って2階へ行くとこちらにも厨房があり、給仕女性が3人もいる。テーブル席に腰掛け、「瓶ビール・小」と名物「しゅうまい」をお願いした。斜め向かいの席では若いのががっつりと定食を食べていたし、瓶ビールを並べて何やら熱く話をしている2人組もいる。みんな旨そうだナー。

程なくしてビール(アサヒスーパードライ)の小瓶と、「しゅうまい」(一人前5コ)が運ばれた。こちらのしゅうまいは薄焼玉子の皮で包まれているのが特徴。なんでも戦後、小麦粉が手に入らず代用したのが始まりなのだとか。戦前は普通の皮だったのかな。小袋に入った辛子を皿に出し、シンプルに辛子醤油でいただく。口に放り込むとふわふわの口当たり。ほんのりと海老の風味がする味わい。これは旨いっ。素材以外の味付けはシンプルだがつまみにピッタリ。何個でも入りそうだ。他にも旨そうな品が山ほどあって名残り惜しいがタイム・アップ。次に機会があったらもう少し腰を落ち着けて飲んでみたいナ。(勘定は¥680)

 

 


 

↓ 今回宿泊したのは「シタディーンなんば大阪」(「旧・松坂屋大阪店<高島屋東別館>)(昭和12年・1937・竣工)。今回の自分の活動には全然便利な場所ではなかったが、せっかくの機会なのでと登録有形文化財、重要文化財にも指定されている建物を2年前にリノヴェーションしたホテルに滞在することにして予約した。設計は鈴木禎次。建物内には「髙島屋史料館」もあって楽しみにしていたのだが、展示替えのため休館…。残念。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓ 歴史の感じられる外観と違って部屋はややポップな雰囲気に造作されている。予約したツインの部屋をアップグレードしてくれたのでキッチン付きのコンドミニアムのような広い部屋に泊まることに。キッチンの棚を開けたらピカピカの食器や、こんなものまで?という豊富な調理道具がびっしりと一式揃っていてビックリ(使わないが)。

 

 


 

一芳亭本店

大阪府大阪市浪速区難波中2-6-22

 

( 大阪 おおさか 難波 なんば いっぽうてい いっぽうていほんてん 焼売 しゅうまい シュウマイ シューマイ 中華料理 華風料理 近代建築 登録有形文化財 重要文化財 )

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平岡珈琲店 @大阪市中央区・本町

2022年08月27日 | 大阪府

大阪短期滞在。天気も悪いし、歩き疲れてひと休みしたのは、創業大正10年(1921)という大阪で現在最も歴史のある喫茶店「平岡珈琲店」。店は御堂筋から入ったビルが立ち並ぶ地域にある。最近まで知らなかったが、初代があの銀座の「カフェー・パウリスタ」でコーヒーとドーナツに魅了され、教えを乞うて誕生した店なのだとか。まだ御堂筋が出来る前の話だという。凄いナ。店に入ると主人とアルバイトの若い女性が1人。先客は1組。テーブルが4つほど並ぶこじんまりとした店内はカウンター席もあるようだが使っていない様子。内装は新しく造作されているので古さはあまり感じさせない。お願いしたのは「百年珈琲」と「百年ドーナツ」。物腰優しい主人が淹れてくれる。

こちらで焙煎もやっているというコーヒーが運ばれた。濃いめの色付きで苦味もしっかりとあるタイプ。グァテマラ産が主体なんだそうだ。たいていどこの店もスタンダードなメニューはバランスのとれた、言わば無難なブレンドが多いが、こちらはしっかりと特徴が出ている。ドーナツは表面が硬めの素朴なもの。開業以来変わらないという、つまりパウリスタ直伝のドーナツ。まだ温かく、旨い。甘さは少ないが、コーヒーの供としてピッタリ。外は雨がパラついてきたのでもう少しゆっくりしていようとは思うのだが、やっぱり長居出来ない性質(たち)。たっぷりの「百年珈琲」を飲み干したらすぐに勘定してもらった。次に機会があれば、シェイカーを使うという「冷製コーヒー」を是非飲んでみたいナ。(勘定は¥720)

 

 


 

↓ 店から1ブロックしか離れていない吊り庇のカッコイイ「清水猛商店」(大正13年・1923・建造)を再訪。表は重厚だが実は木造3階建て。とても綺麗に維持されているので古さを感じさせない。

 

 

↓ 北浜駅近くの「伏見ビル」(大正12年・1923・建造)。長田岩次郎設計で、当初は「澤田ビル」という名前だったそう。ホテルとして利用されたのだとか。なるほど飾り窓があったり角が丸くデザインされていたりと洒落ている。現在は商業ビルだそうなので中に入ってみればよかった…。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ 「伏見ビル」のすぐ隣にある蔦の絡まった「青山ビル」(大正10年・1921・建造)。現在はオムライスで有名な「北極星」などがテナントで入っている。地下もあるのだそう。内部の見学には許可が要るようだ。圧巻の蔦は甲子園球場から株分けされたものだそう。こちらももちろん登録有形文化財に指定されている。凄い並びだ。

 

 

 

 


 

 

平岡珈琲店

大阪府大阪市中央区瓦町3-6-11

 

( 大阪 おおさか 平岡コーヒー店 ひらおかコーヒーてん 喫茶 純喫茶 自家焙煎 近代建築 )

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ガスビル食堂 @大阪市中央区・淀屋橋

2022年08月23日 | 大阪府

今回の大阪短期滞在で唯一予約をして伺ったのが、御堂筋沿いの大阪ガスの社屋「大阪瓦斯ビルヂング(大阪ガスビルディング)」にある西洋料理の「ガスビル食堂」。昭和8年のビル竣工時からあるレストランなので89年もの歴史がある。平日だから大丈夫だろうとは思ったが、遠方なので万が一を考えて訪問の数日前に電話を入れる。しかし、なんと昼時は予約で埋まっており、訪問予定日の「13時45分からでしたら…。」とのこと。半端な時間だったが他に行けそうな日が無かったのでお願いした。

少し早く着いたのでウロウロと建物を観賞しつつビルの中に入る。エレヴェーターで食堂のある階まで上がるとクローク(写真下)があった。この階には他に一般の人が利用できる設備が見当たらないので食堂専用のクロークだろうか。行った時には稼働していないようだったが、こんな所にも歴史あるレストランの面影が残っている。

中に進むとソファーが並ぶロビーがあり、食堂の歴史を説明する写真などが飾ってあった。こちらのロビーで少し待ち、中に案内される。折しも同窓会か何かだろうか、ご高齢の方達の集まりが終わったところのようだ。他に先客は数組。レストランとして使われているフロアーは意外にもそう広くはないようだ。予約したので窓際のテーブルかと思ったが、残念ながら入口に近い席に案内された。1人だったし仕方がない。客層はさすがに年配者が多い。内装はデコ調で落ち着いているが思いのほか質素。メニューを見せてもらい、あれも食べたいこれも食べたいという品の中からお願いしたのは、”サラダ”から「ハートセロリ」、そして”一品料理”から「セルリ・オー・ジュ」、「ムーサカ」の3品と、グラスワイン(ピノ・ノワール)。

カトラリーがセッティングされ、しばらくしてからワインが運ばれる。そして1品目の「ハートセロリ」が供された。ガラスの器に氷が盛られ、その上には生のセロリがそのまま。自分がセロリ好きだし”ハート”って何だろうと選んだのだが、その姿に拍子抜け。でも後で調べてみると創業当時からの名物だそうで、当時の会長が「本物の西洋料理にセルリーは欠かせない」と種子をアメリカから取り寄せて自ら栽培したのだとか。塩でいただく。ポリポリとやっていると「セルリ・オー・ジュ」が運ばれた。こちらはセロリをフォン・ド・ボーでとろとろに煮込んだもの。うん、旨い。煮込まれたセロリは香り良く、スプーンで切れてしまうぐらい軟らかい。スープにも旨味がたっぷり。中にはベーコン片も見られる。これはメニューに”復刻一品料理”と紹介されていて、昭和初期の名物料理だったそうで「天皇の料理番」として知られた秋山徳蔵氏直伝のレシピで、当時は常連客のみに出されていたのだとか。グラスワインばかり続けるのもつまらないので「シーバスリーガル12年」をロックで追加。

そしてメインの名物料理「ムーサカ」が熱々の丸い鉄板に盛られて運ばれた。1週間かけて作るというこちら伝統のデミグラス・ソースを使った料理で、元々はギリシャ料理なのだそうだ。中には煮込まれた軟らかい牛フィレ肉、それにトマト、人参、ピーマン、茄子、マッシュルーム、カリフラワーが入っていて、周りはマッシュ・ポテトで綺麗に飾られている。仕上げはオーブンで焼かれているようだ。野菜類と合わせることもあってか、かなり濃厚なデミグラス・ソース。肉や野菜と共にマッシュ・ポテトを合わせると何とも言えず旨い。1人でいただくには結構な量もある。本当はワインなりウイスキーなりを追加したかったが、中途半端な時間に酔っぱらうと後の予定が立たなくなるのでグッと我慢(笑)。歴史あるレストランの名物料理を3品もいただけて素敵な昼食になった。(勘定は¥5,600程)

 


 

↓ 現代的なビルが並ぶ中、御堂筋沿いに独特の雰囲気を漂わせる「大阪瓦斯ビルヂング(大阪ガスビルディング)」(昭和8年・1933・建造)。今はどうなっているのか知らないが、3階分が吹き抜けた講演場や、美容室や喫茶、グリル、そしてもちろんガス関連の展示施設や教室などがあったのだそう。戦争中は空襲に備えて外壁を真っ黒に塗装したのだとか。国の登録有形文化財にも指定されている。

 

 

 

 

 

ガスビル食堂

大阪府大阪市中央区平野町4-1-2

 

( 大阪 おおさか ガスビル 大阪ガス 大阪ガスビルディング 洋食 レストラン 西洋料理 近代建築 登録有形文化財 )

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串かつ松葉 @大阪市北区・梅田

2022年08月20日 | 大阪府

梅田駅至近の飲食街「新梅田食道街」。いつか寄ってみたいと思っていたが、今回は少し時間が出来たのでやっと叶うことに。地下鉄御堂筋線の梅田駅で降りて地上に上がる。場所は全然知らなかったのでどこなんだろうと見回すもよく分からない。その場でスマホを取り出して検索するも自分の立っている場所を指している。「?」となっていたが、歩みを進めてすぐに分かった。自分は阪急から出てきたのですぐ横のガード下がその食道街なのだった。足を中に踏み入れるとびっしりと小さな飲食店がひしめきあう夢のスポット(笑)。まだ日が高いが構うことはない。すぐに呑める店をと入ったのは串かつの「松葉総本店」。創業は昭和24年(1949)。暖簾をくぐるとすでに杯を空けている客が何人も。頼もしいなァ。さっそく自分もカウンターに向かって立ち「ハイボール」をお願いした。中では白い半袖の調理服を着た若い衆やおばちゃんが何人も。目の前のステンレスのバットにはすでに揚げ上がったタネが沢山並んでいる。周りを見回してもそこから取っている客は誰も居ないようだったので、品書きから「牛肉」と「れんこん」をお願いした。若い衆がバットから該当品を取って奥に持っていく。揚げ直してくれるようだ。混み合って来て揚げ立てが置かれるようになるとそこから勝手に取るんだろう。

早速運ばれた「ハイボール」はジョッキでレモン入り。こちらはビールも他の酒もサントリーのようだ。蒸し暑い中を歩いてきたので喉には嬉しいが、後から汗が出て困る。しばらくして揚がった品が大きなボウルに入れられて、こちら○○、こちら✕✕と△△、と順番に配られる。関西だけあってこちらの串かつの基本は「牛肉」。少し甘味のある細かい衣を纏っていて、ひと口でいけるサイズ。ソースに浸してからパクッとやる。ウメー。ソースは少し酸味強めのもの。生キャベツを間に挟みながら、こういう串物で一番好きな「れんこん」も続けて口の中へ。もう少し湿度が低ければ大きいビールをやってから他の酒に移行するが、まだ予定があるのでどうしても後で歩いた時の滝の汗を想像して控えてしまう情けなさ。追加は「紅生姜」と「えび」。これも揚げ直ししてくれ熱々を頬張った。昼間っから開いているこういう店がひしめきあう「新梅田食道街」。ここが家や職場の近くだったら身を壊すこと間違いなし(笑)。(勘定は¥1,000程)

 

 

串かつ 松葉 (松葉総本店)

大阪府大阪市北区角田町9-20 新梅田食道街

 

( 大阪 おおさか 梅田 うめだ しんうめだしょくどうがい まつば まつばそうほんてん 串かつ専門 立ち呑み 立ち飲み 串かつ 串カツ )

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高岡福信 @大阪市中央区・肥後橋

2022年08月16日 | 大阪府

大阪船場の道修町(どしょうまち)は江戸時代から薬の町として知られていて、薬問屋や薬品会社が150軒もあるのだとか。そんな会社の立ち並ぶ地域でひっそりと店を構える和菓子の「高岡福信」。創業は寛永元年(1624年)というから400年近い長い歴史を持つ店。店の紹介には”大阪城内の寄人として豊臣秀吉公の御膳預りを勤めその経験を元に、寛永元年(1624年)土佐堀船町(現江戸堀)の北船場の地で菓子業を開始し、五代目文左衛門に至り京都禁裏の御用を承るに及び… ”とある。す、凄い…。その歴史とは裏腹に小さな店には寛永通宝が掲げられ(写真下2枚目)、屋号の看板には「浪花最古の創業」とある。

ガラス木戸を開けて中に入ると小さいガラス・ケースがあるのみ。その中や上にこちらの菓子がぎっしりと並べてある。酒饅頭が有名と訊いたので探すが見当たらない。年配の主人に尋ねると酒饅頭の販売は6月までで(訪問7月)、次は10月から作り始めるのだとか。残念。そこで別の品をと思案するも、あまりありきたりな品をわざわざ持ち帰っても仕方がない。すると「鶏卵素麺」と書かれた細長い箱に目がいった。「鶏卵の…、素麺?…」。1棹お願いする。

2週間程日持ちするので家に持ち帰り、開封して妻と賞味。箱の中には黄色く長い麺が入っている。原材料は鶏卵と砂糖のみ。包みから出して短くカットしていただく。しっかりと甘いが素朴な味。そりゃ原材料が2つだけだものな。少しジャリッとするような食感があるのは砂糖が結晶化しているのだろう。麺状なので口当たりが面白い。和菓子という認識で食べていて「コーヒーとかの方が合うかもね」なんて話していたのだが、後から調べてみて納得がいった。この菓子、元々は安土桃山時代に南蛮貿易でポルトガルから伝わった菓子だという。砂糖蜜の中に卵黄を流し入れて麺状にするのだとか。現在では近くの「鶴屋八幡」の他、京都で1軒、福岡で2軒ほどが扱っているだけだという。そんな歴史的な菓子をいただけて良かった。(勘定は¥1,100)

 

 


 

↓ 国の登録有形文化財に指定されている「北野家主屋」(昭和3年・1928・建造)。探して行った訳ではなく、店に向かう途中で偶然見つける幸運。御堂筋近くの路地にあり、木造3階建て。両側に”うだつ”も上がっているし、各所に銅板が使ってあるので防火に苦心して建てられたのだろう。元々は商家だったそう。

 

 

↓ 現代的なビルの間に忽然と現れる「日本基督教団 浪花教会」(昭和5年・1930・建造)を再訪。ヴォーリズ建築事務所による設計。残念ながら今回も中を観ることは叶わず。

 

 

↓ 「浪花教会」に並ぶのは辰野金吾設計の「旧・大阪教育生命保険」(明治45年・1912・建造)。昨年まで「オペラ・ドメーヌ高麗橋」という結婚式場として使われたが閉業したそうだ(まだ看板は残っている)。この奇跡の並びは残ってほしいなァ…。

 

↓ 歩いていて「塩野義製薬(SHIONOGI)」の本社前を通ったら、前代の建物の一部が残されているのに気付いた。朝鮮総督府等を設計した野村一郎が設計したもので大正13年(1924)に竣工したものだそう。よく見ると後ろの現在のビルも柱のデザインは以前のデザインを踏襲しているのが分かる。

 

 


 

 

御菓子司 高岡福信

大阪市中央区道修町4-5-23

 

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夫婦善哉 @大阪市中央区・難波

2022年08月12日 | 大阪府

以前に大阪の中心部を歩いた時にも入ろうか迷って結局見送っていた法善寺横丁の「夫婦善哉」へ。今にも雨が降りそうな蒸し暑い中を歩いて、狭い横丁を東側から「前も通ったなァ」と通り抜け、境内の西の入口にある店へ。前に来た時もこんな新しい雰囲気の店だったかしら。創業は明治16年(1883)。元々は「お福」という名の店だったそう。でも履歴を調べてみるとずっと一子相伝という訳でなく幾度も経営者は変わっており、現在はなんと「和食さと」の「サトフードサービス(株)」が経営しているようだ。なんでも創業者が昭和39年に暖簾を継いだのだとか。知らなかった。店内は小さなテーブル席が5つほどとこじんまり。壁には訪れた芸能人のサインや写真が所狭しと飾られている。女性店員が1人だけでやっているようだ。最初は当然「夫婦善哉」をお願いしようと思っていたが、蒸し暑い中を歩いて来たので「冷し善哉」に変更してお願いした。

熱いお茶の後に「冷し善哉」が運ばれた。こちらの定石通り2椀に同じ白玉の浮いた善哉が盛られている。”2杯のお椀に分けた方がたくさん入っているように見える”と考えたのだそう。そういえば閉店してしまった東京・根岸の老舗「笹乃雪」も名物の「あんかけ豆富」は同じものが2つ出てきたな。さっそく口にすると予想していたよりも甘さは控えめですっきりとした口当たり。旨い。べとつく汗をかいた不快指数の高い中、するっと口に冷たい善哉が入るのが気持ちいい。甘さは温かいものも同じなのかな。添えられた口直しの塩昆布もいい感じ。1椀の量は控えめなので、食べられるかなと心配した2杯も軽くお腹に収まった。(勘定は¥815)

 


 

↓ 今にも雨が落ちてきそうな「天龍山 法善寺」(寛永14年・1637・開基)の入口。境内の細い横丁の石畳の通りには飲食店がひしめきあう。

 


 

 

法善寺 夫婦善哉

大阪府大阪市中央区難波1-2-10

 

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スエヒロ @大阪市中央区・淀屋橋

2022年08月08日 | 大阪府

店内飲食を中止していた「吉野鯗」に振られてから向かったのは、1ブロック離れた平野町にある「ビフテキのスエヒロ」。創業は明治43年(1910)とのこと。前身は「弘得社」という洋食屋だったようだ。本店は「永楽町スエヒロ」ということでいいのかな。暖簾分けした屋号が全国に広がり、肉といえばスエヒロというイメージがあるほどだが系統も色々あるようで、こちらは「スエヒロ会」という本筋の系統のようだ。梁の見える年季の入った店内。すぐに石焼のグリルの付いたテーブル席に案内された。自分はメニューを把握していなくて、焼いてもらったビーフステーキを食べられるものだとばかり思っていたので「自分で焼くんですか?」と訊くと「ハイ。」と返事が…。昼は有無を言わさず”牛肉石焼”になるのかな。仕方がないので、とりあえず瓶ビールと「ロース石焼・150g」をお願いする。

石板の組み込まれたグリルが点火され、フレンチドレッシングがかかったサラダと平皿に盛られた肉と野菜、そしてご飯が届く。まずはビール(スーパードライ中瓶)をグイッと。雨が近く蒸し暑い日だったので殊のほか旨く感じる。届いた2枚分のロース肉はカットされていて、野菜はじゃがいもとピーマン。焼肉スタイルでいただく。さすがに肉質は良さそうなのでまずは軽めに焼いてみた。漬けだれは無く、辛子醤油のみで食べるのだがシンプルなだけに殊のほか肉質が肝要。うん、旨い。多めのご飯もどんどん進むさすがに旨い肉だった。でも次に機会があればやっぱりプロフェッショナルの腕で焼いてもらったステーキをいただきたいナ。(勘定は¥3,000程)

 

 


 

↓ 戦前は花嫁学校だったという「芝川ビル(旧・芝蘭社家政学園)」(昭和2年・1927・建造)を再訪。時間の関係で玄関口にちらっと入った程度でゆっくりと観賞は出来なかったが、やはり現役のビルは素敵。今回は近代建築巡りは予定に入れていなかったので、たまたま道中目に付いた建物を眺める程度。プリントアウトした地図を片手に巡った前回と違ってスマホの地図アプリが便利に進化しているので次はちゃんと予定を組んで巡りたい。

 

 

 

 


 

 

平野町 ビフテキのスエヒロ (平野町スエヒロ)

大阪府大阪市中央区平野町3-2-5

 

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吉野鯗 @大阪市中央区・淀屋橋

2022年08月05日 | 大阪府

スティック・メン(Stick Men)の来日公演で大阪へ。それに合わせて休みを取って大阪での短期滞在。大阪の中心部を歩き回るのは2015年以来だから、何と7年振り。東海地方からだとさほど遠くないのでもう少し頻繁に訪れたいが、仕事の都合やコロナ禍等でなかなか予定が組めなかった。

難波に到着後、まずは休憩がてら目当てのある喫茶店へ行ったのだがいきなり臨時休業で振られた。その後に御堂筋線で向かったのは、淀屋橋の創業天保11年(1841)という凄い歴史のある大阪寿司の「吉野鯗(すし)」。この”鯗”という字は本来魚偏が付き、飯の上で発酵させた魚の意だそう(ただし普通に「吉野寿司」とも表記するようだ)。店はオフィス街の中のビルにあり、開店してすぐの時間に到着。女性店員に1人と告げるも、無情にも「今は店内飲食はやっていない」とのこと。えーっ…。折角わざわざ遠くから訪れたのに、HPとかあるんだからそういう大事なことはちゃんと記述しておいて欲しいなァ…。残念。これで帰るのもアレなので急遽箱寿司を買って持ち帰ることに。ただ、まだ予定があるので大きな荷物は持って歩きたくないし、賞味期限が2日程度らしいので、どうしたって宿泊するホテルかどこかで食べることになる。明日の朝食にでもするか…。選んだのは一番小さい包みのもので6切れの箱寿司が詰められた「箱一枚」というもの(写真下)。注文を入れてから奥の調理場に声を掛けていたのでその場で作るようだ。少しだけ待って包んでもらったものを受け取り店を出た。

結局この寿司をいただいたのは翌日の朝、ホテルの部屋で。いつも遠方に出かける時にはホテルの朝食は予約しないか、チケットをもらっても無視して使わず外に出掛けるので、今回も朝食にしていただくことに。包みを解いて綺麗に並べられた寿司をひとつづつ賞味。内容は、焼穴子、海老と厚焼き玉子、木耳・鯛・海老、小鯛。時間が経ったからか、どれもしっかりと落ち着いていて味わい深い。穴子や小鯛に挟んである椎茸や焼き海苔がいいアクセントになって口に入る。しみじみと旨い。ホテルの冷蔵庫に入れておいた冷えた緑茶でいただいたが、これは熱いお茶で頂きたかったな。店内での飲食は今後再開されるのかどうか知らないが、いつかこちらの棒寿司や蒸し寿司も食べてみたいものだ。正月用に取り寄せてみようかな。(勘定は¥1,628)

 


 

↓ 店からほど近い交差点に建つ丸窓やアーチ窓のあるビル「ローズプラザ(旧・板谷歯科医院)」(昭和元年頃・1925・建造)。コンクリート壁の前側とタイル壁の後ろ側で仕上げが変えてあるのが珍しい。もう少しゆっくり観賞してみたかった。

 

 


 

 

吉野鯗 (吉野寿司本店)

大阪府大阪市中央区淡路町3-4-14

 

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あほや 住道店 @大阪府大東市

2020年10月06日 | 大阪府

大阪府大東市の住道駅近くのたこ焼き屋「あほや住道店」へ(何という店名…・笑)。野暮用があって行って用事を済ませたら帰ってくるだけというとんぼ帰りの行程。大阪府内のコロナ感染状況は第2波の真っ只中(訪問8月)とあって、万が一を考え店舗内での飲食は避け、昼食は持ち帰りで済ますという悲しい旅程。本当は行きたい店が山ほどブックマークしてあるというのに…。日差し強く、おまけに低気圧接近による湿度の高さもあって不快指数はグングン上昇。歩いていても汗がダラダラと落ちてくる。店の前に立つと店員のお兄さんは頭にタオルを巻いて鉄板と格闘中。「暑くて大変ですねー。」と言うと「もうダメです…。」と本音が(笑)。注文したのは「たこ焼・8個」を家族分と”あほや名物”「ぺちゃ焼」なるもの。銅製のたこ焼器は丸穴も大きめ。そこで焼いたたこ焼を3-4個、玉子を焼いた鉄板に投入し、半折りにしてたっぷりソースをかけて「ぺちゃ焼」も完成。袋に詰めてもらった。

経木の皿と透明パックに盛られた「たこ焼」の自分の分は”しょうゆ”でお願いしてある。なんでも”自家製ブレンド醤油”なのだとか。青海苔と鰹粉がかかっており、マヨネーズも訊かれたが抜いてもらっている。焼き器の型が大きめだったので1つも大きめ。爪楊枝2本を駆使していただく。とろっとした中身はシンプルに出汁が効いていて旨い。香ばしい醤油の風味。「ぺちゃ焼」は玉子、たこ焼、チーズ、ソースと層になっていて半分に折ってある(こちらもマヨネーズは抜いてもらった)。こちらは箸でいただく。味は作っている過程を見ていたので想像通りだが、ソースがかなり濃く、たっぷりと使ってあるのでよく分からない(笑)。その名の通り”ペチャッ”っとしたソース味のたこ焼という感じだ。これにはビールが必要…。家族の分を見ると、こちらの店はマヨネーズをたっぷりかけるのが特徴のようだ。嫁は「たこ焼」だけでお腹が膨れてしまったそう。(勘定は¥1,800程)

あほや 住道店

大阪府大東市氷野1-16-1

 

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丸正餃子店 @大阪府大東市

2020年05月02日 | 大阪府

大阪府大東市での短期滞在。以前からこちらには有名な餃子屋があると聞いていた。何でも予約なしで飛び込むと断られることもあるくらいの人気だとか。なので最初は予定に入れていなかったが、ちょうど大東市を発つ時間が店の開店時間と合うことが分かったので、予約を入れて店でちょっと食べてから帰路につこうと画策。その店「丸正餃子店」は住道駅の北にある。自転車で店の前を通ったが小さな店だ。予約開始の午後3時過ぎに電話を入れる。店は5時からだそうなのでその時間に予約を入れる。その時点で何人前かを訊かれるので2人前と持ち帰りを3人前お願いした。「5分前頃には店に…」とえらく厳密なお達し。よほど客が殺到するのかな。

時間になって店の前まで来たが暖簾が出ていない。そんな店の戸を開けるのは勇気が要るが、宅配の人が店に入ったついでに店を覗くと何ともう先客が(結局営業時間を過ぎても暖簾はかからなかった)。既にL字のカウンター席に小皿と箸が用意してある。名前を告げて着席。カウンター席のみなので座れるのは10人程かな。中には焼き担当の男性1人と若い衆が3-4人。普段はもっと多いのだそうだ。若いのは話をしながら和気あいあいと餃子を包んでいる。これから車なので仕方なしに「ノンアルコールビール」を注文。「ピッタリの時間に…」とか言われていたので座った途端に餃子が出てくるのかと思いきや、少し待ちの時間。その間にも持ち帰りの客が次から次へと中に入ってくる。20人前とか当たり前のように買っていく人が多い。

ノンアルを渋々グイッとやった頃に「餃子」が登場。店で飲むノンアルコールビールってビールの代わりなのにどうしてこうも瓶が小さいんだろう。面倒くさいからノンアルの大瓶ってないのかな…。閑話休題。1人前は8個。綺麗に焼き目がついた餃子は2列に並んでいる。かなり薄皮でやや小さめ。くっついて焼かれているので引き剥がすとどうしても皮が破れて餡が出てしまう。小皿にタレを入れてちょんと付け、口に放り込む。中の餡はとろっとしていてキャベツとニラだけかなと感じるくらい肉気が少なく、あっさり。軽い。壁に貼られた紙短冊には「餃子」と「ビール」しかなく、ライスさえ無いのだが、これは確かに”酒のつまみ”といった感じ。店の人に勧められたラー油も入れてみたが、苦味もあってこの優しい味の餃子には強すぎて合わないので、卓上に用意してある”たれ捨て”容器に捨て(←そういうのが用意してある)、タレだけに戻した。餃子を箸で摘むたびに崩れてしまうのがもどかしい。パクパク食べていってもまだ5人前位いけそう。注文数が多いのも頷けるなァ。追加も出来るようだが、どうせこれから車で帰らないといけないのでと切り上げて勘定してもらい、ビニール袋に入った持ち帰りの3人前を持って店を出た。さてとこれから長距離ドライブ。(勘定は¥2,200程)

 

 


 

↓ 住道駅の北西の路地にあった変わった建物(建築詳細不明)。下宿だろうか(未確認)。玄関口のガラスには”パレス”と書かれている(笑)。建物の大きさや戸袋の装飾からすると転業かも。

 

 


 

丸正餃子店 本店 (餃子の丸正)

大阪府大東市三住町1-35

 

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