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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Struttin' / The Meters

2017年09月02日 | ソウル・ファンク・R&B

Struttin' / The Meters (1970)

1970年に発売されたミーターズ(The Meters)のサード・アルバム。ジャケットにも鶏が描いてあるが、いきなり鶏の鳴きマネの「Chicken Strut」から始まる。ま、馬鹿馬鹿しいのだが、なんともゴキゲンなサウンドなので、あまり何も考えず楽しめてしまう。ヴォーカル曲がいくつも入っている変化はあるが、基本的は最初のアルバムから音楽的な路線は変わっていない。で、そのヴォーカル曲はというと…、正直あんまり好きじゃないかな。アート・ネヴィル(Art Neville)がヴォーカルを担当している。ドクター・ジョン(Dr. John)のような強いアクを期待する訳ではないが、ちょっと平坦で滑らかすぎるというか、綺麗過ぎな感じ。彼ららしい複数で歌うシンガロン(Sing-along)タイプの曲だと嫌いじゃないんだけど。

”セカンド・ライン”と呼ばれるニューオーリンズ特有のタメの効いたリズムと、ファンキーなグルーヴは、絶対に打ち込みのリズムボックスからは生まれない有機的なサウンド。音楽的な理論なんて全然知らないが、たぶん5線譜などから音楽理論を語る人からしたら、かなり”デタラメな”音楽なんじゃないだろうか。でもそれこそが彼らの音楽の気持ちいいところ。このアルバムでも要のジガブー(Joe "Zigaboo" Modeliste)のドラム、レオ・ノセンテリ(Leo Nocentelli)の小気味良いカッティング・ギター、滑らかなジョージ・ポーターJr.(George Porter, Jr.)のベース、そしてアートのキーボード、と少数ながら鉄壁の布陣。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD (1999/11/30)
  • Disc : 1
  • Format : Import
  • Label : Sundazed Music Inc.
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Original Album Series / Booker T. & The MG's

2017年03月10日 | ソウル・ファンク・R&B

Original Album Series / Booker T. & The MG's (2012)

泣く子も黙ってグルーヴしてしまうブッカー・T&ザ・MGズ(Booker T. & The MG's)の初期5枚のアルバムを簡易紙ジャケにしてセットした反則シリーズ。また買ってしまった。各アルバムに愛着が湧かないので、いっぺんに揃えてしまうこの買い方はダメだと分かっているのについ買っちゃう(なんと心の弱いことよ)。彼らの曲は多く耳にするが、編集盤だと名曲「Green Onion」止まりなことも多い。自分のようにスタックス(STAX)レーベル自体が好きだと、オリジナル・アルバムよりもつい編集盤の方を多く所有してしまい、オリジナル・アルバムは有名どころ(彼らで言うとファースト)を除くと、ライヴ盤以外はしっかり聴いていない。

スタックスの専属バンドでもあった彼らの曲はおのずとインスト曲、カヴァー曲が多くを占めるが、現在の耳で聴くと明るめの曲はスーパーのBGMに聴こえないこともないのは仕方がない(だってスーパーが彼らのような音楽をBGMに採用したんだもの)。ま、本物のMG'sが流れていたらそのスーパーに通っちゃうが(笑)。例えば青ジャケット時代の「ルパン三世」のTVシリーズ(山下毅雄)や「太陽にほえろ」(井上堯之バンド)などの刑事物なんて、バックに流れる音楽はもろにMGズ。当時(60年代中後半)最もヒップな音楽だったんだろう。ブッカーT(Booker T. Jones)のオルガン、スティーヴ・クロッパ―(Steve Cropper)のギター、ダック・ダン(Donald "Duck" Dunn)ベース、アル・ジャクソン(Al Jackson)のドラムが奏でるバンド単体の音がカッコイイのはもちろんだけれど、さらりとクールにバック演奏をやってのける彼らがかっこいい。

他の同様シリーズの記事はこちら

オークションにて購入(¥1,463)

  • CD (2012/9/18)
  • Disc : 5
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label : Warner Bros UK

 

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Tina Live In Europe / Tina Turner

2017年02月18日 | ソウル・ファンク・R&B

Tina Live In Europe / Tina Turner (1988)

ティナ・ターナー(Tina Turner)の1985年の「Private Dancer Tour」と1987年の「Break Every Rule World Tour 」を収録したライヴ盤。これは2枚組だが、それぞれ単発で発売された「Tina Live」、「More Live!」と同じ内容(編集は違うかも)。60年代からソウルの女王として活躍したティナだが、映画にもなったように夫のアイク・ターナー(Ike Turner)に暴力で支配され、70年代半ばの人気凋落で離婚を含め、どん底に陥るが、84年の名盤「Private Dancer」で一線に復活し大ヒット、それに伴うツアー、そして更なるヒットと続いた(でもアイクのギターと低音ヴォーカルは最高だ)。復活後、順風満帆の頃の音源だけに、彼女の溌剌とした雰囲気と大聴衆の前で歌う喜びに満ち溢れている。バックの演奏は音楽的には高テクだが面白みはなく、いわゆる80年代のバックバンドらしくまとまっている。ま、メインがティナの歌なのでこれくらいがちょうどいいのだ。

2枚目にまとめて収録された豪華ゲスト陣(2-3,4 Robert Cray、2-6 Eric Clapton、2-9,10 David Bowie、2-12 Bryan Adams)との共演は、それぞれがヴィデオ映像で発表されたりもした有名なものばかり。もともとこういう共演の場合、どのくらいリハーサルをするものなのか知らないが、しっかりとした映像で残っているということは入念にリハーサルしたのかもしれない。出来も最高に良く、彼女の明るさや性格を表わしているし、どのテイクからも彼女が(共演者からも観客からも)愛されていることがよく分かる。最近活動を聞かないのが心配だが…。

amazonにて購入(¥663)

  • CD (1991/12/16)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Live, Import
  • Label : Capitol
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The Best of Candy Dulfer : Candy Funky Selection / Candy Dulfer

2016年08月27日 | ソウル・ファンク・R&B

The Best of Candy Dulfer : Candy Funky Selection / Candy Dulfer (1998)

オランダ生まれのサクソフォニスト、キャンディー・ダルファー(Candy Dulfer)の日本編集のベスト盤。彼女の曲を初めて聞いたのは93年のヒット曲「Sax-a-Go-Go」だったと思う。何で耳に留まったかは忘れてしまったが、当時、ブロンドの可愛い娘ちゃんサックス・プレイヤーとしてかなり注目を浴びたんじゃなかったかな。おまけにマドンナ(Madonna)の前座や、プリンス(Prince)との共演も話題になった。元々親父がサックス・プレイヤーなので(”Dulfer”と名乗っていたはず)その素養はあったのかもしれないが、「美人」+「お洒落なジャズ(イメージとして)」だもの、プロダクションが放ってはおかないわな。当時のプロモなんかを見ると、90年代初めの、あの時代らしいお洒落な感じに作られていて、ヒップホップ風味を足した感じは、いかにもっていう時代の雰囲気。当時そんなPVを見たのか、ラジオで聴いたのか、音楽雑誌で見たのかは忘れてしまったが、しっかりと印象には残っていた。なぜか、結婚前だった嫁と一緒だった時にBGMで流れていた店も思い出した(笑)。

この記事を書くにあたって軽く調べてみると、なんとキャリア最初期にして、関わっているのはマドンナやプリンスのみならず、ユーリズミクス(Eurythmics)のデイヴ・スチュアート(Dave Stewart)、ピンク・フロイド(Pink Floyd)、ヴァン・モリソン(Van Morrison)など結構凄い面々との共演。この面子を見たら”ただ可愛いだけ”でない事は間違いないだろう。今だ現役の彼女なので、発表年からいくと、このベスト盤は初期の4枚に限ったベストといえる。ドラムの音の処理や、ヒップホップの導入など、やはりプリンスとかぶるところが多く、今にもプリンスのヴォーカルが入ってきそうな感じだ。なかなかイイ。良くも悪くも80年代っぽさが残っていて、あの時代の音を聴いている世代にはグッとくるところがある。一時期80年代のシンセ主体のチープな音像はどの世代の誰からも酷評されたが、最近はそうでもなくて、1周回って新鮮という雰囲気に変わってきている(気がする)。あの頃の音楽で育った世代が今、自分も含めて社会の中心の世代なので、ちょっと自分の心に素直になって(笑)、再評価されているのかもしれない。

こういう音楽は一歩間違えると、甘ったるい商業フュージョン(何某Gとか)に陥ってもおかしくないような気がするが、踏みとどまっているのは先達に通じるようなファンキーな曲調と、明るいヒップホップ風味のせいだろう。

 ブックオフにて購入(¥108)

  • CD (1998/6/3)
  • Disc : 1
  • Label : RCAアリオラジャパン
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Original Album Series / Curtis Mayfield

2016年08月11日 | ソウル・ファンク・R&B

Original Album Series / Curtis Mayfield (2009)

おなじみ簡易紙ジャケット5枚組の廉価シリーズ「Original Album Sreries」。今回購入したのはカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)。収録されているアルバムは、

Curtis (1970)
Curtis/Live (1970)
Roots (1971)
Superfly (1972)
Back To The World (1973)

という珠玉の5枚。ただし、同名のセットでサントラの「Superfly 」が抜けて「Sweet Exorcist」(1974)が入っているセットもあるので注意。個人的にはやはり超のつく名盤「Superfly」が入っていた方が分かりやすいコンピかなと。例の如く、ダブっているアルバムが2枚もあるが、構うもんかと購入してしまった。

自分もずっと追ってきた訳ではないし、前回も述べたが最初は苦手だったカーティス・メイフィールド。ファルセットを多用する彼の発声はいわゆるステレオタイプな黒人らしくなく、とっつきにくかった。それぞれメッセージ性は強いのだが、マイルドでスウィートな歌唱に騙されて、ストレートにガツンとビンタをつるような雰囲気ではなく、ジワジワと痛みが効いてくる感じ。でも一度ハマるとなかなか抜け出せない快感がある(自分も時間がかかったけれど)。もちろん本当にスウィートな曲もある。プロデュースはすべてカーティス自身。「ニュー・ソウル」を代表するような都会的な雰囲気と、ねちっこい演奏が魅力的。そのかっこよさは、ヒップホップ勃興期から彼の音楽からのサンプリングが多かったことで証明済み。たった3年の間に発表されたこの中のうち、1枚も駄作が無いというのがスゴイ。ただ、歌詞の半分も理解していないだろうことがもどかしいが…。普段日本盤を買うことに執着していないが、こういう時に歌詞カードが欲しいなと思う。

オークションにて購入(¥1,560)

  • CD (2012/9/11)
  • Disc : 5
  • Format: Box set, Import
  • Label : Rhino
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Gold / Parliament

2016年08月03日 | ソウル・ファンク・R&B

Gold / Parliament (2005)

ちょっと前に「Chocolate City」などを聴いて、やっぱりファンカ(ファンカデリック・Funkadelic)よりもパーラメント(Paliament)名義の一連の曲の方が好きだなァと思っていたところに好都合のベスト盤を発見。この「Gold」と名付けられたユニヴァーサルのベスト盤シリーズは焼き直しが多いので物珍しさは無いものの、収録曲も多いし、大体において的を射た選曲なので、これまでにもいくつかのアーティストを購入している(高くなければおすすめ)。ジャケット写真で分かる通り、70年代のズブズブのファンク期中心の選曲。元になっているのはこちらのベスト盤らしい。

自分が彼らを聴きだしたきっかけは80年代から90年代にかけてのレッチリ(Red Hot Chili Peppers)が彼らの曲をカヴァーしたり、リフを混ぜてみたり、ジャムったりしていたから。まるっきりの白人ロック・バンドには珍しくどっぷりとPファンクの影響を受けていたので、そこから元曲を探す過程で聴くようになった。今となっては初期のファンクネスを全く失ってしまったレッチリだが、未熟(下手クソで音痴・笑)ではあったが、影響を受けた音楽を恥ずかしげもなくどんどん採り入れる若さがあった彼らが好きだったナ…(寂)。

それはさておきパーラメント、派手で、奇妙で、熱くて、濃くて、汗だくで、と実世界では絶対に遭遇したくない人達だ(笑)。彼らの場合、もう何というか、ファンタジーの世界。全盛期のライヴを一度でいいから見てみたかったなァ。せめてしっかりとしたカメラワークのプロ映像が残っていればいいのだが…。このコンピも、どこを切り取ってもファンキーで、へヴィーで、かといってあまりマニアック過ぎてダークな所に落ちない、ある意味「メジャー」とも言えるポップで明るい音楽性が心地良い。律儀に年代順(1974-1980)に並んでいるが、特に発表年代による音楽性の差は感じない。2枚目(つまり後期)はよりジャムっぽい曲が多くなる。初めてPファンクを齧ってみようという人にはお勧め。ジョージ・クリントン(George Clinton)を中心とするこの団体は独特な世界観だからか、ライナーに「Funkencyclo-P-Dia」と題したPファンク語辞典が載っているのが面白い。 

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (2005/3/1)
  • Disc : 2
  • Format: Original recording remastered, Import
  • Label : Island
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Fulfillingness' First Finale / Stevie Wonder

2016年07月25日 | ソウル・ファンク・R&B

Fulfillingness' First Finale / Stevie Wonder (1974)

スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の充実しまくった70年代の名作群のうちの1枚。リリースの時系列的には「Talking Book」(1972) - 「Innnervisions」(1973) -「Fulfillingness' First Finale」(本作・1974) - 「Songs In The Key of Life」(1976) という流れ。すごい。どれも超の付く名作揃い。もちろん自分は後追いで聴いているので意識の中で順番はバラバラ。ちゃんと時系列で聴いていたらどう感じたか、自分でも興味深い。当時の日本での評価はどうだったのかな?

グッと落ち着いたスロー~ミドルテンポな曲が多いこのアルバム。オープニングからしっとりとしたメロウな雰囲気が続く。曲の内容も、社会性を表に出した曲はあれど、全体的に受けるイメージはそちらよりも「人」への方向性が強い感じがする(ただし言葉の壁は大きい…)。4「Boogie On Reggae Woman」と、6「You Haven't Done Nothin'」などは曲の質感が異なり、前2作で見せたフェンダー・ローズとモーグ・シンセサイザーを駆使したファンクネスが前面に。やっぱり個人的にはこういう音が好き。一気に気分が上がる。それでも前作までと比べるとヴォーカルが抑え気味なこともあって、やはり全体的に大人しい感じがしないでもない。

70年代初めからスティーヴィーと関わり、当時「Lovin' You 」をヒットさせていたミニー・リパートン(Minnie Riperton)やジャクソン5(The Jackson 5)がコーラスで参加している。

オークションにて購入(¥496)

  • CD (2000/3/21)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Original recording remastered, Import
  • Label : Motown
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The Collection / The Pointer Sisters

2016年07月10日 | ソウル・ファンク・R&B

The Collection / The Pointer Sisters (1998)

アメリカのショービズでは定番の女性3人組ヴォーカル・グループのひとつ、ポインター・シスターズ(The Pointer Sisters)。彼女ら(Ruth, Anita, June もちろん本当の姉妹で当初は三女Bonnieを含む4人組だった)を初めて見たのはテレビ番組の中で、リラックスした感じで即興のアカペラを演ったのを見た時だった。たぶん過去のグラミー賞授賞式か何かを振り返るような企画の番組だったと思う。やっぱり向こうの人は旨いなァー、と小学生ながらに感心した覚えがある。

70年代後半にディスコ・サウンドに舵を切ってからヒットを飛ばし、特に1983年に発表したアルバム「Break Out」は大ヒット。このアルバムはハズレ曲なしで、文句無しに楽しいポップ・アルバムだったので愛聴した。収録曲は次々とシングル・カットされヒット、そしてお馴染みの大ヒット映画「ビバリーヒルズ・コップ」挿入歌で更にヒットを飛ばした。そんな彼女らもメンバーの死去(末妹のJune Pointer、一番フォトジェニックだった)もあり、すでにこの頃のメンバー構成では無くなっているが、最近まで活動していたようだ。中古店の棚に懐かしい名前を見つけたので購入した。

さすがにテキトーな企画の廉価盤コンピとあって、ジャケやらインナーはいい加減なもんだが、収録されている曲は別。当然ながら80年代以降が中心の選曲だが、どれも華やかでポップで、素晴らしい出来。曲によってリード・ヴォーカルを使い分けているのでヴァラエティーに富んでいて、ダンサブルなエレクトリック・ポップ、歌を聴かせるミッドテンポの落ち着いた曲、スローなバラード、どれも魅力たっぷり。久し振りに聴いたけれど、やっぱり彼女らは文句なしに好きだナー。

中古店にて購入(¥500)

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Chocolate City / Paliament

2016年07月04日 | ソウル・ファンク・R&B

Chocolate City / Paliament (1975)

今年は訃報が続く。今度はバーニー・ウォーレル(Bernie Worrell)だ。享年72歳。少し前に病状が伝えられていたので驚きはしなかったが…。Pファンク(P-Funk)関連は主メンバーとしてほとんど全てに関わり、自分のソロ活動はもちろん、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)では準メンバー扱い、他にもキース・リチャーズ(Keith Richards)や奥田民生のソロ・アルバムでも活躍。幅広い音楽性と人柄の良さが伝えられるキーボード・プレイヤーだった。

このアルバムはパーラメント(Paliament)の代表作のひとつ。と言っても自分はしっかりとアルバムを聴くのは初めて。様々なコンピに表題曲は必ず選ばれるので聴いたような気になっていた。タイトルの「Chocolate City」とはアメリカの首都ワシントンD.C.のこと。もちろん行政の中心であり、白人がその中枢を占めていたが(当時)、その実、首都の人口比率は黒人が圧倒的に多く、その多くが貧困層だった現実を揶揄して付けられたニックネームだった(と思う)。表題曲は不穏なイントロからジョージ・クリントン(George Clinton)の独白が続く奇妙な曲だが、チョコレート・シティでは、モハメッド・アリ(Muhammad Ali)が大統領、アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)がファースト・レディ、リチャード・プライヤー(Richard Pryor ※人気毒舌コメディアン)が教育担当大臣、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)が芸術担当大臣だ、と皮肉交じりに語られる。ま、アルバム発表当時は夢物語だった訳だが、今や黒人が大統領なのだから隔世の感がある。

これぞPファンクというノリのあっという間の30数分。濃密です。ちなみに「ファンカデリック(Funkadelic)」と「パーラメント」の区別や立ち位置を理解するのは自分にはまだ難しいので、現在研究本にて鋭意勉強中(笑)。

ブックオフにて購入(¥500)

  • CD (1990/4/20)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Polygram Records

 

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Curtis Live! / Curtis Mayfield

2016年06月13日 | ソウル・ファンク・R&B

Curtis Live! / Curtis Mayfield (1971)

インプレッションズ(The Impressions)を離れたカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)の「Curtis/Live!」。ファーストに次いでリリースされたライヴ・アルバム。昔からずっと買ってみようかと思って見送っていた盤だ。こちらは2000年になってから米ライノ(Rhino)によりリリースされたリマスター盤。オリジナルは2枚組だったらしいが、そこに2曲追加されている。レパートリーはインプレッションズ時代のもの、ファースト・ソロのもの、このアルバムが初出のもの、で構成されていて、プロデュースはご当人、ミックスはジミヘン(Jimi Hendrix)、ツェッペリン(Led Zeppelin)、キッス(Kiss)などでお馴染みのエディー・クレイマー(Eddie Kramer)が担当している。カーティスのアルバムで仕事をしていたとは全然知らなかった。

ニュー・ソウルを象徴するかのような、やや暗く都会的なサウンドのソウル・ミュージック。もちろん根底に流れるのはゴスペル音楽。多用されるワウワウとカッティング・ギター、ブンブン鳴るベースとコンガの音色が特徴的なドラムスが作り出すグルーヴが、カーティスのファルセットと共にだんだんと熱が上がっていき、聴いていて引き込まれる好盤だ(でもボーナス・トラックは蛇足かな)。もっと早く聴くべきだったなァ。演奏をするバック・ミュージシャンの手腕も見事。

とはいえ実は自分、若い頃に映画「ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)」にハマったので、ソウル・ミュージックは比較若い頃から好きだったが、カーティスを聴くようになったのはかなり遅い。随分前に同じくライノから発売されていたベスト盤を購入していたが、最初はあの独特のファルセットがどうにも苦手で、ボブ・マーリー(Bob Marley)や、ロッド・スチュアート(Rod Stewart)ら有名アーティストがこぞってカヴァーしたインプレッションズ時代の名曲「People Get Ready」も、それこそカヴァー・ヴァージョンの方が好きだったくらい。カルト映画としての評価も高かった「Superfly」も、表題曲らはコンピ盤などでよく聴いていたが、アルバムを通して聴いたのはまだ最近だ。それが甘い声で歌われる曲に、イメージとは違う政治的なメッセージが込められていると知ってから興味が湧き、時間をかけてだんだん好きになっていったのだ。音の感触も、なぜ70年代初頭のソウル・ミュージックはこんなに艶やかというかリアルな音像なんだろうといつも不思議になる。レコーディング機材なのか、テープなのか、はたまたプロデューサー、ミキサーの手腕なのか…。現在のデジタル時代にはないマジックがそこにある。

オークションにて購入(¥557)

  • CD (2000/8/15)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Original recording remastered, Import, Live
  • Label : Rhino / Wea

 

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