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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

TETSU / 山内テツ

2019年09月18日 | ロック(日本)

TETSU / 山内テツ(1972)

70年代のブリティッシュ・ロックを代表するバンド、フリー(Free)とフェイセズ(Faces)。その2つのバンドに正式なメンバーとして在籍した日本人が居るというのは今考えてみても物凄いこと。ベーシスト、山内テツ。元々はミッキー・カーチスらと活動していて、来日していたフリーのメンバー、ポール・コゾフ(Paul Kossoff)とサイモン・カーク(Simon Kirke)と意気投合して渡英。1972年に彼らにラビット(John Bundrick ※後にザ・フーの準メンバー)を加えた4人でアルバムを制作。そしていよいよ再結成フリーに正式参加。後にフェイセズに参加。もう、とんでもない略歴だ。フェイセズが一時の再結成をするようだと話題になった2000年代に、ひょっとして山内テツも呼ばれるんじゃないかと思っていたけれど、結局その話自体がお流れになってしまい、後にロッド(Rod Stewart)抜きの中途半端な形でツアーを行ったりした時も呼ばれることはなかった。自分が山内テツの演奏を聴いたのはロッド・スチュワート&フェイセズ名義のライヴ・アルバム「Coast To Coast」(ジャケ下左)と、あのキース(Keith Richards)も参加したフェイセズの解散コンサートのVHSビデオ、そしてボックス・セットに入っていた彼の参加曲ぐらいだが、しっかりと馴染んでぶっとい音を出している彼の演奏を聴くと、やはり誇らしい気分になる。

今回購入したのは1972年に発売された彼のソロ・アルバム。自分は有名バンドに参加して凱旋後に作ったアルバムとばかり思っていたが、正確にはこの後に再結成フリーに参加したということでいいのかな(未確認)。先述の4人名義のアルバムと発売年が同じだが、参加しているのは成田賢、大野克夫、原田裕臣ら日本勢中心。音楽的には当時から流行り出したフュージョンっぽい音で、決してイキのいいロックンロールではないけれど、自分の好きなジャズ・ファンクの要素が入っていて、大野、原田ら当時「井上堯之バンド」に所属していた参加メンバーを見ると納得する感じ。特にベースの音が強く表に出ている曲ばかりという訳ではないので、リーダーとしての”山内テツらしさ”というのがここに充分表現されているのかどうかは分からないが、なかなか気持ち良く楽しめるアルバムだ。ただジャケは何とも…(笑)。 今、何やってるんだろう?

オークションにて購入(¥525)

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Live '72 -三田祭- / 村八分

2019年09月04日 | ロック(日本)

Live '72 -三田祭- / 村八分 (2000)

山口冨士夫が在籍した伝説のバンド「村八分」のライヴ音源を収録したCD。1972年の慶應大学の三田祭での録音。ヴォーカルのチャー坊(柴田和志)は日本ロックの黎明期にあって歯に絹着せぬ物言いや振る舞いなど、当時から規格外だったようで様々な逸話を残している。自分が彼らを初めて気にしたのは、ストーンズの69年のライヴ盤「Get Yer-Ya Ya's Out」の名演「Midnight Rambler」のブレイク部分で「カッチョイー!」と(聞こえる)叫び声をあげたのが、当時アメリカに居たチャー坊だったという逸話を本で目にした時。どうもガセだったらしく後に本人が否定したらしいが(ただし他の日本人説あり)、「とんでもないバンド名だなァ」と心に留まった。当時から山口冨士夫の名は知っていたが、村八分の音源を探そうにも今のようにすぐに手に入る時代でもなく(ネット環境無し)、随分長い間、音源どころかバンドやメンバーの当時の写真さえ満足に探すことが出来なかったのを記憶している。彼らはいわゆるスタジオ録音アルバムというのも残しておらず、唯一の正式発表されたアルバム(当時)もライヴ録音(←高くて買えなかった)。

さてこのライヴ音源。音質は海賊盤並みの酷さで、楽器の分離やヴォーカルの機微など分かりようも無いが、そこがまた迫力を増している。チャー坊(柴田和志)のがなりたてるようなヴォーカルは荒々しく決して上手いものではなく、はっきり言って歌えていないが、客に悪態をついたり、がなりたてたりとアティチュードは誰よりもロック。ましてやまだフォーク全盛と言ってよかった日本では異端だったろう。彼らは残っている動画も少ないが、チャー坊のファッションやスタイルはミック・ジャガー(Mick Jagger)を彷彿とさせる(腰に手を当てて歌う姿はもろにミック)。音楽的には何といっても山口冨士夫のギターがスゴイ。ザクザクと刻む歪んだ音は骨太で、当時こんな分厚いギターを弾くロッカーが日本に居たというのが信じられない。写真などで見るハーフの彼の風貌も、絶対に目を合わせたらヤバいタイプで(笑)、迫力満点。このアルバムを購入したすぐ後に、新しく発掘されたテープを使用したリマスター盤が発売されることを知った(新旧聴き比べはこちら)。

オークションにて購入(¥740)

  • CD  (2000/10/24)
  • Disc : 1
  • Format: Live
  • Label : GOODLOVIN'PRODUCTION
コメント (2)
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喜納昌吉&チャンプルーズ

2019年08月21日 | ロック(日本)

喜納昌吉 & チャンプルーズ (1977)

「ハイサイおじさん」で有名な喜納昌吉&チャンプルーズのデビュー・アルバム。「ハイサイおじさん」を初めて聴いたのはいつだったかしっかり覚えていないが、何かのテレビ番組じゃなかったかな(久保田麻琴のヴァージョンではなかった)。当時は能天気な酔っ払いの歌くらいにしか説明されておらず、その独特なリズムや音階、女性の掛け声(囃子)が単に気持ちの良い音楽という認識しかなかった。すぐに志村けんの「へんなおじさん」のフレーズが席巻してしまったので、その元歌ぐらいにしか捉えられていないけれど…。最近ある文献を目にして、この「ハイサイおじさん」は実在の人物をモデルとしていることを知り、その背景がえらく衝撃的だったのでアルバムごと聴いてみようという気になって購入。その背景を某ペディアから一部引用すると…

”この「おじさん」はかつて喜納家の隣人であったが、妻が精神に異常をきたして実の娘の首を切り落とし鍋で煮るという事件を起こしたために村八分同然の身となり、以前から交友のあった喜納家に酒を無心に来るようになったのだという。この孤独な「おじさん」との触れ合いの中で「おじさんに歌を作ってあげよう」と思い立った昌吉が生まれて初めて作詞作曲したのがこの「ハイサイおじさん」である”

元々はマルフクレコードという地元のレーベルから「喜納昌吉と喜納チャンプルーズ」名義で発売されたそうで、そちらはここに収録されたものよりスローテンポで、より沖縄音楽らしいゆったりさがある。その後にテレビなどで観た喜納のライヴ映像などでは、大抵このアルバムに収録されたものよりももっとハイテンポにアレンジされており、何だか馴染めなかった覚えがある。

アルバムに収録された曲は基本的に沖縄・コザの「ミカド」という喜納自身のライヴハウスで録音されたものだそうで、それに矢野誠(音楽プロデューサー、矢野顕子の元夫)が、シンセサイザー等を加えてまとめあげた物のようだ。その加えられた部分のクレジットを見てびっくりしたのだが、キーボードでは矢野顕子、ドラムでは林立夫、ギター井上憲一、シンセ・プログラムでは松武秀樹らが参加している(ティン・パン・アレーにYMO!)。

ライヴ音源を元にしているが、喜納昌吉の飄々としたヴォーカルと、全体的には緩いのにも関わらず一体感のあるバンドとの掛け合いが素晴らしい。それに沖縄音楽に欠かせない女性バックヴォーカルの”囃子”(正確には何と言うんだろう)がやはり素敵。歌詞は沖縄ことばの部分は正直全然意味が分からず、対訳を読まなければならないが、何となく流れで分かるものもある。社会風刺的な歌詞も多く、当時の首相(田中角栄)の名が出てきたり(04)、東京の都会を揶揄する曲(10)がボーナス収録されたりしている。沖縄の三線の音色と特徴的な音階の音楽を聴くと、本土とは違う諸外国との歴史的関係、戦場になって占領されたという悲しい歴史と、実際に行った時ののどかな風景とのギャップを思い起こしていつも複雑な気分になる。喜納がこの後どんな音楽を作ったのかちょっと興味が沸いてきた。

オークションにて購入(¥670)

  • CD  (1994/6/25)
  • Disc : 1
  • Label : 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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ジャックスの世界 / ジャックス

2019年07月16日 | ロック(日本)

ジャックスの世界 / ジャックス (1968)

ジャックスを初めて聴いたのはまだ学生の頃かな。確か当時はまだオリジナル・アルバムは廃盤のままになっていて再発されていなかったはず。有名な「からっぽの世界」と「ラブ・ジェネレーション」だけ日本のロックを特集した「 Let the 70’s Die」という編集盤で聴いたのが初めてだった。再発されなかったのは歌詞に「唖(おし)」という禁止用語が入っていたからだという。


 

「からっぽの世界」 作詞・作曲 早川義夫

 

 僕、唖(おし)になっちゃった

 何も話すことできない

 僕、寒くなんかないよ

 君は空を飛んでるんだもの

 僕、死にたくなんかない

 ちっとも濡れてないもの

 

 静かだな 海の底 

 静かだな 何もない

 

 僕、涙枯れちゃった

 頭の中がからっぽだよ

 僕、甘えてるのかな

 なんだか嘘をついているみたいだ

 僕、死んじゃったのかな

 誰が殺してくれたんだろうね

 

 静かだな 海の底 

 静かだな 何もない

 


この世界観と詩に若造(当時の自分)はびっくり。こんなスゴイ歌詞の日本語ロックが60年代にあったんだとぶっ飛んだ。でも結局当時オリジナル・アルバムを聴くことは叶わず、再発されていることも知らないままに長い年月が過ぎ…。たまたまオークションで見つけて「あぁ、ジャックスか、昔ちょっとだけ聴いたナ…」という感じで手に入れたのがこのCD。

早川義夫のヴォーカルは決して上手くはないけれど、60年代末のアート・ロックやサイケデリック・ロックと呼ばれたジャンルを通過したバンドとしての方向性はしっかりと形作られている。全体的に音が暗いのは当時の世相(ベトナム戦争、学生運動など)もあったろうし、音楽界の流行もあったろう。ジャックスがドアーズ(The Doors)やヴェルベット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)に例えられるのはずっと後年の評価だとは思うが、今聴いてみてもやっぱり面白い日本語のロック。

この頃の日本のサイケデリック・ロックは意外と外国でも評価が高いそうで海外にはコレクターも居るらしい。フォークからロックへと移行していく様は英米ロックに追従しているようだが、(日本の)ロック黎明期にあってなかなか個性的なバンドが多く、見た目の先入観を除くと演奏もなかなかのもの。誰かのインタビューで当時の日本のギタリストはチョーキングさえ知っている人は少なかった、なんていう証言を読んだ記憶があるが、レコードを聴く限り英米の(当時)気鋭のバンドと比較しても演奏は意外なほど見劣りしないし、色々なアイデアもあって面白い。

ジャックスも当時はあまり売れなかったそうだが、後のミュージシャンでジャックスや早川義夫の影響を語る人は多かったと記憶する。初めて「からっぽの世界」を聴いた時の何ともいえないザワザワとした気分は今聴いても変わらなかった。次はこれも名盤と称えられる早川義夫のソロ作「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」を買ってみようかな。 

オークションにて購入(¥480)

  • CD  (1998/3/18)
  • Disc : 1
  • Label : EMIミュージック・ジャパン
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俺たちのメロディー2 / Various Artists

2018年10月19日 | ロック(日本)

俺たちのメロディー2 / Various Artists (2002)

 ちょっと前にこのシリーズのパート3を手に入れていて、1と3があって2が無いのも…という訳で2も購入(←こういう事してるからCDが増えていくばかり…)。こういう懐メロは、放映当時に自分が観ていたものは気分がアガるが、そうでないものは静観という感じになる。時代の音だからちょっと気恥ずかしいものがあったり、選曲に物申したいものもあるが…、何やかんや言ってどれも懐かしく、しっかりと楽しめた。やっぱり自分の好みは大野克夫や井上堯之の演奏するインスト曲。当時は”グルーヴィーなジャズファンク”なんていう概念ではもちろん聴いていなかったが(小学生だし・笑)、こうして今聴き返すと70年代の本家米国のジャズファンクに勝るとも劣らないクオリティに驚く。実はこのシリーズ、パート5くらいまであるようだが(多分もう買わない)、とりあえずパート1から3までの中で自分の好きな曲をピックアップしてアルバムにし、携帯音楽プレーヤーに放り込んだ。うん、これならストレス無し。

01 「西遊記」 MONKEY MAGIC (ゴダイゴ)
02 「西部警察」 西部警察メインテーマ (ザ・ホーネッツ)
03 「太陽にほえろ!」 ジーパン刑事のテーマ (大野克夫,井上堯之バンド)
04 「ルパン三世」 SUPER HERO (You&The Explosion Band,Tommy Snyder)
05 「ルパン三世」 ルパン三世 愛のテーマ (You&The Explosion Band,水木一郎)
06 「大都会PART2」 大都PART2テーマ (GAME)
07 「太陽にほえろ!」 山さんのテーマ (大野克夫,井上堯之バンド)
08 「太陽にほえろ!」 愛のテーマ (大野克夫,井上堯之バンド)
09 「高校サッカー」 ふり向くな君は美しい (ザ・バーズ)
10 「おれは男だ」 さらば涙と言おう (森田健作)
11 「プロハンター」 ロンリー・ハート (クリエイション)
12 「誇りの報酬」 想い出のクリフサイド・ホテル (中村雅俊)
13 「俺たちの朝」 俺たちの朝 (松崎しげる)
14 「天まであがれ!」 男の勲章 (嶋大輔)
15 「太陽にほえろ!」 太陽にほえろ!メインテーマ(BB Mix) (大野克夫,井上堯之バンド)

オークションにて購入(¥700)

  • CD (2002/6/26)
  • Disc : 1
  • Label : カルチュア・パブリッシャーズ
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音楽殺人 / 高橋ユキヒロ

2018年02月19日 | ロック(日本)

音楽殺人 / 高橋ユキヒロ (1980)

テクノ・ポップ全盛の1980年に”高橋ユキヒロ”名義で発表された高橋幸宏のソロ・アルバム。いかにも当時のニュー・ウェーヴらしいジャケットが微笑ましい。80年といえばYMO(Yellow Magic Orchestra)はあの「増殖」を発表した、飛ぶ鳥を落とす勢いのあった時期。自分は小学生だったが、しっかりハマっていた。ただし小遣いの少ないガキにとっては、当時2,000円から2,800円したLPレコードを頻繁に購入することなどもちろん出来ず、YMO本体は何とか購入していたものの、ソロ作品までは網羅出来ず、泣く泣く諦めてそれらは”FMエアチェック”(死語)という前時代的な方法にてカセット・テープで音源だけを所有していたのだった。しかも日立マクセルやソニーなどの一流メーカーのカセット・テープはなかなか買えず、当時ユニー(現ピアゴ)という中部地方のスーパーで売っていた廉価版のテープを使用していた(涙が出てきた…笑)。だから曲順はバラバラだったり断片的だったりして、アルバムをしっかり1枚聴いていた訳ではない。

その後、自分の中にも色々なブームが来ては去っていき、当時買いたかったこのアルバムの事はすっかり忘れていたが、中古店の棚で見つけて、にわかに聴きたくなり購入。参加しているのはYMOのメンバーをはじめ、作詞はYMOではお馴染みのクリス・モスデル(Chris Mosdell )、他にも演奏やコーラスで、大村憲司、松武秀樹、鮎川誠、SHEENA、浅田孟、SANDII、立花ハジメ、久保田麻琴などあの周辺のアーティストが勢揃いといった感じ。YMOほどテクノではないのだが間違いなく当時の音がしていて、YMOで唯1人歌えたユキヒロのあの独特な発音と抑揚のヴォーカルをたっぷり聴くことが出来る。当時一世を風靡していたツートーン・スカ風味のリズムが多用され、モータウンの名曲「Stop In The Name Of Love」もスカっぽい雰囲気にアレンジ。とても軽快で心地良い。そこかしこにYMOでも採用されたアイデアが散りばめられているのでファンには堪らない。小学生の時に聴いておくべきだった…。

中古店にて購入(¥750)

  • CD (1995/11/22)
  • Disc : 1
  • Label : キングレコード
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Chicken Zombies / thee michelle gun elephant

2017年11月15日 | ロック(日本)

Chicken Zombies / thee michelle gun elephant (1997)

ミシェル・ガン・エレファント(thee michelle gun elephant)のサード・アルバム。端々にクラシックなロックの影響が強く伺える彼らだからか、ジャケットはブルー・チアー(Blue Cheer)を彷彿とさせる(というかコピー)。オッサンの自分は彼らを後追いで聴いたのだけれど、最初に聴いたのが何かのコンピ盤(コレだったか…)に入っていたこのアルバム収録の「Get Up Lucy」だったと思う。素晴らしいカッティング・ギターとヴォーカルのしゃがれ声(何度聴いてもカッコイイ)。後から映像を見たら思いのほか線が細くてベビーフェイスだったけれど、音的にはとても気に入って中古でマキシ・シングルを見つけて購入した。

収録曲は粒揃いで、やはり勢いがあってなかなかいい。素直にルースターズ・ライクなロカビリーの影響も受けたシンプルなロックンロール。こういう音楽だとある程度の”ポップさ”が無いとアルバム1枚聴くのは辛いものだが、ここでは勢いある演奏と曲のポップさがしっかりと同居していて、アルバムとしてのクオリティーも高い。粋がっていてちょっと気恥ずかしくなるような、勢いまかせ、若さまかせの言葉選びも彼らの特徴のひとつだと思うが、それはここでも健在。後追いだったから当然年下の奴らだろうと思っていたが、メンバーが自分と同世代だと知ってビックリ。

中古店にて購入(¥250)

  • CD (2000/7/29)
  • Disc : 1
  • Label : コロムビアミュージックエンタテインメント
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メシ喰うな! / INU

2017年08月05日 | ロック(日本)

メシ喰うな! / INU (1981)

当時19歳の町田町蔵(現・町田 康)率いるINUの唯一のオリジナル・アルバム。まずジャケットのインパクトが素晴らしい。この面構え。日本のパンクを語る場合に必ず挙がる1枚だが、自分は今までアルバムを保有しておらず、今回初めてこのCDでアルバムを通して聴いた。ジャケットの印象や今までの情報から、もっとパンク然とした音なのかなと思いきや、どちらかというとその少し後のニューウェーヴ、ポストパンク的な音触り。リアルタイムから少し遅れて「東京ロッカーズ」(フリクション、LIZARD、S-Ken等)を聴きまくった自分としては、確かに”あの頃の音”が鳴っており、「東京ロッカーズ」のバンドらも同じようにライヴでの音とスタジオ録音では随分と違って聴こえたことを思い出した。その頃(80年代中後半)にこのINUを購入しなかったのは、彼らが関西出身だったこともあると思うが、当時は中古レコード屋でいい値段が付いていたこともあったかもしれない。

ちょっとあからさまにニューウェーヴな1から始まり、関西弁がらしさいっぱいの3、ベースの反復と町田のシャウトがPIL(パブリック・イメージ・リミテッド)を彷彿とさせる表題曲の6、サックスは無いけどジェームス・チャンス(James Chance)のような不協和音の10、エッジの効いたギターがまるでギャング・オブ・フォー(Gang Of Four)を思わせる11など、少なからず当時のポスト・パンクの連中の影響を強く受けていると思われる。ベース初心者だったという西川成子のベースがシンプルな中にも狂気を発していてイイ。町田の歌詞は自分にはあまり素直に耳に入ってこないが、こうして聴いてみると音像が「東京ロッカーズ」と似ているのは、このアルバムのプロデュースが現音楽評論家の鳥井ガク(賀句)だということもあるのかも(※)

※鳥井ガクは東京ロッカーズのバンドのひとつ「PAIN」のメンバー

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (1998/8/26)
  • Disc : 1
  • Label : 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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天才か人災か ~泉谷しげるオールタイムベスト~ / 泉谷しげる

2017年04月04日 | ロック(日本)

天才か人災か ~泉谷しげるオールタイムベスト~ / 泉谷しげる (2010)

もうすでに彼のベスト盤CDはいくつも持っているのだが、レーベルを跨ったオールタイムベストでDVD付、浦沢直樹氏のイラスト・ジャケットで気になっていた「天才か人災か」をいまさらながらに購入。コンパイルされた40年間(1970-2010)の間に、知っているだけでも6くらいのレーベルを渡り歩いているので、権利関係だろうと思うが今までオールタイムベストが企画されたことは無かったのだとか。自分の聴き始めは’86~91の「LOSER」期だったが、彼らと袂を分かった後もチャリティー活動を含めてコンスタントに活動しているのはさすが。

芸能活動があるので一般的には「キレるオヤジ」のイメージが強いかもしれないが、彼の音楽は、都会に住む人間の嫉妬や、焦燥感、無力感をすくい取った繊細な歌詞と独特の言葉の選び方に特徴があると思う。現在主流の分かり易い”応援ソング”とは違い、切り取った言葉を接いでいるので難解だし、直接的に理解させる歌詞は意外と少ない(かっこつけてるしネ)。でも聴き込んでいくとその”いらつき”がグッとくるのだ。ただし、それも都会(特に東京)在住者限定。自分も東京に居た頃はそういう感覚を感じることが出来たが、田舎に住んでいる今は、正直彼の音楽が沁みてこない。不思議だ。それに彼がそう強調している訳ではないが、やはり泉谷の歌は男の歌だろうと思う(女性ファンも多いんだけどね)。

この編集盤、選曲は無難なものだろう。あれがこれがはあるだろうが、ファンの誰がやっても2枚組だと近い内容にはなるんじゃないか。デジタルリマスターされているという音質の良さは特に感じることは無かったが、こうして改めて並べてみるとLOSERの時期はやはりちょっと毛色が異なる音だったんだなァと再認識する。期待したDVDは何かの番組の企画だろうか、泉谷のインタビュー映像。彼自身が歴史を(真面目に)振り返っているが、尺は充分あるんだから、もっともっと当時の演奏楽曲や映像を挟んで欲しかったなァというのが正直な感想。

オークションにて購入(¥1,510)

  • CD (2010/5/26)
  • Disc : 3
  • Format: CD+DVD
  • Label : ポニーキャニオン
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Have Mercy! / 忌野清志郎 with Booker T. & The MG’s

2017年03月18日 | ロック(日本)

Have Mercy! / 忌野清志郎 with Booker T. & The MG’s (1992)

RCサクセション解散以降、タイマーズ、HISを経て忌野清志郎が作ったアルバムが「Memphis」。そこで当地でのレコーディングに参加したのが、かのブッカーT&ザ・MGズ(Booker T. & The MG's)! 清志郎にとっては敬愛するオーティス(Otis Redding)のバックで演奏した彼らとのレコーディングなんて夢のような話だったろう。しかもずっと一緒に活動していなかった彼らを再結成させた形になって、ツアーもやることになったんだからスゴイ。百戦錬磨で柔軟なMG'ズ相手ではあるものの、普通なら尻込みしてしまうんじゃないか。RC解散以後はタイマーズを除いて当時の彼のソロ活動にはあまり興味が沸かず、ずっとほったらかしにしておいたので、このアルバムもようやく聴くことになったが、当時の自分の不明を恥じるばかり。

「忌野清志郎 with Booker T. & The MG's Tour 1992」と称したツアーが全国で9本行われ、このアルバムは日本武道館で収録されたそう。イントロのMCは無二の親友となったスティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)が行い、清志郎の登場。実際のライヴで経験したことがある人もいるだろうが、彼のヴォーカルはその場の空気をガラッと変えてしまうチカラがある。RC時代以外のライヴは経験したことがないが、この組み合わせ、見てみたかったなァ。「Memphis」収録曲を中心に、未発表曲、RC時代の曲、そしてスタックス3連発と、MG’ズをバックに堂々と渡り合う技量があることを証明してみせた清志郎。絶好調だ。この後、ブッカーT&MG’ズはニール・ヤング(Neil Young)のバックで活動することになるんだから、そのきっかけを清志郎が作ったと言っても過言ではないんじゃないか。そしてスティーヴ・クロッパ―と清志郎は無二の親友となった。

オークションにて購入(¥680)

  • CD (1992/6/24)
  • Disc : 1
  • Label : EMIミュージック・ジャパン
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